務省」のバトルを次の3幕に分けています。
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第1幕/外務省幹部による小沢への「申し入れ書」の提出
第2幕/自衛隊海外派遣を可能にするPKO法成立バトル
第3幕/第1次湾岸戦争における90億ドル支援のバトル
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しかし、渡辺氏は既に第4幕があったというのです。それは、
第1次湾岸戦争から13年後のことです。
2003年3月12日、イラク戦争が始まる一週間前のことで
す。ときの首相である小泉純一郎は首相官邸に野党党首を呼び出
したのです。そして、小泉は野党党首と一人ずつ会談をもったの
です。このとき小沢も自由党党首として小泉と会談しています。
その会談で小泉が各党の党首に何を話したのかは定かではあり
ませんが、米国がイラクと戦争した場合、日本はどうすべきかと
いう話だったようです。小泉は最初から米国支援を決めていて、
そのため一応野党党首の意見を聞いたものと考えられます。小沢
はこのとき冒頭で小泉にこういっているのです。
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何のためにわれわれ野党の意見を聞くのか。まず、あなたの考
えを決めることのほうが大事だ。国会の多数を持っているのだ
から、決めるべきことはそちらが責任をもってやればいい。
──渡辺乾介著、『小沢一郎/嫌われる伝説』より/小学館刊
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このとき、小沢は小泉に対して、もうひとつ重要なことを聞い
ています。もし、米国がイラクに対する武力行使を認める国連決
議がないまま開戦した場合、日本は米国を支持するのかと聞いた
ところ、小泉は「その場の雰囲気で決める」と答えたそうです。
2003年3月19日、米英両軍は大量破壊兵器を持っている
ことを理由にイラクを攻撃したのです。このとき米国は日本には
戦争開始後に連絡を入れてきたのです。それも大統領や国務長官
ではなく、国務省の日本担当の副長官からの連絡だったのです。
日本がいかに軽視されているかがよくわかります。
イラク戦争は、国連安保理決議がないまま、国際社会からその
正当性に疑問を持たれた状況下で、米国の自衛のための戦争とし
て開始されたのです。
しかし、小泉内閣は日米同盟は重要であり、米国を支援するこ
とが国益になるとして、自衛隊派遣を閣議決定したのです。この
決断に対し、自民党は「日本もようやく“普通の国”になった」
と自画自賛したものですが、小沢はこの決断を次のよう切り捨て
ています。
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国際社会から見れば、理解不能の『特殊な国』と思われ、逆行
している。 ――小沢一郎
──渡辺乾介著、『小沢一郎/嫌われる伝説』より/小学館刊
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小沢の言い分はこうです。1991年の湾岸戦争のとき日本は
二重三重の国連決議に基づく平和維持活動に対してさえ憲法を楯
にして各国との共同行動に参加しなかったのです。
ところがイラク戦争のときは国連決議がないにもかかわらず、
集団的自衛権と武力の行使の一切を否定する憲法解釈をそのまま
にして、簡単に自衛隊派遣を決めています。13年前と考え方が
変わったのでしょうか。まったく整合性がとれない――これは憲
法違反であると小沢はいうのです。
その後「小沢なき自民党」は、矢継ぎ早に新法を作って、場当
たり的に自衛隊を海外に派遣しています。こういう自民党に対し
て小沢は、次のように批判しています。
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そもそも、自衛隊は紛れもない軍隊であり、その軍隊を自国の
領土の外に派遣するというのは、ひじょうに重大な意味を持っ
ている。日本政府がいくら苦し紛れの理屈を付けてイラクに自
衛隊を送っても、国際社会がそのまま受け取ってくれるわけで
はない。「日本はアメリカの戦争を利用して、ふたたび海外に
軍隊を派遣するための既成事実作りをしようとしているのでは
ないか」と一部の国々から疑われかねないやり方である。自衛
隊を派遣するならば、まず日本の立場と方針を明確に説明し、
その枠の中で行動するのが当然のことであって、「その場その
場で対応する」という対応は国家のあり方としては下策だ。
――小沢一郎著
『小沢主義/オザワイズム/志を持て、日本人』/集英社刊
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第一次湾岸戦争のとき、小沢が国連決議さえあれば現行の憲法
でも自衛隊を派遣できるという主張をしたが、そのとき、多くの
人は憲法の拡大解釈のような感じがしたものです。しかし、これ
と比べると、1990年代半ば以降の自民党の自衛隊の海外派遣
の憲法解釈の方がもっと拡大解釈をしているのです。
とくに小泉元首相は、そうした憲法解釈に踏み込まず、法的根
拠も曖昧にしたまま、自衛隊をイラクに派遣してしまっているの
です。自衛隊のイラク派遣の名目は「復興支援活動」なのです。
これが拡大解釈でなくてなんでしょうか。
また、小沢はこうもいっているのです。何が何でも国連決議と
いっているわけではないのです。
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国際社会全体がアメリカのやり方を支持しなくても、日本の同
盟や世界平和の観点から、同盟国としてアメリカを支えるとい
う判断がそこにあるなら、それはそれで国家としての生き方で
あり、一つの外交政策となりうる。 小沢一郎著の前掲書より
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しかし、あのときはそのような判断があったとはとうてい思え
ないのです。 ―――[小沢一郎論/18]
≪画像および関連情報≫
●疑惑を持たれてもすぐ辞任しない理由
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普通の政治家なら、とりあえず国民の批判を鎮めるためにポ
ストは辞任するかもしれない。しかし、そこが小沢の普通の
政治家と違うところだ。たとえ相手が検察であろうと、自分
が正しければ徹底して闘うのである。敵の自民党はもちろん
マスコミも批判してくるだろうし、身内の民主党の中からも
批判の声が出るだろうが、自分が正しいと思うことは曲げな
い男なのだ。 ――平野貞夫著
『わが友・小沢一郎』より/幻冬舎刊
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小沢一郎著/「小沢主義」


