2010年02月22日

●「小沢捜査を指揮した親小泉検察官」(EJ第2758号)

 誰も知らないウラの世界で検察をひそかに味方につけた小泉元
首相は、その力を使って自らの政敵をひとり一人失脚させていっ
たのです。まず、はじめに犠牲になったのは、小泉政権誕生の立
役者である田中真紀子元外相です。
 2001年4月24日――通常国会の真っ只中に自民党は総裁
選挙をやったのです。そのとき自民党内も野党もまさか小泉氏が
勝つとは予想していなかったのです。その小泉氏に勝利をもたら
したのは、田中真紀子衆院議員なのです。
 平野貞夫氏は、この現象を「集団異常心理現象」と呼び、次の
ように書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 日本人は平均60年周期で「集団異常心理」となる、というの
 が私の説だ。60年昔の1941年、日本人の90%が賛成し
 て、太平洋戦争が始まった。その約70年昔は、幕末の「ええ
 じゃないか」と踊り狂う民衆運動が起こっている。その約40
 年前には「文政のおかげ参り」が起こり、500万人が伊勢神
 宮に参拝した。              ――平野貞夫著
          『平成政治20年史』/幻冬舎新書105
―――――――――――――――――――――――――――――
 その恩人である田中議員を首相になった小泉氏は外相に任命し
ています。田中議員が外相就任をとくに望んでいたからといわれ
ます。しかし、外交機密費などをめぐって外務省官僚とトラブル
になり、結局1年足らずで事実上解任されたのです。
 それだけではないのです。田中議員が反小泉に回ると、秘書給
与ピンハネ疑惑で告発して追い詰め、捜査の手が伸びる前に議員
辞職に追い込んでいます。このときも検察の力を使った可能性が
高いのです。
 また、反小泉で鳴らした橋本派の鈴木宗男氏も、やまりん事件
で逮捕されています。これも外務省関連の逮捕ですが、この事件
にも検察の影を感じます。
 小泉元首相のターゲットは、自民党の旧田中派、橋本派なので
す。そして日歯連事件――小泉氏と総裁選を争った橋本龍太郎会
長は逮捕こそされなかったものの、この事件で派閥会長を辞任し
ています。小泉氏は最大の政敵を潰したことになります。
 ちなみに、この日歯連事件のとき、小泉内閣の法務省刑事局長
をしていたのが現検事総長、樋渡利秋氏なのです。昨年来の小沢
捜査にゴーサインを出した人物です。さらに、現在最高検検事で
日歯連事件の特捜検事だったのが、元特捜部長の大鶴基成氏なの
です。こうして見ると、樋渡検事総長を含め、小泉内閣時代に鈴
木宗男氏らの「国策捜査」を担った検事たちが、今回の小沢捜査
の中核をなしているのです。これなら、どうみても捜査が「政治
的」と見られても仕方がないといえます。
 政界を引退した小泉氏は、自民党が大敗した昨年の総選挙では
ほとんど応援に立たなかったのですが、2010年になって小沢
捜査が始まり、特捜部が小沢に事情聴取を要求しはじめた1月の
中旬以降はたびたび自民党本部に谷垣総裁を訪ね、「自民党の大
御所」として、積極的な政治的発言をするようになっていたので
す。小泉氏は京都で次の発言をしていますが、この機会に民主党
の首脳潰しに自ら乗り出した観があります。よほど小沢起訴に確
信を持っていたものと思われます。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ・政治資金で土地、マンションを買う政治家は一人もいない。
 ・自民党だったら、総理も幹事長もやっていられない。即刻、
  退陣だ!         ――『週刊ポスト』2/19号
―――――――――――――――――――――――――――――
 それでは、なぜ小泉氏はこれほど民主党政権に怒りを持ってい
るのでしょうか。昨年の衆議院選で早くから自民党の負けを予測
し、政権交代は仕方がないなどと発言していたのと比べると、今
年に入ってからの小泉氏は議員でもないのに、小沢潰し、すなわ
ち、民主党潰しに積極的になっています。
 それは、次の2つの理由があるのです。1つは鳩山政権が進め
る「郵政民営化の巻き返し」と、もう1つは「普天間米軍基地の
移転問題」なのです。まず、前者について民主党幹部は次のよう
に述べているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 かんぽの宿の売却問題をはじめ、郵政の資産は民営化を推進し
 た小泉人脈に食い物にされてきた。民主党は野党時代に彼らを
 告発したのに、検察は動かなかった。日本郵政の人事一新は、
 小泉時代の旧悪を明らかにするために必要だった。
               ――『週刊ポスト』2/19号
―――――――――――――――――――――――――――――
 「郵政民営化の巻き返し」についてはさもありなんという気が
しますが、「普天間米軍基地の移転問題」になぜ小泉氏が拘って
いるのかは少しわかりにくい状況です。
 これについて、前掲の『週刊ポスト』2/19号は、次のよう
に書いています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 鳩山政権がストップさせた普天間基地の辺野古移転計画も小泉
 政権時代の沖縄利権と密接に絡んでいる。普天間基地の代替滑
 走路建設をめぐってほ、当初、環境への影響が小さい陸上滑走
 路案なども検討されていた。ところが、小泉首相は06年に名
 護市辺野古沖のサンゴ礁を埋め立てる案を採用し、官邸主導で
 より埋め立て面積の大きい「X字型」の滑走路を建設する計画
 を決定した。移転計画に直接携わった小泉派官僚の守屋武昌・
 元事務次官(汚職事件で公判中)は陸上ではなく、沖を埋め立
 てる計画が浮上したことについて、「埋め立て」に拘った背景
 には利権の発想があったと思う、と基地建設利権の存在を指摘
 した。           ――『週刊ポスト』2/19号
―――――――――――――――――――――――――――――
                  ―[小沢一郎論/34]


