必要があります。この分野に詳しい元竹中平蔵大臣の補佐官を務
めた岸博幸氏は、ネット上のサービスを次の4つのレイヤーに分
けて説明しています。
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1.コンテンツ/アプリケーション
2.プラットフォーム
3.インフラ
4.端末
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最下層は「端末レイヤー」です。これはネットにアクセスする
さいに使うPCや携帯電話などの端末を意味しています。この層
はPCと相場が決まっていたのですが、最近は、それがスマート
フォンやiPadなどに置き換わりつつあるのです。
第3層は「インフラ・レイヤー」です。ネットにアクセスする
とき、このレイヤーを使って行います。NTTなどの通信事業者
やCATV事業者が属しており、光ファイバーやADSLなどの
ブロードバンドや携帯電話網を通じてネットへの接続と情報の伝
達というサービスを提供しているのです。
第2層は「プラットフォーム・レイヤー」です。プラットフォ
ーム──ITの世界にはよく出てくる言葉です。難しく考える必
要はないのです。駅のプラットフォームと同じです。私たちは電
車を利用してどこかに行くとき、駅のプラットフォームを選んで
電車に乗りますが、それと基本的には変わらないのです。
ネットを利用するとき、必ず使うグーグルやヤフーなどの検索
サービス、ミクシィなどのSNS、ユーチューブやニコニコ動画
などの動画サイト、これらはプラットフォーム・レイヤーが提供
するサービスです。
第1層は「コンテンツ/アプリケーション・レイヤー」です。
このレイヤーは文字通りコンテンツ(情報の中身)をユーザーに
提供するレイヤーです。テレビ番組や新聞記事などのマスメディ
アの情報、音楽や映画などのコンテンツもこのレイヤーから提供
されるのです。
一般論でいえば、第4層から第2層までは、いわば第1層を支
える土台の部分、つまり、第1層は本来花形であるべきです。確
かに米国ではネットが普及を始めた初期には、次のようなことが
いわれたのです。
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content is king./コンテンツは王様である
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しかし、最近米国では、この言葉は次のようにいい直されてい
るのです。
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content has never been king.
コンテンツが王様になることはなかった
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これが現在テレビや新聞などのマスメディアや書店を窮地に追
い込んでいる原因なのです。これに関連して岸博幸氏は次のデー
タを示しています。
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≪米国ウェブサイトのユニーク・ビジター数/月間≫
第 1位 グーグル ・・・・・・ 164086000人
第 2位 ヤフー ・・・・・・・ 158251000人
第 3位 マイクロソフト ・・・ 132618000人
第 4位 AOL ・・・・・・・ 98515000人
第 5位 フェイスブック ・・・ 97372000人
第 6位 アスク・ネットワーク 88073000人
第 7位 FOXテレビ ・・・・ 82862000人
第 8位 アマゾン ・・・・・・ 69945000人
第 9位 ウィキペディア ・・・ 69492000人
第10位 イー・ベイ ・・・・・ 66987000人
──2009年10月/出典:コムスコア
──岸 博幸著/幻冬舎新書/156
『ネット帝国主義と日本の敗北/搾取されるカネと文化』より
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ここで「ユニーク・ビジター数」という言葉について説明しま
しょう。ウェブサイトに訪れる人はカウントできますが、一人が
同じサイトを何回もアクセスすることもあます。その場合の重複
を排除した正味のビジター数を「ユニーク・ビジター数」と呼ん
でいるのです。具体的には、同じメールアドレスでアクセスして
くる人を1としかカウントしなければよいのです。
このベスト10のうち、コンテンツ企業は第7位のFOXテレ
ビ一社のみであり、他はすべてプラットフォーム企業なのです。
上記4つのレイヤーについて総括的にいうと、第4層と第3層の
ビジネスはあまり儲からないビジネスといえます。
これに対して、第2層のプラットフォームはビジネスとしては
一番儲かっているのです。第1層のコンテンツについては、本来
であれば、一番儲かってもいいのですが、そのおいしいところを
プラットフォーム企業に浸食された結果、あまり儲からないビジ
ネスになりつつあります。それを示しているのが、サイトへのユ
ニーク・ビジター数の順位なのです。岸氏の本には、ベスト10
ではなく、ベスト20が掲載されているのですが、コンテンツ企
業はそのうちの6社に過ぎないのです。
このベスト10で注目すべきことは、Eコマースのアマゾンや
イーベイを除いて、基本的には広告収入に収益を依存した「無料
モデル」をビジネスモデルとして採用している点です。それは、
広告費の「マスメディアからネットへのシフト」が急速に進んで
いることをあらわしています。マスメディアとしては、この点が
もっともアタマの痛いところなのです。
──[メディア覇権戦争/03]
≪画像および関連情報≫
●『ネット帝国主義と日本の敗北』について
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今ネットの世界では、グーグル、アマゾンなどに代表される
米国ネット企業だけが莫大な収益を上げ一人勝ちしている。
これらの企業は、オバマ政権の後押しも受け、その帝国主義
的拡大をさらに押し進めている。一例であるグーグル・ブッ
ク検索の問題では、ヨーロッパ各国政府がグーグルの提示し
た和解案に反対の姿勢を明確に示し、国家の威信をかけた抵
抗が始まった。このままでは、いつまでも毅然とした姿勢を
示さず政策を間違い続ける日本だけが、カネと文化を搾取さ
れてしまう。国益の観点からネットの危機的状況を初めてあ
ぶり出す。 http://booklog.jp/asin/434498157X
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岸博幸著『ネット帝国主義と日本の敗北』


