2010年03月19日

●「自自連立の政策合意というものがある」(EJ第2777号)

 1997年末の新進党解党に伴い、小沢は1998年1月に自
由党を結党します。結党時の党勢は衆議院43名、参議院12名
だったのです。
 小沢は、その年の7月に自民党に小渕内閣ができると、早速小
渕首相に働きかけたのです。小沢は小渕首相とならば話し合える
と考えたからです。しかし、簡単なことではなかったのです。
 大変な難産のすえ1998年11月19日に自・自連立が成立
したのです。そのときの政策合意書の付帯文書――「いま直ちに
実行する政策」があります。現在の民主党の政策にも関連するの
で、そのすべてを以下に掲載することにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
 T、政治を国民の手に取り戻すために(政治・行政改革)
   政治が責任を持って諸改革を推進する体制を確立するとと
   もに、効率的で小さな政府を実現する。
  1、国会の政府委員制度を廃止し、国会審議を議員同士の討
    論形式に改める。そのために必要な国会法改正等法制度
    の整備は次の通常国会において行う。
  2.与党の議員は大臣、副大臣(認証官)、政務次官あるい
    は政務補佐官として政府に入り、与党と政府の一体化を
    図る。そのための国家行政組織法改正等法制度の整備は
    次の通常国会において行う。
  3.行政改革の一環である中央省庁の再編は、1府12省と
    する。ただし、閣僚の数は金融監督庁所管の大臣を加え
    て14人とする。なお経過措置として連立政権の発足に
    あたっては現行20人の閣僚の数を17人に削減する。
  4.国家公務員は平成11年度採用分から毎年新規採用を減
    らし、公務員数を10年間で25%削減する。
  5.衆議院、参議院とも、当面、議員定数を50ずつ削減す
    ることを目標として、自由民主・自由両党間で協議を行
    い、次の通常国会において公職選挙法の改正を行う。
 U、国民の命を守るために(安全保障)
   日本国憲法の理念に基づき、冷戟後に適した安全保障体制
   を確立する。
  1.わが国の平和と安全は、次の原則に従って確保する。
    A.わが国は、わが国が武力による急迫不正の侵害を受
      けた場合に限り、武力による阻止、反撃を行い、そ
      れ以外の場合には武力による威嚇または武力の行使
      は一切行わない。
    B.国際連合の総会または安全保障理事会で国連平和活
      動に関する決議が行われた場合には、国連の要請に
      従いその活動に参加する。
  2、前項の原則に基づいて法制度を整備する。
 V、国民の暮らしを守るために (税制改革)
   経済・社会の構造改革を進めるとともに、社会保障制度の
   基盤を強化するため、税制の抜本改革を断行する。その第
   一弾として、また直面する経済危機を克服するために、当
   面、以下の措置を実施する。
  1.消費税については税率・福祉目的への限定(基礎年金、
    高齢者医療、介護等)など抜本的な見直しを行う。
  2.所得税、住民税等の減税規模は10兆円を目途とする大
    幅減税を実施する。その内、法人関係税の実効税率は、
    40%に引き下げる。
 ──渡辺乾介著、『小沢一郎/嫌われる伝説』より/小学館刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 これをみると、現在民主党が取り組もうとしていることとほぼ
同様であることがわかります。もし、自民党がこの時点でこの合
意事項を守って実行していたら、現在のような自民党の凋落はな
かったと思われます。
 しかし、実際はそうはならなかったのです。自・自連立の翌日
から「あれは党首同士の約束であって、党対党の合意ではない」
として合意潰しに動き出したからです。小沢は党の5役が署名し
たので、ちょっと油断したのかも知れないと、渡辺乾介氏はいっ
ています。小沢は、その背後に官僚の意図や策動があることを読
み取っていたのです。
 いずれにせよ、自・自連立は第1次小渕改造内閣からスタート
し、1999年7月に政府委員制度を廃止する国会改革関連法が
成立、同年秋の国会から実施されたのです。しかし、それはあく
までかたちだけのものであり、魂が入っていなかったのです。
 1999年10月5日には連立に公明党が加わり、三党連立に
なったのです。そして自・公は急接近し、自由党外しに動き始め
たのです。自由党は自・自連立発足時の政策合意が守られないこ
とを理由として、2000年4月に連立を離脱するのです。その
直後に小渕首相が倒れ、森政権がスタートすることになります。
その後、政府委員制度は「政府説明員」と名前を変えて復活し、
官僚軍の巻き返しが始まっているのです。
 しかし、民主党が自民党から政権を奪取したことによって、官
僚組織は強い危機意識を持っています。しかし、彼らはあきらめ
ていないのです。警戒すべきは小沢だけでであり、小沢さえ潰せ
ば、あとはどうにでもなると思っています。
 事実政権奪取後小沢に対しては検察によって痛撃が加えられて
います。それに呼応した大マスコミの報道によって、「小沢=巨
悪」にされてしまっていますが、いささか常軌を逸していると国
民は思わないのでしょうか。
 誰がどう考えても検察による一連の捜査は「異常」ですが、マ
スコミによる尋常ならざる報道によって、それが正当化されつつ
あるような気がします。まさに「検察ファッショ」そのものでは
ないかと思います。政治家は選挙の洗礼を受けなければなりませ
んが、検察は官僚であって、国民はどうすることもできないので
す。だとすれば、検察にこそ「説明責任」が必要なのではないか
と考えます。          ―――[小沢一郎論/53]