≪画像および関連情報≫
 ●田中真紀子氏議員辞職のいきさつ
  ―――――――――――――――――――――――――――
  秘書給与横領で元秘書より告発され、自民党の党員資格を停
  止される。次々に横領の証拠が挙がり、議員辞職。その後、
  復活当選し、民主党会派(民主党・無所属クラブ)に入会し
  た。以降、選挙の際に民主党公認の立候補者の選挙支援に重
  用される。ただし、当時は民主党員ではなく、あくまで無所
  属であった。従来どおり自由民主党公認候補である夫の支援
  も行っていたが、その後、夫を離党させた。父角栄からの相
  続税の脱税が指摘され目白邸の一部を分納したことがある。
                    ――ウィキペディア
  ―――――――――――――――――――――――――――

田中真紀子議員.jpg
田中真紀子議員
posted by 平野 浩 at 04:21| Comment(1) | TrackBack(1) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今の一連の民主党に仕掛けている張本人は小泉、飯島勲元秘書、フィクサー気取りで検察の弱みに付け込み民主党に成り郵政見直し等小泉がやって来た事が次々覆され小沢憎しでやっているのでしょう。因みに小泉本人が訴えられていた時も裁判所まで動かして傍聴に来ていた方々まで衛守を動かして裁判所から出て行くまでチェックしていました。郵政民営化上場で外資への売却で一儲けしようとしたが失敗、2期で辞めてしまった事の悔いが残っているようです。辞めた時に経団連のパーティーで10億円集めたのだから潔く政界に関わってほしくないです。飯島、時々銀座クラブ街をウロウロいるようです。
Posted by 無職 at 2010年05月07日 19:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

6364 ◎ 元凶は(ドル買いで) 小泉竹中(構造改革) 大不況  需給ギャップが 35(30-40)兆
Excerpt: 色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。
Weblog: アルデバランの 夢の星
Tracked: 2010-04-10 15:42
RDF Site Summary