2010年03月26日

●「幹事長室/高嶋良充氏とは何者か」(EJ第2781号)

 生方幸夫議員の副幹事長解任の決断をしたのは、幹事長室の筆
頭副幹事長である高嶋良充(よしみつ)なる人物です。最終的に
は小沢と相談したものの、小沢が指示してやらせたわけではない
のです。高嶋良充氏は民主党参議院議員副会長であり、参議院幹
事長も務める小沢が信頼している人物の一人です。
 高嶋氏は普段はあまり表面には出ないが、日本経団連をはじめ
とする各種団体との折衝において、幹事長室の筆頭副幹事長とし
て辣腕を振るっているのです。今回のテーマも既に57回に達し
ていますが、小沢と日本経団連との関係に触れる必要があり、今
回は高嶋氏にスポットライトを当てて書くことにします。
 民主党の幹事長室は、この高嶋氏を筆頭に衆参各7人、計14
人の副幹事長がおり、それぞれの役割は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   ≪衆議院≫
    細野 豪志 ・・・・・ 陳情・選挙
    伴野  豊 ・・・・・ 官邸、財務省・金融庁
    阿久津幸彦 ・・・・・ 予算、国交省
   生方 幸夫 ・・・・・ 国対、防衛省
    吉田  治 ・・・・・ 議運、経産省
    樋高  剛 ・・・・・ 総務、法務省
    青木  愛 ・・・・・ 衆参連絡、厚労省
   ≪参議院≫
    高嶋 良充 ・・・・・ 陳情・選挙
    今野  東 ・・・・・ 官邸、内閣府
    広野 充士 ・・・・・ 予算、文科省
    一川 保夫 ・・・・・ 国対、農水省
    山根 隆冶 ・・・・・ 議運、外務省
    佐藤 公冶 ・・・・・ 総務、総務相
    富岡由紀夫 ・・・・・ 衆参連絡、環境省
―――――――――――――――――――――――――――――
 高嶋氏は昭和16年生まれ。大阪府枚方市役所に勤務し、職員
組合の活動に参加しています。以来一貫して自治労の活動に専従
し、枚方市労連、自治労大阪府本部役員を経て、1993年8月
に自治労の副委員長に就任しています。
 おりしもその同じ8月に細川連立政権が誕生しているのです。
その年の12月に、当時新生党参議院議員であった平野貞夫氏の
紹介で、高嶋氏は小沢一郎と会談する機会があったのです。
 高嶋氏が小沢に興味を持ったのは、小沢の書いた『日本改造計
画』を読んでからです。どうしてかというと、結論の部分が自治
労の考え方とよく似ていると感じたからです。その結論部分は次
の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 国の役割は、外交・防衛、危機管理、司法などに限り、生活に
 密着しているところは、すべて地方自治体に任せる。
        ──小沢一郎著、「日本改造計画」/講談社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 自治労の一丁目一番地の政策は「地方分権」なのです。高嶋氏
が興味を持ったのは当然です。小沢との会談の中で高嶋氏は、内
心小沢氏は関心がないとは思いながら、あえて「消防職員に団結
権を付与して欲しい」という要望を出したのです。
 ところが、小沢は世界の中で団結権を認めていない国は日本と
あと2ヶ国ぐらいしかないということをちゃんと知っていたので
です。高嶋氏は小沢の勉強振りに驚嘆するとともに、当初予定し
ていなかった願い事を小沢にしたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1994年1月初旬にILO(國際労働機関)のマイヤー次長
 が日本を訪問します。そのさい、細川総理と面会できるよう取
 りはからってもらえますか。        ──大下英治著
       『小沢一郎の最終戦争』/KKベストセラーズ刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 この高嶋氏の小沢氏への願い事は実現し、1994年1月10
日に細川総理は総理官邸でマイヤー次長と会っています。これら
のことを通じて高嶋氏は「小沢という政治家は頼りになる」と感
じ、信頼を深めたといいます。
 しかし、「消防職員の団結権付与」については、細川総理の計
らいで政労会談に消防庁も参加させることは実現したのですが、
消防庁と自治労の開きは大きく実現しなかったのです。
 1994年のILO総会で小沢のいっていた日本以外の2ヶ国
は改善措置をとったので、団結権を認めていない国は、日本だけ
になったのですが、現在もこれは実現していないのです。
 しかし、政権交代によって、原口総務相は、今年の1月19日
に有識者による検討委員会の設置を発表しています。政権交代が
起きると、こうした積年の問題がひとつ一つ解決の方向に向かっ
ていくのです。
 このようにして、小沢との親交を深めた高嶋氏は、自治労の書
記長、連合の中央執行委員を経て、1998年7月の参議院選比
例代表区に民主党から出馬し、初当選。2004年7月に再選を
果たし、今年の7月には三選に挑戦することになります。
 この高嶋氏が問題にしたのは、2005年9月に代表に就任し
た前原誠司氏です。前原氏は代表に就任するや、明確な世代交代
を進める一方で、労働組合との関係の見直しを上げ、民主党の有
力支持団体である連合を批判し、否定するような発言を繰り返し
たのです。国交相に就任したときと同じようなことを彼は代表の
ときにもやって顰蹙を買っていたのです。
 高嶋氏は常任幹事会の席上、激しく前原代表を批判することが
多かったのです。意見や批判は内部の会議でせよ──彼は生方氏
にこういいたかったのでしょう。この高嶋氏の発言を聞いて小沢
グループは高嶋氏に近づくようになり、高嶋氏は毎年小沢邸で行
なわれる新年会にも参加するようになっていったのです。
                ―――[小沢一郎論/57]


≪画像および関連情報≫
 ●消防職員の団結権付与について/原口一博総務相
  ―――――――――――――――――――――――――――
  原口一博総務相が労働三権──団結権、団体交渉権、スト権
  が認められていない消防職員に対し、団結権を付与する方針
  を固めたことが2009年10月29日、分かった。原口氏
  が28日、自治労の徳永秀昭委員長ら労組幹部と行った会談
  で明らかにした。会談では、自治労側が「消防職員の団結権
  問題を解決してほしい」と要請。これに対し、原口氏は「団
  結権のあり方は国民の理解の下、前へ進めていく」と述べ、
  付与の方向で検討を指示したことを明かした。総務省では今
  後、省内に検討会を設置して、消防職員の団結権のあり方を
  検討する。消防職員は、警察官や刑務所職員と同様に労働基
  本権が制限されているが、民主党は衆院選のマニフェストで
  公務員の労働基本権の回復を掲げている。
         ──2009年10月29日/産経ニュース
  ―――――――――――――――――――――――――――

高嶋良充氏.jpg
高嶋良充氏
posted by 平野 浩 at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。