度は予測されたのですが、ここにきて民主党の支持率が下がって
どうやら民主党の単独過半数は厳しいと思われること、それに自
民党の支持率も低迷しているという状況を読んで、第3極として
その受け皿を狙いに雨後の竹の子のように続々と新党が誕生して
いるのです。
みんなの党の代表である渡辺喜美氏は、与謝野・平沼新党──
「たちあがれ日本」について次のようにコメントしています。
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与謝野さんや平沼さんに共通するアジェンダは見つからない。
一致する点は「大きな政府」を掲げている点ですが、それでは
自民より民主に近い。(中略)(与謝野さんや平沼さんの新党
づくりを)有権者は自民党の中のゴタゴタと捉えているという
ことです。とすると、自民にとってはマイナスで、相対的に民
主にとってプラスということでしょう。
──『週刊新潮』4月15日号より
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これに対する民主党も政権交代後の状況を冷静に見ていると、
ひとつの政党でありながらはっきりと意見の違うグループが拮抗
している状況にあります。4月9日付の「朝日新聞」は、「民主
党は別種の連立政権」であるとして、次のように書いています。
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民主党は別種の「連立」政権になりつつある。業界団体を束ね
て組織選で過半数を狙う小沢と国民新党代表・亀井静香とのい
わば「小沢・亀井」勢力と、その路線に異を唱える仙石、枝野
前原ら反対勢力との「連立」だ。
──2010年4月9日付「朝日新聞」より
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確かに民主党内の2つのグループ──小沢親派対反小沢は、完
全に水と油であり、ひとつにまとまって行動するのは困難である
と思います。民主党自体の支持率が高く、ものごとが順調に進ん
でいるときは沈静化しているものの、現在のように、支持率が下
がってくると、たちまち小沢批判が飛び出すのです。
このような状況において、小沢幹事長は、一体何を考えている
のでしょうか。
小沢には年齢からいっても時間が限られているので、あくまで
も参議院選での単独過半数獲得を狙っています。しかし、達成で
きるのかどうかは微妙なところです。
小沢の読みとしては、民主党候補が2人立つ選挙区は激戦区に
なり、各候補がしのぎを削ることになります。その結果、2人区
でたとえ1人しか当選できなくても、支持層が拡大し、比例代表
の民主党票は増えると読んでいるのです。それはさらに次の衆議
院選にもつながる基盤になります。
しかし、2人擁立はリスクも高いのです。それは1998年の
橋本政権下の自民党の惨敗です。このとき自民党は参議院での単
独過半数回復を狙って大勝負に出たのです。当時の自民党の選対
責任者である野中広務幹事長代理は、複数擁立を関係県連に求め
たのです。
しかし、作戦は完全に裏目に出て、東京、埼玉、神奈川、愛知
で共倒れし、1人に絞った大阪を含めて改選数3以上の大都市部
の5選挙区で全敗したのです。なお、この自民党が落とした5選
挙区において結党間もない民主党は6議席、第三勢力の共産党は
5議席を獲得しているのです。懸念されるのは、当時の政治状況
と現在の状況が大変似ていることです。
問題は選挙の戦い方にあります。昨年の衆議院選での民主党の
大勝利は、けっして「風」だけで勝ったわけではなく、足が地に
着いた緻密な小沢流の選挙がものをいったのです。今回も、もち
ろんそれが縦横に展開されるはずです。まして民主党は今回は与
党であり、自民党から切り崩した組織の支援も期待できるので、
少なくとも橋本政権下の参議院選とは大きく違っています。
ここで、前掲の4月8日付の「朝日新聞」では今年の1月11
日の時点での今日の政治を見通す次の対照的な2つの投書が出て
いるのでご紹介しておきます。
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『山形の64歳男性』
1.民主党の「衆参の単独過半数」確保と「官僚体制という悪
弊」の破壊を望み、民主党の小沢一郎幹事長に「壊し屋」
の本領発揮を望む
『京都の70歳男性』
2.民主党に「独断専行」の危惧を抱き、参院選で民主党の第
1党は支持しても「単独過半数までは認めてはならない」
と断じ、併せて少数政党の役割に期待する
──2010年4月9日付「朝日新聞」より
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民主党内の反小沢派は、「過半数割れは小沢氏から主導権を奪
う」チャンスであると考えています。これではまるで党内権力闘
争そのものです。
おそらく民主党が単独過半数割れという事態になると、小沢は
幹事長を下りるはずです。しかし、そうなったときは、民主党は
大きな危機を迎えるはずです。どういうことかというと、小沢は
かなりの数に達する親派議員を引き連れて民主党を離党し、他の
いくつかの政党と連立を組んで再び政権奪取を狙うことが考えら
れるからです。こういう芸当のできる政治家は現在では小沢を除
いていないはずです。
しかし、それは選択肢のひとつです。小沢としてはもうひとつ
のプランを暖めています。それは「衆参同一選」です。最近の新
党ブームを見ると、その可能性はますます高くなっていると思い
ます。衆議院であれだけの数を持っている民主党がやるはずがな
いと思う人が多いでしょうが、小沢なら躊躇なくやるでしょう。
成算があるからです。 ──[小沢一郎論/70]
≪画像および関連情報≫
●みんなの党/渡辺喜美代表語る!
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自民党は「官僚依存」で、民主党は「組合依存」。その官僚
と組合は裏でつながっていて、なれあいの関係にある。した
がって民主党が政権をとっても、(2月19日に閣議決定さ
れた)公務員制度改革案に典型的にあらわれているように自
民党時代よりも腰がひけている。我々は徹底した改革を進め
る立場ですから、民主党の「偽装改革」ぶりがすぐ目につい
てしまうわけですよ。我々も「脱官僚」「地域主権」と言っ
てきましたが、民主党が政権をとってみたら改革は不徹底。
これはただ単に時間がないからというのではなくて、構造的
なしがらみが邪魔をしているということが、徐々に明らかに
なってきたと思いますね。
http://www.j-cast.com/2010/03/13061882.html?p=2
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渡辺 喜美/みんなの党代表



沙羅双樹の花の色、裏権力必衰の理を顕す。
おごれる小沢も久しからず、政権交代に酔った真夏の夢の如し。
猛き者も、遂には亡びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ。