2010年05月04日

●「期ずれは過失でも虚偽でもない」(EJ休日特集号/002)

 少し法律論を展開しますが、誰でもわかるように平易に記述し
ます。まず、前提とすべきは、この小沢事件が起こった当時、政
治資金で土地を購入することは禁じられていなかったということ
です。マスコミは小沢氏だけが土地を購入していると書いていま
すが、事実と異なります。自民党はもとより他党の多くの議員が
政治資金で土地を購入している事実があるのです。
 「政治団体」とは何かについて論ずる必要があります。「オリ
ーブ─X!ニュース」をそのまま引用します。ちなみに「小沢一
郎」は通称であり、政治団体代表名は「小澤一郎」です。
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 1.政治団体は、所謂、【権利能力無き社団】という法的立場
   にある。
 2.権利能力無き社団においては、政治団体名義あるいは政治
   団体代表者肩書き名義での土地登記権限が無い。(判例も
   同じ)
 3.したがって、権利能力無き社団においては、その代表者個
   人名義ないし構成員共有名義にて登記する。
 4.しかしながら構成員の変更に伴い持分争いが起きることか
   ら原則として代表者個人名義にて登記することになる。
 5.即ち、陸山会は本件【権利能力無き社団】に該当し、それ
   が如何に著名な政治団体の代表者であっても登記をなすこ
   とが出来ない。
      ──5月2日付、「オリーブ─X!ニュース」より
―――――――――――――――――――――――――――――
 小沢氏の政治団体である陸山会は、ここでいう「権利能力なき
社団」に該当し、土地を買っても登記はできないのです。それで
はどうすればよいのか。それは「代表者個人名義」、すなわち、
「小澤一郎」名義でしか登記はできないのです。
 しかし、方法はあります。その手続き──土地の登記手順を具
体的に説明します。
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 1.まず、陸山会は、土地購入資金に該当する金額の定期預金
   をつくる。これには小沢氏の個人資金が使われている。
 2.この定期預金を担保にして、個人小澤一郎が「銀行より土
   地代金の融資」を受ける。
 3.個人小澤一郎は、その融資を原資として、不動産の所有者
   に対して地代を支払う。この時点では、土地は個人小澤一
   郎が地主に土地代を支払っている関係でしかない。
 4.個人小澤一郎は、土地を登記する。これによって、個人小
   澤一郎は土地の所有者となる。
 5.所有権が確定した個人小澤一郎は、その所有権に基づき、
   土地利用権が陸山会に帰属することを明示する契約を陸山
   会と交わす。
 6.その契約日をもって陸山会は、土地代金相当を個人小澤一
   郎に支払い、同時に土地を陸山会の資産として計上する。
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 上記1〜5までは陸山会は支出が発生していないのです。した
がって、2004年(平成16年度)の陸山会の収支報告書には
土地取引の記載はないのです。しかし、土地代金に見合う資金の
約4億円は、「資金繰りとして借り入れた借入金」として、小澤
一郎が明記されているのです。その借入金は土地取引問題と関連
していますが、その構成要件ではないのです。
 それでは、2004年10月末に行われた東京都世田谷区深沢
所在の土地取引は何であったのかというと、陸山会にとっては、
その土地を押さえる手続き上のプロセスに過ぎないのです。この
時点では登記も個人小澤一郎との契約もできていないので、それ
ができた時点で行うこととして、2004年度陸山会政治資金収
支報告書には記載されず、契約ができた2005年度に正しく記
載されたのです。これが「期ずれ」の原因です。何が問題なので
しょうか。
 つまり、「期ずれ」は小澤事務所の過失でも虚偽記載でもなく
政治資金で土地を購入するための必要な手続きにおいて、必然的
に発生するものなのです。したがって、何ら政治資金規正法に違
反していないのです。
 いつも不思議に思うことがあります。それは、民主党には枝野
氏をはじめとして、多くの弁護士がいます。つまり、法律のプロ
がごろごろいるのです。そういう人たちは、小沢幹事長に「辞任
せよ」とか「説明責任を尽くせ」という前に、なぜ、事実関係を
調べないのでしょうか。別に小沢氏に聞かなくても、公開されて
いる情報を調べれば、誰でもわかることです。まして弁護士なら
そういう事実関係は掴めるはずです。その事実関係は以上の通り
なのです。党としての調査の結果、問題がないとわかれば、民主
党に対する不当な議決であるとして、堂々と反対意見を述べても
いいのではないでしょうか。
 ところが、そういう前向きの努力を一切しないで、しめたとば
かり小沢氏の足を引っ張る。実に見苦しいです。政権運営がさま
ざまな点でもたついているのは仕方がないでしょう。まだ一年経
っていないのですから。慣れていないの一言に尽きます。国民も
性急過ぎると思います。民主党の小沢氏と距離を置く人々は、政
権交代までは小沢氏を利用し、それが実現したいまは小沢氏は追
い出そうとしているのではないでしょうか。
 本当に小沢氏が悪いことをしたのであれば、それは許されるこ
とではありません。しかし、ネットなどから情報を集めて分析を
する限りにおいて、小沢氏はご本人のいう通り、法律を犯すこと
は何もしていないのです。それなのに、なぜこれほどバッシング
されるのでしょうか。その罪はマスコミにあります。たとえ検察
がおかしなことをしても、マスコミが健全であればそれは是正さ
れます。それがマスコミの使命であると思います。
       ――──[休日特集『続・小沢一郎論』/02]


