2010年02月23日

●「小泉政権とB層マーケティング」(EJ第2759号)

 普天間米軍基地の辺野古移転計画について、小泉元首相が異常
なほどのこだわりをもっていたことは確かなのです。もともと沖
縄の公共事業は経世会(旧橋本派)がその配分権を握っていたの
ですが、小渕首相が亡くなると、森、小泉と2代にわたって清和
会(旧森派)が経世会に代わって沖縄の基地移転事業の主導権を
握ったのです。
 2010年1月13日のEJ第2731号でも述べたように、
そもそも辺野古埋め立て案は、小泉氏が中心になって、わざわざ
お金のかかる案を作り、米国側と合意したのです。もちろん米国
側の「日米安保でメシを食べている人々」もこれによって潤うこ
とになります。ここまで何度も述べてきたように、日本の安全保
障の観点などそこには何もなく、利権あるのみです。
 民主党の鳩山氏と小沢は、選挙前から、この清和会の沖縄利権
は潰すべきだということで、「県外移設」を打ち出したのです。
別に連立を組む社民党に配慮したわけではないのです。小泉元首
相としては、郵政民営化でもこの辺野古移転でも米国との約束が
からんでいるので、逆ギレしたのです。
 当時、環境相兼沖縄担当相だった小池百合子氏も、小泉首相に
環境への影響が小さくなる独自案を提案したときのことを『週刊
ポスト』の記者に次のように話しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 私が(そのプランを)説明すると、「そんなんじゃダメなんだ
 よっ!」と、烈火のごとく怒り出し、こちらの話は全く受け付
 けないという感じで、青筋をたてて怒られた。
               ――『週刊ポスト』2/19号
―――――――――――――――――――――――――――――
 このように見ていくと、今回の小沢捜査のバックには小泉元首
相がいたことは間違いないと思われます。しかし、昨年と違って
今年は、政権交代で政権与党は民主党になっているのです。いく
ら小泉氏が検察に強くても、いつまでも政権与党の幹事長に対決
するのは検察の上層部としては不安のはずです。
 まして確たる証拠もないのに民主党党大会の日に与党幹事長の
秘書を3人を逮捕し、徹底的に取り調べるかたわら、執拗なリー
クを繰り返して大マスコミに「小沢=巨悪」のイメージを植え付
けさせたあげくが小沢不起訴の結果です。
 しかし、不起訴であっても「小沢=巨悪」のイメージは定着し
70%が幹事長辞任を求めています。自民党+官僚機構+大マス
コミの連合軍としては所期の果実を手にしているのです。きっと
このままでは済まないでしょう。小沢はいずれ幹事長を辞任して
そのさいに内閣を改造をして夏の参院選に臨むと思われますが、
自民党はとても盤石の体制では選挙に臨めないはずです。
 既に小沢幹事長は、次の方針を打ち出しているそうです。『週
刊ポスト』は次のように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 鳩山内閣では各省の大臣、副大臣、政務官の政務3役が政策を
 立案する仕組みになっているが、そこに小沢氏直属の副幹事長
 国対副委員長らを「お目付役」に加え、「反乱分子」の大臣、
 副大臣を監視させるのである。これで前原民らは身動きが取れ
 なくなる。検察のリーク情報を垂れ流した大新聞に対しても、
 現在は、記者クラブが独占している各省庁の記者会見について
 「開放すべきという意見を政府与党首脳会議の席で伝えたい」
 (2月1日の記者会見)と一撃を浴びせた。
             ――――『週刊ポスト』2/19号
―――――――――――――――――――――――――――――
 この元首相、小泉純一郎という人物は、今までの政治家にはな
い独特のキャラクターを持ち、小沢のように「政治とカネ」の問
題が表面に出てこないという点で、多くの国民からの今でも強い
支持のある政治家です。
 しかし、彼の政権が竹中平蔵氏らと組んで日本のために何をし
たかということをじっくりと考えてみると、それは実に恐ろしい
ことをやっているのです。なかでも策略をこらした郵政民営化を
推し進め、国民の一部がおかしいぞと気が付きはじめたことから
この政権に多くの疑問符が付いたのです。
 だからこそ、民主党への政権交代が起こり、現在、郵政民営化
のやり直しが行われているのです。小泉氏が郵政民営化を推し進
めるときにどういう手法を使ったのか――このことが今になって
ネット上では大変話題になっているのです。
 もちろん、表の新聞やテレビなどの大メディアには例によって
この手のことはいっさい報道されないので、ネットを見ない人は
知らない話ですが、それを知ったら、小泉政権がいかに米国に迎
合した問題ある政権であったかがわかると思います。
 郵政民営化の思想の徹底に当たって、小泉元首相は竹中平蔵氏
を使って、「B層マーケティング」と呼ばれる特殊なマーケティ
ング手法を駆使し、それを実際に展開しているのです。それが功
を奏して、あの郵政選挙で自民党は劇的に大勝したのです。
 ところで、「B層」とは何でしょうか。
 添付ファイルの図を見ていただきたいが、縦軸にIQ(知能指
数)を取り、横軸に構造改革を取ります。そのうえで、国民を次
の4つの層に分類するのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
  IQが高く、構造改革にポジティブ ・・・・・ A層
  IQが低く、構造改革にポジティブ ・・・・・ B層
  IQが高く、構造改革にネガティブ ・・・・・ C層
  IQが低く、構造改革にネガティブ ・・・・・ ?層
―――――――――――――――――――――――――――――
 小泉政権は、この中からB層、すなわち「IQが低く、構造改
革にポジティブ」な層に重点を絞って、徹底的なラーニング・プ
ロモーションをやったのです。そのときのキャラクタに使われた
のが、テリー伊藤氏なのです。    ―[小沢一郎論/35]
                  


