2010年07月22日

●「検察と検察審査会の関係」(EJ第2860号)

 現在、ある意味で政治家小沢一郎氏の命運を決める第5検察審
査会での小沢氏に対する審理はストップしています。審査補助弁
護士が決まっていないからです。
 これについては、7月6日付のEJ第2849号に書きました
が、その後新しい情報が入ってきたので、もう少していねいにお
伝えすることにします。
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≪EJ第2849号/2010年7月6日≫
http://electronic-journal.seesaa.net/article/155558742.html
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 東京地検特捜部が今年の1月に石川知裕議員を「政治資金収支
報告書虚偽記載」の容疑で逮捕したとき、それとほぼ同時にある
市民団体(個人)が小沢氏を同じ容疑で検察に刑事告発している
のです。この事実は新聞には載りましたが、扱いが小さかったの
で、ほとんどの人が気が付かなかったと思います。
 実は、東京地検特捜部が小沢氏に対して2度にわたる事情聴取
をしたのは、この告発を受けてのものだったのです。一般的には
小沢事務所の秘書など関係者3人が逮捕されていたので、事務所
のトップである小沢氏が事情聴取されたのであろうと思われてい
ますが、実は違うのです。2009年3月にも特捜部は小沢事務
所の大久保秘書を逮捕していますが、そのさい小沢氏本人は事情
聴取されていないのです。やはり小沢クラスの政治家になると、
特捜部が主体的に事情聴取しにくいのです。これに対して市民団
体からの刑事告発の場合、特捜部主体ではないというスタンスが
とれるので、事情聴取がやりやすいものと思われます。
 それだけに、小沢氏を告発した市民団体にはウラがありそうで
す。あまりにもタイミングが良すぎるからです。検察審査会はあ
くまで検察とは別の組織ですが、それは外部からの見方であり、
内部的にはつながっていないとはいえないのです。とくに気にな
るのは、石川議員の逮捕にからんで小沢事務所で働いていた職員
が検察に情報をもたらしています。あくまで推測ですが、こうい
う人物が告発人になる可能性が十分あるのです。
 一般的には、検察審査会は、検察官の下した公訴権の行使に対
して民意を反映させ、また不当な不起訴処分を抑制するための機
関であって、検察とは対立する組織なのです。
 しかし、小沢事件の場合、検察が起訴しにくい不起訴の事案を
強制起訴させることが可能であるという点で検察と検察審査会の
目的は合致するのです。したがって、そこに何らかのつながりの
ようなものがあっても不思議ではないといえます。
 まして、刑事告発を受ける受けないの判断は検察庁が行うので
す。したがって、検察がやりたくないものは受け付けないことも
十分考えられます。今までにも千葉県知事への告発や自民党が選
挙敗北後に官邸機密費を使ったという疑惑の河村元官房長官への
告発など、多くの告発が行われていますが、それらを検察は門前
払いにしたり、受け付けても放り出して審理していない事案はた
くさんあるのです。ところが、小沢問題に関してはすぐ受け入れ
直ちに審理に入る──実に違和感があります。
 そもそも検察審査会という制度は、公平な制度とはいえないと
思います。裁判員制度の裁判員のように、公開されたルールにし
たがって運営されておらず、審査は、実質的に検察審査会事務官
と運営補助員の弁護士により取り進められるだけです。
 11人の審査員はくじで選ばれた法律の素人であり、彼らに対
して説明できるのは、担当検事と検察の指定した補助弁護士だけ
であり、被告発人の弁護士などはいっさい説明する機会が与えら
れないのです。つまり、検察側だけが検察審査会の議決に影響を
与えることができることになり、これは不公平です。それでも検
察審査会が2回続けて「起訴相当」を出せば、被告発人は強制起
訴されてしまうのです。
 どうやら、今年の1月に小沢氏の秘書など3人が逮捕された直
後に小沢氏を刑事告発した市民団体は2つあったようです。そし
て、検察が小沢氏に対して不起訴処分を出すと、それぞれの告発
人は、起訴を不当として検察審査会に審査を申し立てたものと思
われます。
 今回の小沢一郎氏への告発では、同じ事件を2つの検察審査会
で審査するという不思議な方法がとられています。第5検察審査
会は、土地購入代金の支払い日を2005年に虚偽記載したとき
に謀議があったという提訴を審査しています。
 そして、第1検察審査会は、2007年に小沢氏に4億円返済
したときに虚偽記載の謀議があったとの提訴に基づいて審査する
ことに加えて、2004〜2005年の報告書記載についても審
査しているのです。さらに第1検察審査会の場合は、消えたはず
の水谷建設の話が出てきているのです。これについて、「オリー
ブX!ニュース」の徳山勝氏は次のように書いています。
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 市民団体が検察審査会に小沢氏を「不起訴不当」として訴えた
 事由は、土地購入に関して動いた資金を、政治資金報告書に虚
 偽記載する時に、小沢氏と秘書たちが謀議したに違いない、と
 云うものである。その動機として、水谷建設からの資金を隠蔽
 する必要性があったと言いたいらしい。それなら、なぜ第五検
 察審査会は、その点に触れなかったのだろう。そう云う疑問が
 浮かび上がってくる。今回の議決要旨には、水谷建設からの資
 金提供は「本件の虚偽記載とは直接結びつかないが」と書いて
 ある。おそらく審査員の中から、「なぜ、何を謀議する必要が
 あるのか」との趣旨の質問が出たのだろう。そこで検察は「水
 谷建設からの資金提供を隠すためだ」とのシナリオを展開した
 と推測される。しかも、検察が捜査し立件した事件ではない。
 検察が一年以上かけ捜査しても立証できなかった容疑である。
   http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=93760
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              ──[ジャーナリズム論/64]


