2010年04月09日

●「事業仕分けから外された『建設国保』」(EJ第2791号)

 現在の民主党のことを次のようにいった人がいます。うまい表
現だと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党は、モーニング娘に天童よしみが加わったような政党
 である。
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党という政党に「異質なもの」が入っている──そういう
表現です。それらはある程度の時間が経過すれば融合していくも
のと考えていましたが、政権交代後の党内の争いを見ていると、
どうやら融合しそうもないと思われます。
 税金の無駄遣いを削減する──鳩山政権の掲げる方針は間違っ
ていないし、まったく異論はありません。だから、それを実現す
るための「事業仕分け」に国民は喝采したのです。しかし、「事
業仕分け」のウラで、とんでもないことが行われていたのです。
 本当は「小沢一郎論」を今週で終了しようと考えていたのです
が、民主党の「反小沢」が何をしているかを明らかにしておく必
要があると考えたので、もう少し書くことにします。
 私の知人に建設業の社長をやっている人がいたのです。なぜ過
去形になっているのかというと、一昨年亡くなったからです。そ
の人は何回も入院や通院を繰り返していたのですが、そのさいの
入院費の自己負担はゼロで、通院時の自己負担は1割なのです。
所得が高額であるにもかかわらずです。
 なぜ、そうなるのかというと、その知人が「建設国保」に加入
していたからなのです。「建設国保」とは何でしょうか。
 「建設国保」とは、全建総連系列の健康保険組合のことです。
通常は、自営業者はサラリーマンと違って市町村の国民健康保険
に加入するのですが、建設業や医師や薬剤師、酒販、芸妓などの
一部の業種は、地域ごとに個人個人の健康保険組合を結成するこ
とが認められているのです。建設国保組合──建設国保もそのひ
とつです。
 建設国保の場合、国の補助金も多額なのであり、国庫補助の総
額は、2007年度で1900億円、そのうち151億円が「特
別調整補助金」と呼ばれる特別加算なのです。例として取り上げ
た私の知人は、その建設国保の加入者だったのです。
 こうした手厚い補助金のお陰で、サラリーマンや市町村国保の
加入者が、医療費の3割を窓口で負担しなければならないのに対
して、建設国保では「入院費の自己負担ゼロ」や「通院の自己負
担1割」といった恵まれた内容になっているのです。
 それだけではないのです。東京や神奈川、埼玉、北海道の場合
は、被保険者本人だけでなく、家族が入院した場合の自己負担も
ゼロになっているのです。国の補助金のお陰でこういう恵まれた
内容になっているわけです。不公正だとは思いませんか。
 事業仕分けが始まる直前の2009年10月のことです。仙谷
由人・行革刷新相(当時)は、大工、左官、とび職など建設業を
含む自営業者の労働組合「全建総連」の全国大会で、次のように
挨拶しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 皆様の力で議席を取らせていただいたようなもの。建設健保は
 手厚く守っていく。    ──仙谷由人・行革刷相(当時)
               『週刊ポスト』4/2日号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 「全建総連」は民主党の支持組織のひとつであり、仙谷氏は昨
年の総選挙で、全建総連傘下の全徳島建設労組の支援を受けてい
るのです。なお、この全国大会の席には、長妻昭・厚生労働相も
同席していたのです。
 事業仕分けで取り上げる項目は事前に財務省が決めていたこと
が問題になったのですが、実は財務省はよくやっているのです。
財務省は、建設国保などへの補助金の見直しを考えており、それ
を事業仕分けの中に入れていたのです。ある財務官僚は次のよう
にいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 入院費の自己負担が入らなければ医療費抑制につながらない。
 国保組合には豊かな積立金を持っている組合も多く、税金から
 の特別加算は不公平を招いている。
             ──『週刊ポスト』4/2日号より
―――――――――――――――――――――――――――――
 ところがです。国保組合への国庫補助金は仕分け対象から外さ
れたのです。それどころか、民主党政権は「予算がない」という
ことを理由に一部マニュフェスト実現を先送りしたのに、国保組
合への特別加算は要求通り満額回答しているのです。
 全総連のホームページには「国保組合に対する特別助成3年連
続の満額確保」というタイトルで、次のよううに政治家を含む仲
間に対してお礼をいっているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 来年度(2010年度)の政府予算案が12月25日に閣議決
 定され、国保組合への特別助成は282.1 億円で3年連続の
 満額確保となりました。また、特定健診・特定保健指導補助金
 は概算要求時より5千万円減額の15.5 億円となりました。
 この減額は、2008年度の実績値をもとに2010年度の実
 施率を見直したことによるものです。なお、健診単価について
 は、各国保組合の実績値の平均値をもとに見直しを行った結果
 2009年度に比べ単価は引き上げとなります。ご奮闘いただ
 いた全国の仲間の皆さん、本当にありがとうございました。
    http://www.zenkensoren.org/news/15news/news216.html
―――――――――――――――――――――――――――――
 自分たちにとって都合の悪い項目は、事業仕分けの項目から外
して予算をつける──こんなことがあっては絶対にいけないと思
います。清新な政治家とされている仙石大臣ですが、やっている
ことは自民党のやっていることと、どこが違うのでしょうか。
                 ――[小沢一郎論/67]


