論評しています。2010年1月20日付の米紙ニューヨークタ
イムズは、マーティン・ファクラー氏の署名のある次のタイトル
の記事を掲載しています。
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Japan Stalls as Leaders Are Jolted by Old Guard
改革派のリーダーたちが守旧派の攻勢を受けて停滞する日本
http://www.nytimes.com/2010/01/20/world/asia/20japan.html
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この記事の翻訳の全文が次のサイトにあるので、それをベース
にして以下に記述することにします。
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ASH/カフェメトロポリス
http://ameblo.jp/whatawondefulworld/entry-10439284068.html
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このニューヨークタイムズ紙の記事は、今回の小沢疑惑を次の
ような対立構図として捉えています。
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政権与党の大物小沢一郎に対する捜査は、この国のもっとも剛
腕な政治家で、新しい改革派のリーダーと、戦後権力体制の中
でも、もっとも強力な組織である検察庁との間の公開のバトル
であるということで、国中の関心を引きつけている。
――ニューヨークタイムズ紙の記事から
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しかし、今回の疑惑は、いつもとは違うパターンの批判の声の
渦を巻き起こしていると、この記事は指摘しています。それは、
向けられている批判が小沢氏だけでなく、少数のエリート検事た
ちの巨大な裁量権にも向けられていることです。
これらの検事たちは、今回は今まで考えられていたように、社
会正義を守る正義の味方というよりも、何か別のものを守ってい
るのではないかとの疑問が提起されているのです。
民主党政権は官僚をコントロールすることを公約していますが
これに対して法務省に属する検察庁が、官僚システムの根幹にな
る強力な組織であるという理由から、民主党に対して仕返しをし
旧体制を守ろうとしているのではないかという批判が噴出しつつ
あるのです。
この記事では、元検事の郷原信郎氏の言葉も次のように取り上
げています。
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このスキャンダルは、日本の民主主義を危機に陥れている。こ
のスキャンダルは官僚システムが自分に対して挑戦してきた、
選挙で選ばれたリーダーから、自分を守るために反撃したもの
なのだ。 ――郷原信郎氏
――ニューヨークタイムズ紙の記事から
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確かに、大新聞やテレビの報道を見ていると、「巨悪の小沢一
郎」を印象づけられてしまいますが、ネットを見るとかなり検察
批判が目立っているのです。
際立っていたのは、1月10日報道のサンデープロジェクト/
テレビ朝日です。ここでは、元検事の郷原氏と毎日新聞の岸井氏
それに朝日新聞の星氏が中心になって議論が展開されています。
内容については省略しますが、ネットでは、そのときのやり取り
が詳細に取り上げられているので、ご紹介しておきます。
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◎GENKIのブログ/日本と世界の黎明
http://ameblo.jp/hirokane604/entry-10431618730.html
◎テレビにだまされないぞぉ
http://dametv.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-3de0.html
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さて、ニューヨークタイムズ紙の記事は、日本の検察の特殊性
についても、次のように述べています。
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日本の検察は、米国やその他の西側民主主義の司法制度とはか
なり違った勢力だ。検察庁は、誰に対して何時調査を開始する
かを決める権限だけではなく、告訴以前に、容疑者を逮捕し、
拘留する権利も持っている。これによって彼らは実質的に、警
察、法務大臣、そして裁判官の力をひとまとめにしたほどの権
力を持つことになっている。
――ニューヨークタイムズ紙の記事から
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なお、ニューヨークタイムズ紙は、メディアの報道に関しても
言及して次のように述べています。
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ニュース報道は、検察からのリークに基づいて予測可能なパタ
ーンのストーリーにしたがって行われている。たとえば検察が
小沢氏が東京の土地に投資することによって隠そうとしている
と思っている4億円に関する詳細事実が、ニュース報道の中で
は現れてくる。こういったことに憤激した、民主党議員は、報
道に影響を与えるための検察のリークの利用を調査するための
議員のチームを組織することによって反撃することを誓った。
――ニューヨークタイムズ紙の記事から
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英タイムズ紙は、「小沢VS検察」は「ゴジラVS○○」の構
図であり、これほどの激突から生還できるのはどちらか片方のみ
であると描写しています。検察庁は「日本のエリート官僚組織の
中でも最も誇り高く、最も強力な組織」であり、対する小沢氏は
「政界の人形遣い、血なまぐさい対決を数限りなくくぐり抜けて
きた強者、そして日本で最も恐れられている政治家」だと解説し
ています。まさに「世紀の対決!」的様相です。
― ―――――――――――――――――[小沢一郎論/15]
≪画像および関連情報≫
●英フィナンシャルタイムズの記事より
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「小沢の破壊」と題し、小沢氏の辞任を呼びかけています。
「小沢氏は理由もなく『壊し屋』と呼ばれてきたわけではな
い。20年近くかけてきた目論み通りに自由民主党を選挙で
破壊した男は、このままでいけば自分の民主党をも壊してし
まいかねない」という書き出しで、「選挙の神様」とも呼ば
れた小沢氏が今では民主党にとって「お荷物」だと批判。同
紙は「検察がマスコミを使って小沢氏に不利な情報をリーク
しているやり方は、実にみっともないし、日本で真の権力を
握っているのは有権者に選ばれたわけでもない官僚たちだと
言う民主党の主張を裏付けるものだ」と批判した上で、「し
かし、民主党が撤廃を主張する従来型の金権政治に、小沢氏
自身も関わっているとされてきた」とやはり小沢氏を批判し
ています。
http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/politics/newsengw-20100120-01.html
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民主党・小沢幹事長