2010年03月03日

●「小沢選挙を指導する秘書軍団」(EJ第2765号)

 小沢には最強の「秘書軍団」がついています。小沢選挙に欠か
せない存在です。しかし、この秘書軍団の詳細については詳しく
知られていないのです。その人数については諸説がありますが、
15人前後といわれています。
 この小沢秘書軍団――民主党の議員を正規軍とすると、ゲリラ
部隊という位置づけです。これらの秘書軍団は、そのほとんどが
小沢邸に住み込んで、小沢の身の回りの世話から寝食まで一緒に
する書生の経験者から構成されています。つまり、小沢イズムを
頭から叩き込まれているスタッフです。
 問題はこれらの秘書軍団の費用です。給与、宿泊代、交通費、
レンタカー代、ガソリン費、飲食代など、莫大な費用がかかりま
すが、そのすべてを小沢事務所が負担しているのです。党の選挙
のために働いているのですが、もちろん、民主党自体や候補者に
は、いっさい負担を求めていないのです。
 「小沢は億という単位のお金を何に使っているのか。私腹を肥
やしているのではないか」とメディアは何の根拠もなく書き立て
ますが、これだけの秘書軍団がいれば億単位のお金がかかっても
不思議はないといえます。
 『小沢選挙に学ぶ/人を動かす力』の著者は、これについて次
のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 2009年3月に、西松建設事件で公設秘書が逮捕されたさい
 の記者会見で、「多額の献金を集めて、何に使っているのか」
 とたずねた記者がいた。これに対し、小沢は憮然とした表情で
 答えた。「ほかの議員よりはるかにスタッフ(秘書)がいる。
 いろいろなお手伝いもしてもらっている。あなた(記者)のほ
 うが実態はわかっているはずです」。献金の一部は、全国に散
 らばる秘書軍団の活動経費にまわったのだろう。
                ――野地秩嘉/小塚かおる著
      『小沢選挙に学ぶ/人を動かす力』/かんき出版刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 これらの秘書軍団は小沢流選挙のプロです。選挙にかかわるこ
とはすべてやるのです。ポスター貼りにはじまって、辻立ちのや
り方、ミニ集会の開き方、後援者づくり、支持団体との付き合い
など、すべて候補者にその実践を教え込むのです。
 秘書たちには担当地域が割り振られており、担当地域について
は全責任を負わされています。評価は、候補者の当選ですが、そ
れだけでなく、その前提となる支持率の伸び、どのくらい票を集
められたかが厳しくチェックされるのです。したがって、秘書同
士の競争意識は大変激しいのです。
 小沢が各秘書について担当地域を決めているもうひとつの理由
は、地域ならではの情報収集を受け持たせているのです。彼らは
担当地域を這うように歩いているので、中央では入りにくいナマ
の情報が入手できます。これらの情報は逐一小沢にもたらされ、
小沢は居ながらにして全国の詳細な情報が入手できるようになっ
ているのです。ちょっとしたことで風向きの変わる選挙ですから
こうした秘書のもたらす情報には価値があるのです。
 秘書軍団の秘書は、完全に候補者の裏方に徹し、表には姿をさ
らさせないのです。ある秘書によると、候補者と移動するときは
候補者よりも30メートルほど後を歩くそうです。なぜ、そうす
るのか。それにはちゃんとした理由があるのです。
 選挙では、候補者が人が集まる商店街に入り、店主と話したり
する様子がよくテレビで報道されます。候補者というのは、本能
的に人の集まるところを歩きたがるからです。
 テレビに映っているので商店主は愛想よく応対していますが、
あれは商店主たちにとっては迷惑もいいところなのだそうです。
店の入り口を塞ぐのでお客は入らないし、何も買わないし、要す
るに邪魔者なのです。
 実際に候補者たちの一団が通り過ぎると、商店主たちはそうい
う文句をいっていることが多いのです。そういうとき、30メー
トル後を歩く秘書は「ご迷惑をかけて済みません」、「すみませ
んね」、「よろしくお願いします」と商店主に声をかけ、握手を
したりして、フォローして歩くのです。
 私は伝統的生保会社の出身で、生保営業を生涯テーマとしてい
ますが、この小沢の選挙戦略を知ったとき、これはそのまま生保
営業に応用できると感じたのです。
 選挙も生保営業も一人でも多くの人に会うという点では基本は
まったく同じであり、そのやるべきことはほとんど変わらないの
です。まさに生保営業も「どぶ板」をやるべきなのです。
 それにこの秘書軍団によるサポートチームは、多くの現場経験
者を擁する生保会社であれば、十分編成可能です。彼らは必要に
に応じてチームで重点地域に出張し、そこに必要な期間とどまっ
て、その地域の営業部隊に実地指導を施したり、現地経験の乏し
い新人マネジャーに地域開拓のノウハウを叩き込んで、成果を上
げるところまでやるのです。
 小沢は、「候補者は多くの人に会うべし」として次のように述
べています。その厳しさは、一般企業の営業担当者のはるかに上
を行くのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 まずはとにかく一軒一軒のドアを叩いて、自分自身で挨拶して
 回ることだ。「こんにちは、今度選挙に立候補する○×です。
 どうぞよろしくお願いします」。新人候補なのだから、誰も話
 を聞いてくれない。だから、せいぜい挨拶程度しかできないが
 これをやりつづける。一日フルに回れば、都市部なら300軒
 は挨拶できる。一戸当たり3人と考えれば一日で1000人。
 人口10万の都市でも100日、つまり、3ヶ月とちょっとあ
 れば全戸数を回ることになる。       ――小沢一郎著
          『小沢主義』/集英社インターナショナル
―――――――――――――――――――――――――――――
                ―――[小沢一郎論/41]


≪画像および関連情報≫
 ●大久保公設秘書にこんな話がある
  ―――――――――――――――――――――――――――
  ゼネコン東北支店の幹部はある晩、小沢一郎民主党幹事長の
  公設第1秘書・大久保隆規容疑者(48)と酒席を囲んだ。
  ゼネコン幹部は公共工事の受注希望を大久保秘書に伝え、大
  久保秘書はパーティー券購入や選挙への動員を幹部に頼む仲
  だった。幹部は封筒に入れた50万円を出し、「背広でも作
  ってくれ」。だが、大久保秘書は「のどから手が出るほど欲
  しいが、これを受け取ったことがオヤジ(小沢氏)にばれた
  ら、自分は秘書でいられなくなる」。幹部はその時、小沢氏
  の秘書の「鉄の規律」を実感したという。
  ―――――――――――――――――――――――――――

大久保秘書と小沢幹事長.jpg
大久保秘書と小沢幹事長
posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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