≪画像および関連情報≫
 ●仙谷事務所はどういっているか
  ―――――――――――――――――――――――――――
  仙谷事務所では、「大会での発言は報道されている通り」と
  答え、全建総連ほ、「建設国保の付加給付は、病気で仕事に
  出ることができないと無収入になる建設職人の生活を支えて
  いる。法律でも認められている」と主張している。 だが、
  サラリーマンの健保組合は財政難で次々に解散に追い込まれ
  市町村国保の加入者が保険料率アップにあえいでいるのに比
  べて、建設国保など国保組合が優遇されているのは間違いな
  い。         ──『週刊ポスト』4/2日号より
  ―――――――――――――――――――――――――――

仙谷由人大臣.jpg
仙谷由人大臣
posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(6) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
次に民主がやるべきは、特定団体と結びついた族議員的勢力の影響力をそぐことでしょうね。
Posted by cova at 2010年04月11日 08:47
文中漢字の間違いがあります。
仙石 誤
仙谷 正
訂正の程宜しくお願い致します。
Posted by アレーティア at 2010年04月19日 07:16
>三宝会の日本人黒幕はナベツネこと渡邉 常雄

 渡部恒雄です。
Posted by ozawa-guard at 2010年09月24日 01:47
 朝日新聞の調査によると、徳島県では、無資格と知りながら加入した者が
多数おり、その中には、「保険料が安くなると教えられて・・・」加入したと回答した
者も多くいた。この場合、偽装加入者については刑法第246条により「詐欺罪」が、
「教えた者」は刑法第246条・第61条により「詐欺教唆」が成立する可能性がある。
(いずれも、量刑は10年以下の懲役)


★この「教唆した者」の証拠を探しています。
ビラ、録音、報道何でも良いので下さい。
これさえあれば、一発で解決です。

★日本の刑法では、教唆=共同正犯、幇助=従犯です。

Posted by ozawa-guard at 2010年09月24日 01:50
徳島の建設健保に関する資料をホームページを送ります。参考にしてください。
Posted by 田鍋博之 at 2010年11月13日 10:34
確かに建設国保は違法だとおもいますでも知らずに保険料が安くなると勧められたらどうしますか
今回のことは厚生省の資金確保だとおもいます
ある日突然あなたは建設国保が違法ですからすぐに協会健保に入ってくださ  協会健保には建設国保に入った日からさかのぼって保険料はらってくださいそしてもともと国民健康保険に入っていたのだから元に戻してくださいダメです協会健保です 確かに協会健保に入らなければいけないのはわかります でも建設労働者には無理だとおもいます大手の会社で働いてい人と同じ扱いはむりがあります今この景気の悪い時どうすればいいのですか 建設国保を進めた人も協会で入りたい人を集めてくださいといわれていたそです 保険に入っていた人に協会健保は押し付けているおかしくないですか 保険料組合費まで徴収してるくせに厚生省の陰謀です
Posted by 中野マサコ at 2010年11月16日 13:08
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