2010年06月17日

●「ウソは大きく訂正は小さく」(EJ第2836号)

 菅政権の支持率が異常に高いです。しかし、この支持率は果た
して本物なのでしょうか。
 菅内閣は「脱小沢」を鮮明にしただけであり、他に何もやって
いないのです。組閣にしてもほとんど居抜き内閣です。それでい
て、内閣支持率が鳩山内閣の17%から60%に、参院選の投票
先は、鳩山内閣時の20%から39%へと急上昇です。
 国民は政治家の評価を何によってしているのでしょうか。これ
について、政治評論家の本澤二郎氏は次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 政治家に対する評価は本来、実績や理念に対して下されるもの
 です。ところが、最近の有権者は政治家の『キャラ』や、その
 時の『気分』で判断している。舛添要一を『総理にふさわしい
 政治家』のトップに選んでいたのが典型です。菅内閣が誕生し
 た途端、あっという間に順位を下げている。本気で舛添総理を
 望んでいたわけではなかったということです。いかに世論がい
 い加減かを証明している。残念ながら、まだ日本の民主政治は
 成熟していないということです。      ──本澤二郎氏
              6/12発行/日刊ゲンダイより
―――――――――――――――――――――――――――――
 こういう点で小沢一郎氏は損をしていると思います。小沢氏は
見た目は強面で怖いし、愛想もけっして良くない。しかも無口で
あって、記者会見のときなどはくだらない質問をするメディアを
叱りつけることもしばしばあるなど、全体的印象の面で損をして
います。それに加えて、政官財+大メディアが過大に政治とカネ
の問題を煽り、小沢氏を巨悪に仕立て上げるのに成功しているの
で、今や民主党における巨悪の存在にされてしまっています。
 菅首相がこの小沢氏を斬り、反小沢で人事を行なったことで、
国民は喝采したのです。それだけで、30%以上の支持率回復な
のです。これは逆にいうと、民主党において小沢氏がいかに大き
な存在であるかを意味しているのです。
 いわゆる小沢報道で大メディアが何をやったのかについてはこ
れまでEJでは詳しく論じてきているので、繰り返しませんが、
誰でもわかるひとつの事例を示したいと思います。それを見てい
ただくと、小沢問題についてメディアがいかに罪深いことをした
かがわかると思います。
 「一市民が斬る!!」というブログがあります。このブログから
EJのブログに繰り返しコメントをいただいております。その中
で「石川知裕議員の虚偽報道」については納得できるものであり
今回EJでご紹介することにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
       http://civilopinions.main.jp/
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢氏をめぐる「政治とカネ」の問題で、既に裁判で争われ、
これから争われようとしている疑惑は、陸山会が購入した世田谷
の土地の登記時期が2ヶ月ほどずれているという「期ずれ」の問
題に過ぎないのです。しかも、その「期ずれ」ですら、購入した
土地が農地であったことから、何ら違法ではないことが明らかに
なっています。しかし、その事実はまったく報道されず、メディ
アは沈黙したままです。
 しかし、国民は小沢一郎氏は岩手県のダム工事で天の声を出し
工事を請け負った建設企業から多額の賄賂を受け取り、その資金
を帳簿から隠すために不自然な会計操作を行った疑いがあるとい
う疑念を持ったままです。それは、大新聞・テレビ・雑誌などの
メディアがこの問題を大々的に報道したからです。
 しかし、これは事実無根であり、裁判のテーマではなくなって
いるのです。東京地検特捜部としては、その容疑を確信して石川
議員らを急遽逮捕したのですが、その事実はなく、苦し紛れに登
記のずれという微罪で、国会開催中の現職国会議員を起訴したの
です。しかし、記者クラブメディアは起訴事実がそうなっている
ことを知りながらまったく報道していないのです。
 とくに記者クラブメディアは、小沢事務所側が水谷建設から多
額の賄賂を受け取るために、当時の石川知裕秘書が都内のホテル
に出向いたという報道を繰り返し行ったのです。テレビではその
模様を示す動画まで作り、それを繰り返し流したのです。記憶に
ある人も多いと思います。
 しかし、これは、完全に記者クラブメディア側のでっち上げで
あったのです。水谷建設側は、2004年10月15日に全日空
ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)で、石川
秘書(当時)に賄賂を渡したと供述していたのです。
 ところが、押収した石川議員の手帳に水谷建設側が賄賂を渡し
たと主張する10月15日の部分に「全日空」と書いてあったと
する検察リークを真に受け、1月25日の夕刊で『「現金授受」
供述と同じ日』という記事(添付ファイル)を書いたのです。し
かし、「全日空」の記述があったのは2005年10月15日で
あり、間違いだったのです。日本経済新聞では1月26日の朝刊
で「訂正記事」を出したのですが、ほとんどの人が気がつかない
ほど小さいのです。そういうわけで「一市民が斬る!!」ブログで
は、「ウソは大きく、詫びは小さく」と抗議しているわけです。
 そもそもホテルでの現金授受などなかったのです。だから小沢
氏は不起訴になったのです。日本経済新聞は、日付を間違ったの
で訂正記事を出していますが、他の記者クラブメディアでは、そ
ういう事実はないらしいとわかった後もなかったという証拠もな
いとして、訂正など一切していないのです。
 そうなると、国民としては「石川けしからん、小沢わるい」と
いう疑惑を持ち続けることになります。小沢氏に対する「政治と
カネ」の疑惑とはこういうことなのです。そんなことは民主党内
の反小沢派の議員はわかっているのです。しかし、絶好の機会だ
から、このさい政敵を倒せということでしょうか。「政倫審だ」
「証人喚問だ」「説明責任だ」と主張し、小沢潰しにかかってい
るのです。         ──[ジャーナリズム論/40]


≪画像および関連情報≫
 ●石川知裕議員に対する虚偽報道/2010年1月25日付、
  日本経済新聞記事より  /「一市民が斬る!!」ブログ提供

石川知裕議員に対する虚偽報道.jpg
石川 知裕議員に対する虚偽報道
posted by 平野 浩 at 04:10| Comment(2) | TrackBack(1) | ジャーナリズム論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

「一市民が斬る」を書いている者です。

本ブログで取り上げて頂き感激しております。

平野様がお書き頂いた通りです。
 
小沢報道で大メディアが何をやったのかについては誰でもわかるひとつの事例として、一番わかりやすいと思い、同じことを何度もPRさせて頂いております。

この事実を知ると、小沢問題についてメディアがいかに罪深いことをしたかがわかると思ったからです。

今8〜9割の国民がマスメディアの報道を信じていると思います。

メディアがこのように虚報を出してまで、小沢潰しをやっていることなど考えても見ないことです。

私も日経に抗議するまでそう信じていました。

これからも、全国民に伝えるよう頑張っていきます。

一つだけ、本文中の誤記を見つけましたので、指摘させていただきます。

平成5年10月15日→平成5年4月です。

本当に有難うございました。今後ともよろしくお願いします。
Posted by 世直し人 at 2010年06月19日 12:36
分かりやすく、極めて説得的な内容です。日本のマスコミの堕落を象徴する指摘です。一連のバックはアメリカだと思います。アメリカと検察が背後で組み、日本の政治的代理人を使い、マスコミを動かしていると思います。菅直人氏は総理を長く続けるにはアメリカの支持が必要と考え、その野心からコペルニクス的な豹変を現出していると思います。消費税増税もアメリカの利益を代表するものです。
Posted by 赤松唯史 at 2010年06月27日 15:36
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