て、どのような対応をしているのでしょうか。
朝日新聞は、「紙からデジタルへ」ではなく、「紙もデジタル
も」の方針で行くといっています。朝日新聞の2010年3月期
は2期連続での赤字決算に沈んでいます。部数減少は止まらず、
2010年4月には遂に800万部を割り込んでしまっています
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≪朝日新聞発行部数≫
2008年 2009年 2010年
8048703 8023842 7915072
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今年の4月以降、朝日新聞はいろいろなデジタル化の仕掛けを
やっているのです。
4月20日は、ウェブ新書を有料で販売する「エースタンド」
を開始しています。エースタンドは朝日新聞の課金システムであ
り、これには自社コンテンツだけでなく、新聞社や出版社などに
も活用を呼びかけ、講談社や文芸春秋、時事通信社、ダイヤモン
ド社などの大手出版社のコンテンツも扱っています。
5月27日には、ソニー、KDDI、凸版印刷とともに電子書
籍配信事業を行うことを発表しています。これについては、EJ
第2871号でご紹介しています。さらにソフトバンクの『ビュ
ーン』へも、「AERA」と「週刊朝日」が参加することを表明
しています。
6月24日には、言論サイト「ウェブロンザ」を開設していま
す。ここには有料サイト「ウェブロンザ・プラス」があり、7月
1日から月額735円の課金が行われます。
このように朝日新聞は現在有料のデジタル新事業を次々と立ち
上げているのです。その特徴というべきは、自社単独でなく、他
業界の企業と組んで行う新事業が多い点です。朝日新聞の経営企
画担当の和気取締役は次のようにいっています。
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新事業への展開では自前王義に陥らないようにしている、当社
のコアコンピタンスである取材力、編集力と、それに裏打ちさ
れたブランドカを評価してくれる企業と模極的に組んでいく。
他社と組むことにより1社では負えないリスクをマネージする
こともできる。 ──和気取締役
──『週刊東洋経済』7/3号より
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「紙に集中」する戦略をとる読売新聞と、「紙もデジタルも」
の朝日新聞──どちらの戦略が正しいでしょうか。これはしばら
く時間が経過しないとわかりませんが、いずれにしても会社の命
運がかかっていることは確かです。
朝日新聞の秋山耿太郎社長は、デジタル時代の朝日新聞のあり
方について次のように述べています。
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紙からデジタルに舵を切るのではなく、紙もデジタルも、つま
り両者の最適な組み合わせを追求していくしかないと考えてい
る。というのも、朝日新聞の収入の9割が紙の新聞によるもの
であり、それを支えているのが北は北海道の稚内から、南は奄
美大島までの全国販売網であるためだ。(中略)紙の新聞でも
デジタルでも、生き残っていくために必要なことは同じだと思
う。商品力、競争力のあるコンテンツがカギとなるはずだ。
──秋山耿太郎朝日新聞社長
──『週刊東洋経済』7/3号より
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新聞のデジタル化とその有料化について考える前に知っておく
べきことがあります。それは日本の新聞代金は、国際的にみて非
常に割高であるという事実です。
日本の新聞代金は、朝日、読売、毎日については、朝刊・夕刊
セットで3925円、日本経済新聞については4383円、産経
新聞ついては夕刊なしで2950円です。
海外、とくに米国に住んだことのない人は、新聞の代金はそん
なものかと考えますが、米国でしばらく生活したことのある人は
日本の新聞は異常に高く感じられます。
国際厚生事業団理事で、元毎日新聞ワシントン支局長の経験の
ある河内孝氏は、1990年代にワシントンDCに暮らしていた
が、当時のワシントン・ポストの3ヵ月の購読料は宅配で18ド
ル前後であったといっています。当時の為替は1ドル=160円
であったので、3ヵ月で2880円、1カ月当たり1000円以
下なのです。現在では約20ドルであり、1ドル=100円とし
ても月2000円で、日本の約半分の価格です。
さらに河内孝氏は、日本の新聞より安いと感じることはその分
量であるとして、次のように述べています。
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そういう感じを持ったのは、アメリカの新聞の分量にもある。
夕刊がないといっても連日、政治・外交、経済、スポーツ、地
域ニュースがセクション別になった、総計50〜60ページの
束がポリ袋に詰められ、玄関先に放り込まれる。さらに週末と
もなれば、電話帳のような日曜版が来るのだから、量を比較し
てみると、優に日本の3倍にはなるだろう。
──河内孝著『次に来るメディアは何か』
ちくま新書/826
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日本の新聞は国際的に見てもこれほど高い価格をとっているの
に読売新聞は別として、他の新聞社の業績は危機的状況にありま
す。トップの読売新聞社においても相当無理をしての1000万
部維持であり、いつまでその状況が続けられるかきわめて不透明
であるといえます。そこにきて、デジタル化の問題があり、各紙
は相次いで有料課金化を進めていますが、果たしてうまく行くの
か注目されます。 ──[メディア覇権戦争/13]
≪画像および関連情報≫
●河内 孝氏のコラムから
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5月中旬、グーグルが「ストリートビュー」のデータ収集時
に誤って個人情報を収録した事件が報じられた。このプライ
バシー侵害事件、欧米の各メディアはインターネット時代を
象徴するショッキングな出来事として連日、大々的に取り上
げ、論評している。一方、この問題についての国内での報道
量はきわめて限られ、従って大きな反応もなく、各国とは極
端なコントラストを見せている。この違いは、何を物語って
いるのだろう。少し事件の経過をおさらいしてみよう。5月
14、15日付のニューヨーク・タイムズによると5月上旬
ドイツの消費者保護庁がグーグルに対し、個人情報の権利侵
害に関し厳重な申し入れを行い、早急に是正を求めた。
http://journal.mycom.co.jp/column/media/054/index.html
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河内 孝氏の本


