事長の間では合意ができていたのです。だからこそ、社民党との
連立に踏み切ったのです。
これに対して岡田克也外相はどう対処したのでしょうか。
岡田外相は一時は「嘉手納統合案」を目指したものの、それが
難しいとわかると、今度は、社民党が反対しても辺野古でやむな
しという考え方に傾き、その線で熱心に鳩山首相を説得し、年内
決着を迫ったのです。
岡田外相には外務省がついており、結局外務省に取り込まれて
しまったと思われます。外務省は今回も「ガイアツ」をフルに利
用した疑いがあります。
鳩山政権成立直後の9月23日、米国務省の東アジア担当者の
キャンベル次官補が来日して、岡田外相に次のように要請してい
ます。これはガイアツの第1弾です。
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新政権は、前政権が決めたとおりにやってほしい
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まず、キャンベル次官補が最初にクギを刺したのです。続いて
ガイアツの第2弾がきたのです。それは、10月20日に来日し
たゲーツ国防長官です。彼は岡田外相に対して強い調子で次のよ
うに述べたといわれます。これは恫喝そのものです。
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普天間基地の移転先は辺野古しかない。日本は2006年に米
側と合意したとおりにやってほしい。11月12日のオバマ大
統領来日までの間に決めてほしい。普天間の代替先が決まらな
い限り、海兵隊のグアム移転もやらない。
――田中宇著『日本が「対米従属」を脱する日』/風雲舎刊
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ここから日本のマスコミによる鳩山政権の総攻撃が始まったの
です。彼らは鳩山政権が米国から恫喝されるのを待っていたので
す。「米国は怒っている」「日米同盟が危ない」――対米従属の
プロバガンダ機関と化している日本のマスコミは、外務省と結託
して鳩山政権の支持率を下げようと、キャンペーンをはじめたよ
うにみえます。相当割り引いて考えてみても、鳩山政権に対する
マスコミの報道姿勢はいささか異常であると思います。
わからないのは、ゲーツ国防長官です。これではまるで沖縄県
民の怒りをわざと増幅させているように見えます。それに米国の
本音は、あくまで2014年までに海兵隊のグアムへの全面移転
なのです。田中宇氏は、ゲーツ国防長官の恫喝について面白い分
析をしていますが、これについては改めて述べます。
実は米軍基地は沖縄にとって痛し痒しなのです。なぜなら、沖
縄は、経済面で米軍基地に負うところが大きく、基地は経済的な
「必要悪」であったからです。そのため、1999年の調査では
基地移転については賛成と反対が拮抗していたのです。
しかし、ゲーツ国防長官の高圧的な要求に反発して沖縄の世論
は反米的な傾向を深めたのです。沖縄県民の70%が普天間基地
は県外か国外に移すべきであると考えており、県民の67%が普
天間基地の移転先を辺野古沖にすることに反対しているのです。
賛成はわずか20%に過ぎないのです。
普天間問題について鳩山首相はブレているとよくいわれます。
しかし、他のことは別として、こと普天間の問題に関しては、鳩
山首相は一貫しています。あくまで「普天間基地は県外、国外に
移転する」――まったくブレていないのです。ただ、岡田外相や
北沢防衛相がごちゃごちゃいうので、鳩山政権が何を目指してい
るのか不透明になっているだけです。それは、それぞれの大臣の
バックにいる官僚機構がそういわせているのです。
しかし、鳩山首相は年内に決めるとはっきりいっていました。
この発言を多くの国民は「年内に辺野古に決めるんだな」と勝手
に解釈していましたが、どうやら違うようです。辺野古を完全に
捨てたわけではないものの、あくまで「県外」にすることを米国
側に伝え、その代替地を5月までに決めると明言したのです。こ
れを境に米国はこの問題について発言しなくなったのです。
その決断は、12月4日に行われたとみられる鳩山首相と小沢
幹事長の首相公邸における極秘会談によって両者で確認されたも
のであると思われるのです。この会談は鳩山首相は認め、小沢幹
事長は「会ってはいない」とシラを切っていますが、会談が行わ
れたことは確かです。
ちょうどその12月4日には、外務省において日米閣僚会議作
業部会が開かれていたのです。この会議において、ルース駐日大
使は日米合意を改めて強く迫ったといいます。
それでは、この極秘会談では何が話し合われたのでしょうか。
民主党の中枢筋によると、次のようなことだったといわれます。
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会談のメインテーマは普天問だった。総理は岡田外相や外務省
がアメリカの意向を尊重すべきだという態度を強めていること
を説明したが、小沢幹事長は、外交の最終権限者は総理大臣で
あると主張し、総理の思う通りにやるべきだと背中を押した。
――SAPIO/1月27日号
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その後、普天間問題について岡田外相や北沢防衛相は完全に口
を閉ざし、鳩山首相だけが発言するようになったのです。これに
よってもはや辺野古への移転はほぼなくなったといえます。
問題は鳩山首相が普天間の代替地をどこに決めようとしている
かということです。おそらくそれは、最もお金がかからず、素早
く決められるところになると思われます。なぜなら、米海兵隊が
グアムに全軍移転することは間違いないからです。
ちなみに辺野古沖は、米国側が強く望んだものではなく、日本
側が米国側を説得したものなのです。果たして鳩山政権は本当に
5月までに代替地を決められるのでしょうか。どこか、アテがあ
るのでしょうか。 ―――[小沢一郎論/06]
≪画像および関連情報≫
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【ワシントン=有元隆志】ゲーツ米国防長官は23日、日韓
など一連の訪問日程を終えた。ともに同盟国である日本と韓
国との連携を図るのが目的だったが、日本との間では普天間
飛行場(沖縄市宜野湾市)の移設問題などで進展がなかった
のに対し、韓国とは「拡大抑止」の強化で合意するなど対照
的な結果となった。現在の日米関係について「最悪といわれ
た盧武鉉前政権下の米韓関係よりもひどい状況(米政府元当
局者)との声も出ている。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/091024/amr0910241736008-n1.htm
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ゲーツ国防長官来日


