2010年04月02日

●「小沢幹事長の狙い/第2経団連構想」(EJ第2786号)

 奥田碩氏は、自分が日本経団連の会長になった2年後に今まで
禁止していた企業・団体献金を再開したのです。2004年のこ
とです。そして、毎年20億〜30億円の大半を自民党に流すよ
うになったのです。ちなみに、2004年の会員企業の政治献金
は2党のみで、内訳は次のようになっているのです。
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    自民党 ・・・・・ 22億2000万円
    民主党 ・・・・・    6000万円
―――――――――――――――――――――――――――――
 経団連会長の奥田氏は、小泉内閣の経済財政諮問委員会の委員
になり、親自民路線を鮮明にしたのです。このようにして資金源
を得た小泉内閣は2005年に郵政解散に打って出て、大勝利を
収めたのです。御手洗氏はこの路線を引き継いだだけでなく、自
らが率いるキャノンなどの国際優良企業に有利なように、次の外
資規制を撤廃しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   ≪政治資金規正法/外資規制≫
   外国人株主が50%以上の企業は政治献金できない
―――――――――――――――――――――――――――――
 これは「キャノン砲(法)」といわれるほど、自民党を利する
結果になったのです。ジャーナリストの須田慎一郎氏は次のよう
に指摘しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 奥田、御手洗体制で、経団連はあまりに政権与党に近づきすぎ
 た。それまで政界とのパイプ役は事務方が担ってきたが、両体
 制下ではトップ自らが政権サイドに直接関わり、2大政党制の
 到来とともに非常にリスキーなやり方になっていた。現在、経
 団連では政界とのパイプ役を事務方が担い、トップは直接政界
 とは 関わらない方針に切り替えようとしている。
                ――SAPIO/3/31号
―――――――――――――――――――――――――――――
 実際に御手洗会長は民主党との関係回復に必死になって取り組
んでいます。新会長の米倉弘昌氏をサポートする副会長に事務方
のトップである中村芳夫事務総長を起用したのです。まさに37
年ぶりの事務総長出身の副会長です。
 中村芳夫事務総長は、政界には人脈を有しており、民主党にも
岡田克也外相、国家戦略室長の古川元久氏、前財務大臣・藤井裕
久氏などとパイプがあるのです。
 さらに御手洗氏は、自身が会長を務めるキャノン・グループが
民主党の政治資金団体「国民改革協議会」に対して行っている献
金を従来の200万円から、1000万円に5倍も増加させてい
るのです。
 急に恭順の意を示したようではあるものの、日本経団連として
は自民党寄りを民主党寄りに改めていけば、1300社の主要企
業に加えて、129にのぼる各産業分野の業界団体や地方の経済
団体をも傘下に収める日本経団連を民主党がソデにするはずがな
いと考えているようです。しかし、御手洗会長は小沢幹事長を甘
く見ているようです。
 小沢幹事長は、日本経団連は「政官癒着の温床」と考えており
そういう経済団体の連合体のカネも票も念頭に置いていないので
す。日本経団連には200人を超える政策スタッフがいるのです
が、それを含めて傘下の業界団体の事務局を仕切っているのは天
下り官僚なのです。ここで各業界の要望のとりまとめをやってお
り、それが自民党と一体化しているのです。
 小沢幹事長は、陳情窓口を幹事長室に一本化しましたが、これ
は自民党時代の族議員をつくらないためなのです。日本経団連は
役所と結びついた業界団体の陳情機関化しており、これをやめさ
せるというより、存在を無力化させようとしているのです。
 これはどういうことかというと、現在の日本経団連を無力化し
「第2経団連」を作ろうとしているのです。既に幹事長室の筆頭
副幹事長である細野剛志・組織委員長兼企業団体対策委員長が小
沢幹事長の特命を受けてプランを練っているのです。
 「第2経団連」はまだ全貌が見えていませんが、各業界のリー
ディングカンパニーなど上位2〜3社をメンバーとし、100社
程度で新団体を結成し、民主党政権と政策協議を行うシステムを
考えているようです。
 実はこれには賛成する企業が少なくないのです。というのは、
日本経団連には財閥系企業は会長になれないという不文律がある
のです。そのため、今まではトヨタや新日鉄などの非財閥企業が
主流派を構成してきたのです。そのため、三菱・三井などの財閥
系企業が第2経団連構想に関心を示しているといわれます。
 これは、もし実現すれば、まさに「財界クーデター」そのもの
ということになります。小沢幹事長としては、奥田・御手洗体制
には本気でハラを立てているように感じます。
 この第2経団連構想について書いているのは、既出の『SAP
IO』3月31日号/小学館ですが、2月18日付の「日刊ゲン
ダイ」は、次のように報道しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 第2経団連構想が表面化したら、間違いなく入会希望が殺到す
 る。入会できなかったら、二流企業のレッテルを張られますか
 らね。小沢一郎は既得権益を徹底的にぶっ壊すつもりです。入
 会の判断基準は、参院選で民主党を支援するかどうかになるで
 しょう。企業は民主党支援を打ち出さざるを得ない。小沢一郎
 がどこまで本気かどうか分からないが、経団連にとって『第2
 経団連』構想をにおわされるだけでも相当なプレッシャーにな
 ります」(財界事情通)
         ──日刊ゲンダイ2010年2月18日掲載
―――――――――――――――――――――――――――――
 それにしても奥田碩氏は、日本郵政の役員として残ったままの
状態です。           ―――[小沢一郎論/62]


≪画像および関連情報≫
 ●小沢の「第二経団連構想」の深い意味/ブログ
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  今の民主党中心の政府にとって敵は少なくなってきた。「自
  民党」と「米国」が抜け、「官僚組織」と「マスメディア組
  織」が残った。ところがこの二つの組織の扱いが難しい。な
  にせ国民の負託も受けていない、この二つの組織を構成する
  人種は「我々こそ国家である」という自負?思い上がり?で
  生きている人種なので厄介だ。朝日新聞などは、一昨日小島
  功の風刺画を掲載、「仕置き人故藤田まことに小沢に天誅を
  加える」煽りをさりげなく行うなど、テロ奨励新聞と化して
  いる。万が一、原敬首相と同様の事件が起きた時は、どう始
  末をつけるつもりなのだろう?正直、この日本に巣食う、こ
  の二つの組織をどう扱うか、これが今後の小沢・鳩山・菅の
  腕のみせどころだと言える。官僚組織は行政の枠内にあるの
  で時間は必要だが、一定の方向付けは可能だろう。(中略)
  筆者の推測だが、小沢一郎が「第二経団連」の創設を画策す
  る要因はその辺にあるような気がしている。つまり、民放テ
  レビの命である「スポンサー」段階での縛りではないのだろ
  うか?電通を通さない「スポンサー」の出現は大いに民放テ
  レビ局を潤わせるし、CIAエージェント電通の弱体化にも
  つながる。案外マスメディアの掌握の鍵を握るのが、小沢の
  「第二経団連構想」になるかもしれない。
  http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/7b104de64f3efd492200bd8e78b4f0a3
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奥田碩経団連前会長.jpg
奥田碩経団連前会長
posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本経団連つぶし=自民党つぶし、ということですね。

自民党から逃げ出す議員を増やし、さらには彼らに非自民を強めさせる作戦も、影で立ているかも。
Posted by cova at 2010年04月11日 08:39
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