し、そのことに関連して述べることにします。
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いつも勉強させてもらっています。
色々読ませていただきまして、少し疑問に思うことがございま
したのでコメントさせていただきます。今までの正社員サラリ
ーマン層が派遣社員、パートなどに置き換わってきているのが
今の日本だと思うのですが、なぜ政府はこれからの日本を引っ
張っていくこれらの層に対して、増税を行っていくのでしょう
か?そしてなぜ、それらの層と反対側にいる恵まれた層には減
税を行うのでしょうか?私には理解できませんので、ぜひ、見
解をお聞かせ願いたいのですが。
―― Posted by てつを at 2006年03月21日 10:02
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日本の税制が不公平税制であるとよくいわれます。不公平税制
を一言でいうと、徴税しにくい層から徴税する努力をしないで、
徴税しやすい層から取ろうとする点です。
現在、所得のある就業人口は約6400万人といわれます。そ
の内訳は次のようになっています。
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就業人口 税金未払い者
サラリーマン 4500万人 700万人
農業従事者 300万人 250万人
個人事業主 1300万人 300万人
フリーターなど 300万人 300万人
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6400万人 1550万人
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驚くなかれ、就業人口の24%が税金を払っていないのです。
確かに制度上税金を払わなくてもよい層もあります。しかし、支
払わなければいけないのに支払わないケースも多いのです。そう
いういわば取りにくい層から税金を徴収するのは税務署の仕事の
はずですが、ほとんど徴収できていない現状があります。
フリーターの中にはかなりの高額所得者もいるのです。しかし
多くの場合、彼らには国民の義務として税金を収めようという精
神に欠けており、税金を払っていないのです。国民年金保険料の
払わないケースと同じです。
つまり、こういうことになります。税を徴収する立場から見る
と、全就業人口の70%以上を占めるサラリーマン層が最も所得
を捕捉しやすく、徴税しやすいのです。
したがって、所得を捕捉しにくい層や、納税義務のあるのに支
払わない層はそのままにしておいて、取り易いサラリーマンから
取れるだけ取る――こういう不合理な徴税方式になってしまうわ
けです。
もう既に死語になっていますが、むかし税金に関して、「クロ
ヨン/9・6・4」という言葉があったのです。この9・6・4
は次のように対応するのです。
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9 → 所得の90%を税務署に捕捉 ・・ 給与所得者
6 → 所得の60%を税務署に捕捉 ・・ 自営業者
4 → 所得の40%を税務署に捕捉 ・・ 農業従事者
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もうひとつ「トーゴーサンピン/10・5・3・1」という言
葉もあります。10はサラリーマン、5は自営業者、3は農業従
事者です。それでは1は何かといえば政治家なのです。
これに関して、国家破綻説の元祖といわれる副島隆彦氏は著書
で次のように述べています。
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実は、この「クロヨン」とか「トーゴーサンピン」という税金
の不平、不平等を言いつのるコトバを世の中に流行らせている
のは、国税庁自身である。サラリーマンたちの不満を、自営業
者や経営者にぶつけて、妬み、嫉妬の感情を煽り立てて、税金
を取りやすくするための国税庁の策略である。
――副島隆彦著、『重税国家日本の奈落/
金融ファシズムが国民を襲う』
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サラリーマンは源泉徴収されてしまうので、所得はほぼ100
%捕捉されることになります。したがって、他の所得者との不公
平を是正するために、サラリーマンには「給与所得控除」が認め
られてきたのです。これにより、所得から約30%が控除されて
いるのです。ところが今回の政府税調の「論点整理」には次のよ
うなことが書いてあるのです。
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給与所得者であることを理由に、所得の計算に特別な斟酌を行
う必要性は乏しくなって来ている。
――政府税調の「論点整理」
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これに基づき、給与所得控除の見直し論が打ち出されているの
です。つまりこれは、今までサラリーマンにはお上のお情けで3
割控除を認めてやってきたが、今は国家財政の非常事態であり、
そんな特別待遇をする理由も必要もない――こういっているのと
同じです。
日本の国家財政をここまで貶めたのは、財務省を中心とする官
僚機構です。自分たちの失敗を棚に上げて、そもそも不公平税制
を是正するために設けられている給与所得控除を見直すとはとん
でもない暴論です。
給与所得控除を廃止するなら、財務省はサラリーマンに対する
源泉徴収制度を廃止し、確定申告制にすべきです。これが実施さ
れたら一番困るのは財務省です。4500万人が全員申告制にな
ると、税務署がパンクするからです。 ・・・[日本経済44]
≪画像および関連情報≫
・サラリーマンは全員確定申告すべし
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約4500万人のサラリーマン全員が確定申告したらどうな
るだろう。各人が経費として認められる「特定支出控除」の
対象項目を拡充して申告したら、税務署はパンクしてしまう
はずだ。 ――森本亮著『日本国破産に最終警告』
PHP研究所刊
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