≪画像および関連情報≫
 ●自・自連立の歴史的決断
  ―――――――――――――――――――――――――――
  平成10年11月19日、小渕恵三首相と自由党の小沢一郎
  党首が歴史的な会談を行ない、自自連立が合意した。しかし
  政策協議はなかなか合意に至らず連立解消という声もささや
  かれはじめた。自由党の二階俊博国対委員長は思った。〈両
  党が言いたいことを言っていれば壊れるに決まっている。そ
  の可能性もないことはない。自民党内には、心から連立政権
  の成立を願う人と、そうでない人がいる。「何が実行される
  かという担保、確約もないうちになぜ急いでいっしょになる
  のか」「小さな政党の自由党のいいなりになり、小沢の恫喝
  によって自民党は何もかも譲ってしまうのか」と言われれば
  両党ともに、さようでございますと言える政治家はいない〉
      http://www.nikai.jp/book/book07/new_page_31.htm
  ―――――――――――――――――――――――――――

小渕元首相.jpg
小渕元首相
posted by 平野 浩 at 04:14| Comment(3) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>>  誰がどう考えても検察による一連の捜査は
>> 「異常」ですが、

まったく異常では無いですよ。
完全な脱税総理を検挙しないことの方が、よっぽど異常でしょう。
多くの国民がそう思っているのは諸報道の通りです。
(盲目なあなたには見えませんか?)

>> マスコミによる尋常ならざる報道

は、民主党を不当に擁護・ピーアールする
数年前からの一連のマスコミ報道でしょう。
民主党を批判しないようにしている、
というのは、マスコミが自分自信がそう語っているわけですから。
(聾唖なあなたには聞こえませんか?)

過去の事実については、(ウソでなければ)よく解説しているようですが、
それからこじつけるあなたの意見は、まったくの妄想が多く、
どこの国の話かと思いますね。
勝谷氏らと同様に、オザワからいくらかもらっているということなのでしょうか?
Posted by 角栄 at 2010年03月21日 02:40
当時の裏舞台がよく解説されており大変勉強になりました。
毎回思うのですが…角栄氏のコメントがあまりに稚拙過ぎてひと言投稿したくなった次第です。
私は現政権支持かといえば恐らく既に支持してはいない立場ですが様々な情報を色んな立場の人の意見を基に自分なりに咀嚼しております。
小沢幹事長の一連の報道や検察の異常さは一国民として明らかにおかしいと感じております。
確かにこのブログではそのおかしさの根拠にはふれていないので角栄氏が理解に乏しくなるのはいた仕方ない事ですが…私からすると角栄氏は余程このブログの熱心な読者でいらっしゃるようで小沢幹事長の一連の事件報道の偏向ぶりを他のブログから勉強したり客観的に情報を読み取る事が出来ていないのだと感じるのです。
例えば最近話題になった三宝会の存在や清和会議員が何故に逮捕されないのか?等をお調べする事をお勧めします。
その上で批判された部分をもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか?
今のままでは有識のブロガーやそれを本当に勉強している皆から笑い者になってしまいます。
初投稿ながら、申し訳ございません。
Posted by 小田 at 2010年03月22日 08:45
まずは日本語を十分に習得してから。
Posted by 角栄 at 2010年03月23日 03:33
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