≪画像および関連情報≫
 ●「B層」とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  B層とは、郵政民営化の広報企画にあたって、小泉政権の主
  な支持基盤として想定された、「具体的なことはよくわから
  ないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」のこと。広
  義には政策よりもイメージで投票を行うなどポピュリズム政
  治に吸引される層を意味する。
                    ――ウィキペディア
  ―――――――――――――――――――――――――――

B層マーケティング.jpg
B層マーケティング
posted by 平野 浩 at 01:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも御ブログを、拝読させていただいています。テリー伊藤氏について、気になることが、あったので、ご存知かとは、思いますが、コメントします。
テリー氏には、「お笑い大蔵省」という著書があります。大蔵省の匿名の役人が、内幕を話した、という内容ですが、ノーパンしゃぶしゃぶなどで、「官僚バッシング」が、大きくなった頃です。
「天下りとは何か」(中野雅至)の記述によると
1996年、アメリカ大使館から、特殊法人労連の堤和馬事務局長へ、天下りについて調査するよう、つまり「アメリカ企業が日本に進出する際に、天下りシステムが参入障壁になっているのではないか?」と、天下り情報と、報酬の開示を、求めてきた、ということです。
それから、おおっぴらに、官僚バッシングが、始まりました。テリー伊藤氏は、その頃には、今につながる活動を、していたのだと、思います。
官僚は、自分達の利権を守るために、国民の税金から、米国債を買い、郵貯を捧げ物にして、日本の国益を守ろうと言う、官僚や、政治家を、追放してきたのでしょう。
しかし、私は、米国債を買い、郵貯が民営化されたあと、官僚利権だけは、アメリカが、温存してくれる、と、思っている、官僚の「甘さ」が、信じられません。自分達や子供の代までは、無事でも、孫の代には、どうなっているか、思いが及ばないのでしょうか?
「児玉(誉士夫)小佐野、田中角栄なんて小物、
あんなヤツラに、日本をまかしておいちゃだめなんだよ、ロッキード事件を喜んだ、匿名の官僚、
「明治以来の天皇の官僚」の壁は、打ち破れないのか、とても、苦しい気持ちになります。
長々とすいません。これからも楽しみにしています。
Posted by ume at 2010年10月08日 11:21
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