2010年04月23日

●「最後まで実現できるのか/オバマ大統領」(EJ第2801号)

 現在の日本の新聞やテレビは、鳩山首相と小沢幹事長に対して
きわめて冷たい態度をとっています。しかし、あれほど露骨で厳
しかった小沢バッシングは、最近ほんの少しですが、鳴りを潜め
つつあります。相変わらず幹事長辞任を求める声は多いですが、
そのパーセンテージはほんの少しながら小さくなっています。
 しかし、その分鳩山首相への攻撃が以前よりも厳しくなったよ
うな気がします。新聞、テレビは、鳩山首相が核サミットでオバ
マ大統領との会談がセットされず、夕食会での10分程度の会談
になったことを「日米同盟の危機」であるとし、出発前からさか
んに首相を責め立てていたのです。まるでメディアは、何が何で
も鳩山首相と党を握る小沢幹事長を貶めて、民主党を潰そうとし
ているように見えます。そんなことが日本のマスコミの使命なの
でしょうか。
 10分間の会談で実際には何が話し合われたのでしょうか。
 10分の半分ぐらいは、北朝鮮とイランの核問題に関する話題
だったといいます。それは、4月から日本が国連安全保障理事会
の議長国を務めるので、その協力要請の意味があったといわれ、
オバマ大統領は鳩山首相から「国際社会による追加的措置もやむ
を得ない」との言質を引き出しています。
 普天間基地問題では、鳩山首相は「日米同盟が大変大事という
中で、普天間の移設問題に努力している最中である。5月末まで
に決着したいので、大統領にも協力をお願いしたい」と申し入れ
て終わったといわれます。
 実は鳩山首相の席をオバマ大統領の隣の席にしたのは、外務省
の要請ではなく、米国側だったのです。「同盟国への処遇として
バランスをとるため」──日米関係筋──の配慮であり、普天間
問題で首脳間に決定的な亀裂が生じることは米国側も望んではい
なかったからです。だからこそ、オバマ大統領は食事前に小さな
スピーチをして、食事中にどこかの首脳が席を立って話しかけて
くるのをあらかじめ断ったのです。
 しかし、そういう日本の首相に対してワシントンポストは厳し
い論評を出しましたが、これは米国のジャーナリズムのなせるわ
ざであり、仕方がないことです。しかし、同盟国に対して非常に
失礼な報道であり、日本のメディアとしては反論があってしかる
べきであります。
 しかるに、日本のメディアは、ワシントンポストの報道はその
まま客観報道し、鳩山首相というのはこんなにダメな首相である
ことを印象ずけたのです。それがオバマ大統領がいったとされる
次の言葉なのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
        Can you follow through ?
        きちんと最後までやり通せるのか
―――――――――――――――――――――――――――――
 この報道をしたのは読売新聞ですが、首相は「そういう発言は
ない。少なくとも私の耳には聞いていない」と否定し、岡田外相
も「直接、大統領の発言をフォローした人間から確認したが、そ
ういう英語は使われていなかった」と述べています。外務省首脳
によると、岡田氏は会談に同席した日本側通訳から直接、オバマ
氏の発言内容を確認しているのです。したがって、これはおそら
くためにする報道であり、鳩山内閣をさらに追い詰めてやるとい
う意思のあらわれであると思います。それだけ日本のマスコミが
劣化していることをあらわしています。
 こうなると、その発言が本当のことかウソかは問題にならない
のです。どうせ新聞社は情報源は秘匿するに決まっており、もし
鳩山内閣を貶めるのが目的であれば、それが真実でなくてもきっ
とそうするでしょう。今まで小沢報道においても平気でデタラメ
の記事を書きておきながら、何ら反省していないからです。
 どうしてここまでマスコミは民主党に対して偏向報道をするの
でしょうか。
 それは前回の「小沢一郎論」で述べたように、今まで検察に代
表される官僚機構プラス自民党、大企業(経団連)と大マスコミが
連合軍化して利権を享受してきたのです。しかし、政権交代が起
こって民主党が政権をとったため、その構造が壊されようとして
いるので、それを必死になって守ろうとしているのです。大マス
コミは、その中にあって連合軍に都合のよい世論を形成する重要
な役目を担っているのです。
 現在の民主党のアキレス腱は、小沢幹事長、組合、連立を組む
社民党、そして鳩山首相です。そのため連合軍は一致協力して小
沢幹事長を起訴寸前に追い込み、普天間基地移設問題で鳩山内閣
を攻撃し、成果を上げてきています。ただひとつ、うまくいって
いないのは自民党の支持率が上がらないことだけです。
 小沢問題の情報を集めてみて、日本という国は非常におかしな
国になっていることがわかってきました。それを証明する事例は
たくさんありますが、今週のEJの最後にそのひとつを指摘して
おくことにします。
 元参議院議員の平野貞夫氏が近著で面白いことを披露していま
す。面白いことというのは、次のことです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 昭和30年以降、衆議院議員が25名逮捕されている。そのう
 ち東大卒はゼロだが、何かあるのだろうか。 ――平野貞夫著
   『小沢一郎完全無罪/「特高検察」の犯した7つの大罪』
                         講談社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 そんなことは偶然の一致だという人が多いと思います。しかし
ある検察OBはそれを否定しないのです。いままで一番犯罪立件
の可能性の高かった政治家は中曽根康弘氏なのですが、彼は証人
喚問に複数応じながらも逮捕されていないのです。
 そういう意味で東大卒でない小沢一郎氏はきわめて危険である
といえます。それでも小沢氏が起訴されることがあれば、それは
日本の終わりです。   ――──[ジャーナリズム論/05]


≪画像および関連情報≫
 ●最近本の出版やテレビ復権しつつある高橋洋一氏
  ―――――――――――――――――――――――――――
  またひとり、犯罪者が「赤門」から輩出された。都内温泉施
  設で、財布と高級腕時計を盗んで逮捕された元財務官僚で東
  洋大教授の高橋洋一(53)。霞が関埋蔵金の存在を指摘し
  て話題を呼んだ“異色官僚”である。高橋は78年に東大理
  学部を卒業後、再び東大経済学部に進学。80年に卒業し、
  旧大蔵省に入省した変わり種だったが、今世紀に入ってから
  というもの東大卒エリートの犯罪がやたら目立つ。
  http://blog.goo.ne.jp/kintaro-chance/e/576520b1c09f91d8204abcbfda99cb06
  ―――――――――――――――――――――――――――

日本のいない核サミット.jpg
日本のいない核サミット
posted by 平野 浩 at 04:16| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャーナリズム論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マスコミが民主党政権を追い込んでいる急先鋒ですね。
Posted by ミホジロー at 2010年04月23日 15:30
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