≪画像および関連情報≫
 ●第5検察審査会の「起訴相当」に思うこと/動画付き
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  議決書の内容をほとんど検証することなく、小沢氏が起訴相
  当とされた事実のみをマスゴミは報道する、政治家も起訴相
  当という判断だけを取り上げ大混乱、一般国民も何も考えず
  に小沢氏が悪いとみなす。思考停止状態、異常事態です。ネ
  ットだけが冷静に真実を追求している。11人の素人検察審
  査員と審査補助員が作成した議決書はとんでもない、驚くほ
  ど呆れた内容。郷原 信郎 弁護士は検察審査会の議決書は、
  これでは検察側も困るだろう!さすがにこの議決書では検察
  も驚いただろう。起訴になった場合、指定弁護人に今までの
  資料を提供するのは、いろんなものがあり、それを指定弁護
  人に渡すのは検察にとっても屈辱以外なにものでもない。し
  かし、この議決書では起訴することはできない。これは審査
  補助員弁護士が11人の素人審査員に複雑な小沢献金問題を
  公正に正確に伝えなかった。それは審査補助員弁護士自身が
  理解していなかったのか、説明不足なのか、わざと誘導した
  のかマスゴミが報道して植えつけた小沢=悪の先入観をさら
  に増幅させた。その結果市民感情だけが優先し、11人全員
  が起訴相当と議決。とんでもない議決書を作成された。11
  人の素人審査員は審査補助員弁護士に誘導された可能性が高
  く、このとんでもない議決書がもたらした混乱の責任は審査
  補助員弁護士が非常に大きい。(動画付き)
    http://oujyujyu.blog114.fc2.com/blog-entry-822.html
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郷原信郎氏/「起訴相当」議決について.jpg
郷原 信郎氏/「起訴相当」議決について
posted by 平野 浩 at 04:09| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャーナリズム論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨年3月の秘書の逮捕により、小沢氏は民主党代表を辞任させられた。
検察の無理筋な案件であることは、すでに、数多のプロの解明で述べられてきた。

今年も同様に、幹事長を辞めざるを得なくなった。
検審の起訴相当という、「市民の判断」が人民裁判の如く働いたためだ。

実際は違法性がない代議士を、ムードで犯罪者扱いにして、その国会議員としての行動を遮っている。
9月には検審の2度目の結果がでるが、再び起訴相当になるかもしれない。
2度同じ結果がでると、起訴されることになる。

これでは9月の民主党の党大会では、小沢氏は出馬できないだろう。

総理にまでなろうかという国会議員を、実際の犯罪ではなく、ムードで犯罪者のように扱い、首相になることを妨げ、代議士としての仕事をやらせない。
どれほど国益を損ない、日本の国に痛手をあたえているのだろう。

野党である自民党や公明党やみんなの党は、このような現実を、真実知らない顔をするのであろうか。
民主党の400余の議員は、どのように自党の国会議員を守るのか。

小沢氏の状況は、日本の民主主義の危機だ。


Posted by 新党 一人 at 2010年07月22日 15:51
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