≪画像および関連情報≫
 ●石川議員の逮捕・起訴こそ問題である/郷原信郎氏
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  小沢氏を不起訴にした段階で、なぜ不起訴にしたのかという
  ことをしっかり説明していれば、それが報道されて、起訴で
  きないことの正しい理由が分かっていたはずです。ところが
  検察は、それまでの捜査を正当化するために、負け惜しみ的
  な説明をした。どっちに転ぶか分からないぐらい微妙な判断
  で、ぎりぎり不起訴になったんだというような説明をしまし
  た。私に言わせれば、現職の国会議員の石川氏の逮捕・起訴
  に重大な問題があるのであって、小沢氏の方は箸にも棒にも
  かからないです。そこをはっきり言わないから、結局、検審
  の審査員にも誤った認識を与えてしまう。なぜ言えないかと
  いうと、それは捜査が最初から無茶苦茶だからです。
                      ──郷原信郎氏
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「起訴相当」を受けて会見する小沢氏.jpg
「起訴相当」を受けて会見する小沢氏
posted by 平野 浩 at 04:26| Comment(1) | TrackBack(1) | ジャーナリズム論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今まで新聞、テレビの総理と幹事長の説明責任の言葉、記事を何十回、何百回耳に目にした事でしょうか…検察のリークで書いた記事なのだから不起訴になった事も検察に聞けば良い事ではないでしょうか?聞いた事を記事に出来ない理由があると思います。記事にすると民主党がV字回復してしまうので敢て新聞、テレビは記事にしていません。読売、産経、日経新聞は自民党政権の最大の支援者だからです今となっては大企業の不利になる事を記事にすると広告収入が大幅にカットされ新聞社事態の経営に大打撃を受けるからです。昭和に入ってからの新聞の本物のジャーナリストはすでに居なくなったと理解するべきです。昭和30年代にNHKで新聞記者と言う番組をやっていました。その当時はテレビを見て記者になった方も多いと思いますが内実はテレビとは大違い?でも他の職業とは待遇面では格段によかったので辞める訳にも行かず飼いならされてしまったのが実情ではないでしょうか?事実CIAが読売新聞記者全員5000人に金を渡していたことが判っているそうです。金で動く様な記者はジャーナリストとはいえません。これからは名刺にも自称記者と書いてほしいものです。
Posted by 無職 at 2010年05月06日 15:19
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「陸山会事件」のマスコミにおける「争点」を整理:@4億円の“出所”、A政治資金収支報告書の“虚偽記載”、の2点について
Excerpt: 小沢一郎さんおよび小沢さんの元秘書3名が、東京地検特捜部や(おそらく実態がない)
Weblog: Thot Diary
Tracked: 2012-05-12 05:41
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