99年2月のことです。「iモード」がこのときからはじまった
からです。
ところで「iモード」の「i」は何を意味しているがご存知で
しょうか。
これは4つの「i」を意味しているのですが、そのうちの3つ
を次に示します。
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第1の「i」 ・・・・・ interactive
第2の「i」 ・・・・・ information
第3の「i」 ・・・・・ internet
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それでは4つ目の「i」は何かというと、それは「アイ」――
「私」という意味なのです。
通信は「パケット方式」で行われ、通信料金は通信時間単位で
はなく通信データ量(パケット量)に応じた課金システムとなっ
ているのです。
ここでよく誤解されるのは、ケータイからインターネットに接
続するといっても、PCからネットに接続するのとは違うという
ことです。ケータイの場合は、キャリアのネットワーク経由でイ
ンターネットに接続しているのです。したがって、キャリアはパ
ケット料金を徴収できるのです。
しかし、1999年の時点では、ケータイからPC向けのウェ
ブサイト見ることは困難だったのです。ケータイはPCよりも小
型で、より低い電力で動作することを求められる機器であり、と
くに今から10年前の時点では、フルブラウザの搭載などできる
わけがなかったのです。
そこで、NTTドコモとしては、その非力なハードウェアに合
わせて可能な限り動作を快適化させる「組み込み向けソフトウェ
ア」という技術を利用し、そういうケータイに合わせたサイトを
作成したのです。重要なことは、この段階で日本の場合、縦画面
が標準となったことです。
そのうえでNTTドコモなどのキャリアは、そのサイトにさま
ざまなコンテンツの提供をコンテンツ・プロバイダに求めたので
す。その結果、ニュース、天気予報、ゲーム、コミック、音楽、
着うた、小説、動画にいたるまで、多岐にわたるコンテンツがコ
ンテンツ・プロバイダによって作られたのです。
これらのサイトはもちろんネット上にありますが、PCからは
見ることはできないようになっていたのです。したがって、これ
らのサイトは、日本のケータイ・ユーザーのための特殊なゾーン
をネット上に形成していたということができます。
コンテンツ・プロバイダとしても、キャリアがきちんと課金回
収をしてくれるので、それは「確実にお金が回収できるビジネス
モデル」として定着していったのです。
しかし、「iモード」が開発された時点において既にアップル
社は、最初からコンテンツはあくまでインターネット・コンテン
ツと決めていたのです。なぜなら、日本のキャリアのように、コ
ンテンツ側の人にケータイに合わせたコンテンツを書いて欲しい
と要請することには限界があることを知っていたからです。当時
ケータイの端末は発展途上にあり、大幅な機種変更があったとき
に対応できないと考えたからです。
そのためアップル社は、iPodの段階からPC向けのサイト
がスムーズに表示できるようPC並みのOSとフルブラウザを搭
載できるよう技術的努力を重ねたのです。ここがアップル社と日
本のキャリアの戦略の違いです。アップル社はハードウェアの非
力を補うためにソフトウェアの力で解決しようとしたのです。
それでは、アップル社はどのような技術的努力をしたのかにつ
いて簡単に述べることにします。小さな筺体――初期の40GB
の「iPod」、現在のアイフォーンとほぼ同じ大きさを前提と
して、いかにしてOSとフルブラウザを搭載するかに心血を注い
だのです。インタネット・コンテンツを見るにはフルブラウザが
必要であるという考え方からです。
しかし、フルブラウザの搭載だけでは問題があり、使い勝手を
よくするには、「フルブラウザ+オブジェクト」にする必要があ
る――ここでいうオブジェクトとは、アプリケーションのことで
あり、小さなオブジェクトが通信して必要なデータを取ってくる
というシステムです。
実はアップル社はそれを可能にするOSを既に1991年に開
発していたのです。それは「タリジェント」というOSです。現
在はこれが「OS−X」に姿を変えており、その中心機能がアイ
フォーンに搭載されているのです。そして「サファリ」というフ
ルブラウザがアイフォーンに搭載されています。長年目標として
きたものがアイフォーンというマシンに結実したのです。
今後この「フルブラウザ+アプリケーション」のタイプのケー
タイは急速に増えていくと思われます。アンドロイド搭載のスマ
ートフォンも同じタイプです。これに動揺しているのは、日本の
キャリアにコンテンツを提供しているコンテンツ・プロバイダな
のです。
アイフォーンによって代表されるスマートフォンによってPC
向けのウェブサイトがいつでもどこでも見られるとなると、わざ
わざパケット料金を支払ってまで、いわゆる「iモード」コンテ
ンツを見る必要はなくなってしまうからです。
音楽系コンテンツにおいても、一曲丸ごと配信する着うたコン
テンツは、アイチューンズ・ストアで可能になるし、既に海外で
は、アイチューンズ・ストアで購入した楽曲データを使い、アイ
フォーンの着信音に設定するサービスが始まっているのです。
このアイフォーンというスマートフォン――今までのケータイ
の常識を超えるマシンなのです。このように、今や「iモード」
は存亡の危機に立たされているといっても過言ではないのです。
――[クラウド・コンピューティング/34]
≪画像および関連情報≫
●「サファリ」とは何か
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サファリとは、アップル社が独自に開発したウェブブラウザ
である。「マックOS−X」にの標準ブラウザとして内蔵さ
れている。タブブラウザ機能や、グーグルによる検索機能を
統合したツールバー、ポップアップブロック機能などを搭載
している。特徴的な機能としては、最後に入力したURLま
たは最後に選択したブックマークのページに一気に戻ること
ができる「SnapBack」機能がある。サファリは、オープンソ
ースのソフトウェアをベースにしており、レンダリングエン
ジンにはKDEオープンソースプロジェクトの「KHTM
L」および「KJS」が採用されている。
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サファリ


