2010年03月09日

●「無罪の可能性のある大久保容疑者」(EJ第2769号)

 小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規氏が東京地検特捜部に逮捕
されたのは、2009年3月3日のことです。逮捕された容疑は
西松建設から献金を受けたにもかかわらず、別の政治団体から献
金を受けたようにして、収支報告書にウソの記載をした疑いがあ
るというのです。その政治団体とは次の2つです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1.「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)
 2. 「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)
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 これら2つの政治団体は、西松建設のOBが代表を務めていた
政治団体ですが、団体としての実体はなく、西松建設のダミーの
団体だというのです。大久保秘書はその団体が西松建設であるこ
とを知りながら、献金を受けたとして逮捕されたのです。
 ところが、2010年1月13日の第2回公判で、検察側の証
人として出廷した西松建設の岡崎彰文・元取締役総務部長は「2
つの政治団体は事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団
体側が払っていた」と、実体があったと証言したのです。
 実は、この部分がこの裁判の核心部分なのです。もし、これら
2つの団体がダミーではなく、本当に実体があったとすると、大
久保容疑者を逮捕する理由がなくなってしまうからです。
 大久保容疑者としては検察の取り調べに対し、一貫して西松と
は知らなかったといい切っているのですから、それに加えて検察
側の証人から団体は西松ではなく、実体があったといわれてしま
うと検察はきわめて苦しくなります。
 この事態に慌てた検察側は「あなた自身が訴訟を起こされるこ
とが心配で、本当のことを話せないのでしょう」と証言の撤回を
求めたが果たせず、裁判官もその点を岡崎彰文氏に確認していま
すが、岡崎氏の答弁は一貫していたのです。
 実は岡崎彰文氏も逮捕されており、調書はとられているのです
が、裁判では証言を翻しているのです。なぜ、こうなるのかとい
うと、検察側は勝手にストーリーを組み立てていて、その流れに
乗って容疑者を自白させようとしているからです。そしていった
ん調書を取ると、後から絶対に訂正に応じないので、容疑者は裁
判で供述を翻すことになるのです。
 これによって不利になったのは検察側です。このままいくと、
大久保容疑者は無罪になり兼ねないとして、16日に大久保氏を
逮捕しています。本当は15日に石川容疑者たちと一緒に逮捕し
たかったのでしょうが、所在がわからなかったので、一日遅れて
16日に逮捕したのです。一般的に逮捕するときは、事前に所在
をチェックしておくものなのですが、それをしていなかったとこ
ろに検察のあせりが見られます。
 東京地検特捜部が国民からの批判を覚悟の上で、再び陸山会に
家宅捜査に入ったのは、おそらく国民の目を大久保公判からそら
したいという気持ちのあらわれであったと考えられます。既に陸
山会には大久保容疑者逮捕のときに徹底的な家宅捜査をやってい
るので、めぼしいものが出ないことはわかっていたのでしょうが
そうせざるを得ない事情があったのです。
 そして、1月22日に検察側は大久保公判の日程をすべて取り
消し、延期をしてしまったのです。なぜなら、今までの日程で進
むと、3月後半には判決が出てしまうのです。もし、そこで無罪
ということになると、それまでの小沢捜査は何であったのかとい
う検察に対する国民の批判が巻き起ることになることを検察は何
よりも恐れたからです。
 検察の立場で考えると、大久保容疑者は絶対に無罪にはできな
いはずです。選挙前に最大野党の民主党の代表である小沢の公設
第一秘書を逮捕し、代表を辞任に追い込んだからです。もし、大
久保容疑者が無罪になれば、検察による究極の選挙妨害といわれ
かねない。そんなことは何としても避けたい――検察はそう考え
るはずです。
 しかも検察は大久保容疑者の判決が出る前に、その大久保容疑
者を含め、2人の秘書まで逮捕・拘留・起訴をしているのです。
それはあくまで大久保容疑者が有罪になるという前提でやったこ
とであるはずです。少なくとも一審では有罪にしないと、検察の
威信と信用は地に落ちます。
 ここで心配されるのは、福島県前知事の佐藤栄佐久氏の公判の
ケースです。この裁判にも水谷建設が深くからんでおり、石川議
員のケースと似ているのです。
 しかし、既に述べたように、逮捕の原因になった水谷建設元会
長の証言がウソであることが判明しており、本来なら無罪になら
なければならないのですが、なかなかそうならないのです。
 これについては、EJ第2767号(3月5日)で木村剛氏の
プログをご紹介しましたが、その核心部分を≪画像および関連情
報≫に引用しておきます。
 ところで、『週刊朝日』3/5日号は、障害者向けの郵便割引
制度が悪用された郵便不正事件にからんで、虚偽有印公文書作成
などの罪に問われた村木厚子・元厚生労働局長の公判で、大阪地
方裁判所では、信じられないようなことが起こっていると伝えて
います。検察による冤罪事件がこのところあまりにも多くなって
いるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1月27日の初公判以来、村木厚子・元厚生労働省局長の公判
 は、ほぼ過2回のペースで続いている。2月8日に、検察側の
 証人として出廷した村木被告の元上司、塩田幸雄・元障害保健
 福祉部長(58)は「供述内容は事実ではない」と言って、村
 木被告の無罪を訴えた。塩田元部長だけでなく、これまで検察
 に有利な証言をすると見られた、検察側が申請した証人たちが
 次々と「供述調書はウソ」などと法廷で証言を覆し、検察を批
 判し始めている。     ――『週刊朝日』3/5日号より
―――――――――――――――――――――――――――――
                ―――[小沢一郎論/45]


≪画像および関連情報≫
 ●佐藤栄佐久・福島前知事事件判決の異常さ/木村剛氏プログ
  ―――――――――――――――――――――――――――
  この判決の中身を詳細に見た時に、その内容の異常さに驚か
  される人は多いはずだ。判決文からは「無形の賄賂」や「換
  金の利益」などの驚くような言葉が次々飛び出してくるから
  だ。判決文は、佐藤前知事が一体何の罪で有罪になったのか
  が、全くわからないような内容になっているのだ。もっとも
  驚かされるのは、二審では一審で佐藤前知事が弟の土地取引
  を通じて得ていたと認定されていた賄賂の存在が否定された
  にもかかわらず「無形の賄賂」があったとして、裁判所が有
  罪判決に踏み切ったことだ。元々その賄賂の根拠というのは
  佐藤氏の弟が経営する会社が水谷建設に土地を売却した際、
  その売却額が市価よりも1割ほど高かったので、その差額が
  佐藤氏に対する賄賂に当たるというものだった。ところが、
  その建設会社はその後更に高い値段で土地を売却しているこ
  とがわかり、「市価より高い値段による賄賂」の大前提が崩
  れてしまったのだ。そこで検察は「換金の利益」つまり、仮
  に正当な値段であったとしても土地を買い取ってあげたこと
  が「無形の賄賂」の供与にあたると主張し、裁判所もそれを
  認めた。つまり、取引が正当な価格でなされていたとしても
  土地取引そのものが賄賂にあたると認定されたわけだ。
http://kimuratakeshi.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-f78b.html
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村木厚子元厚生労働局長.jpg
村木厚子元厚生労働局長
posted by 平野 浩 at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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