2010年01月06日

●「海兵隊は恒久駐留に不適の部隊」(EJ第2727号)

 「思いやり予算」における思いやりの対象は、日本を守ってく
れる米軍ということになります。しかし、長期政権になった自公
政権は、思いやり予算を米軍に支払う一方で、それとほぼ同額の
の社会保障費を毎年削減していたのです。とくに2006年まで
の小泉政権の時代は、思いやり予算の額は大きく膨らませる一方
で、社会保障費も大きく削減したのです。この政権がいかに弱者
に対して「冷たい」政権であったかがわかると思います。
 その総額は7年間で思いやり予算は1兆8171億円、社会保
障費削減額は1兆6000億円に及んだのです。明らかに自公政
権は思いやりの対象を間違えているとしか思えないのです。この
姿勢が政権交代につながったのです。
──――――――――――――――――――――――――――─
          思いやり予算    社会保障費削減
  2002年度  2665億円    −3000億円
  2003年度  2725億円    −2200億円
  2004年度  2707億円    −2200億円
  2005年度  2641億円    −2200億円
  2006年度  2559億円    −2200億円
  2007年度  2373億円    −2200億円
  2008年度  2501億円    −2200億円
 ――――――――――――――――――――――――――
        1兆8171億円   1兆6000億円
──――――――――――――――――――――――――――─
 自公政権時代において、社会保障費の削減が行われていること
は誰でも知っていますが、それによって何が削減されたかを知っ
ている人は少ないはずです。マスコミが報道しないからです。社
会保障費の削減額の内訳は次のサイトを見ればわかります。
──――――――――――――――――――――――――――─
http://blog.goo.ne.jp/kin_chan0701/e/24d24719fdafe9153f6f148ee8728198
──――――――――――――――――――――――――――─
 高齢者1割負担などの医療制度改悪、介護制度改悪、生活保護
制度改悪、生活保護世帯母子加算の廃止、年金物価スライドの引
き下げ、診療報酬・薬価の改定など──よくぞここまで切ったり
というほどひどいものです。民主党政権になって、その一部を少
しずつ戻そうと努力していますが、一度実施した制度を元に戻す
のは時間がかかるものです。もう少し長い目で見てあげるべきで
はないかと私は思います。
 多くの日本人は、沖縄の人を除いて米軍の海兵隊が沖縄に駐留
している方が何となく安心できると思っています。北朝鮮の脅威
もあるし、中国の軍事力も不安だからです。
 しかし、軍事戦略上は、海兵隊が沖縄に駐留している必要はな
いのです。むしろ、ミサイルの発達した現代では、沖縄に米軍基
地がある方が危険であるといえます。そもそも海兵隊は、戦争が
起こりそうな地域での恒久駐留が必要な軍隊ではないのです。
 1991年の湾岸戦争、2003年のイラク侵攻のように米国
から戦争を仕掛けるときに、十分な作戦計画の下に、最初に殴り
込みをかけるのが海兵隊であるからです。したがって、海兵隊は
豊富な訓練地域のある米国本土にいるのがベストなのです。
 むしろ日本には第7艦隊のような空母を中心とする米軍の精鋭
部隊がいてくれた方が安心なのです。なぜなら、空母を守る船団
が核ミサイルを装備していて、いつでもどこへでも移動可能──
かつて小沢一郎が「日本の防衛には第7艦隊があれば十分」とい
ったのは、けっして間違っていないのです。しかし、当時の自公
政権は「小沢は軍事のいろはを知らない」といって馬鹿にしまし
たが、これはいっている人の方が軍事の素人です。
 現在、普天間基地を拠点とする米軍の海兵隊は「第3海兵遠征
軍」というのです。米軍の海兵隊は、3つの遠征軍で構成されて
いて、第1海兵隊遠征軍と第2海兵隊遠征軍の2つは米国本土に
本拠地があるのです。この他に海兵隊予備役部隊というのがあり
ます。全体の現役兵力は17万3000人といわれています。
──――――――――――――――――――――――――――─
 大西洋海兵隊部隊 ───── 第2海兵隊遠征軍
            I── 第1海兵隊遠征軍
 太平洋海兵隊部隊 ──I
            I── 第3海兵隊遠征軍 → 沖縄
──――――――――――――――――――――――――――─
 たとえ海兵隊がグアムに引き上げても、技術革新によって、米
軍の飛行機の航続距離が伸びた結果、海兵隊や空軍が前線に近い
沖縄ではなく、米国本土に近いグアム島やハワイにいても十分力
を発揮できるのです。
 もし、不意に攻められたらどうなるのかということを心配する
人がいます。そのために自衛隊がいるのです。しかし、現代の戦
争は諜報がすべてなのです。米軍は突然攻められるはるか前の段
階で事態を察知できるのです。既出の田中宇氏は、沖縄に米軍基
地はいらないとして、次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 「地政学上の理由から、基地は沖縄になければならない」と解
 説する人がよくいるが、間違いである。米軍の現在の技術力か
 らすれば、中国を仮想敵とみなす場合でも、沖縄に必要なのは
 有事の際に使える港と滑走路だけであり、軍隊が常駐している
 必要はない(実際米軍は冷戦後、沖縄本島より下地島の空港を
 有事利用したがった)。米国はここ数年、中国を戦略的パート
 ナーとみなす傾向を強め、日本以上に中国を重視している。日
 本も、中国との東アジア共同体を作る方向に進んでいる。もは
 や中国は日米の敵ではない。これは地政学的な大転換であるが
 米軍の沖縄駐留は必須だという人ほど、この地政学的な変動を
 全くふまえずに(または意識的に無視して)語っている。茶番
 である。
  ――田中宇著『日本が「対米従属」を脱する日』/風雲舎刊
―――――――――――――――――――――――――――――
                ―――[小沢一郎論/03]


≪画像および関連情報≫
 ●永田町異聞/沖縄基地問題について
  ―――――――――――――――――――――――――――
  米軍が沖縄住民のためというより、軍事戦略上の目的で、老
  朽化いちじるしい普天間に替わる海兵隊の基地を求めてきた
  ことは、このブログでも何度か書いた。その新基地を名護市
  の辺野古にするという2006年の日米合意に至る経緯を、
  チェンジした新政権が検証するというのは、ふつうの国なら
  あたりまえのことだろう。「あした普天間基地がなくなって
  も困るわけじゃない」(週刊朝日)という、元CIA東アジ
  ア部長、アーサー・ブラウン氏の冷静な言葉をよくかみしめ
  るべきだ。
     http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10405430828.html
  ―――――――――――――――――――――――――――

米海兵隊紋章.jpg
米海兵隊紋章
posted by 平野 浩 at 04:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 小沢一郎論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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