2009年11月02日

●「ウェブ版オフィス14とは何か」(EJ第2686号)

 「ウインドウズ7」の販売はなかなか好調のようです。アップ
ル社の猛追に対してマイクロソフト社としては、どのような戦略
で立ち向かうのでしょうか。
 実はマイクロソフト社は2008年の時点で2009年以降の
戦略を固め、そのうえでこの10月22日に「ウインドウズ7」
を出したのです。そこで、ここまでは、アップル社を中心にその
戦略を述べてきたので、しばらくマイクロソフト社の戦略につい
て述べることにします。
 2008年9月のことです。マイクロソフト社は、次のような
注目すべきメッセージを世界に発信しているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
       Windows Life Without Walls
―――――――――――――――――――――――――――――
 「壁のないウインドウズ・ライフ」──これは何を意味してい
るのでしょうか。
 今まではPCをはじめ携帯電話など各情報機器ごとにそれぞれ
何らかの「壁」が存在していたのです。しかし、現代では、サー
バーで処理する部分を増やすことによって、少しずつ「壁」がな
くなってきているのです。やがてそれは「壁のない世界」に到達
することになりますが、マイクロソフト社はそれを目指すといっ
ているのです。
 マイクロソフト社のこのポリシーは、2008年9月に開催さ
れた家電展示会の開催に合わせて開かれた会見において、その趣
旨が米マイクロソフト社の副社長ブラッド・ブルックス氏から伝
えられたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 あらゆる壁を乗り越えて人々のコミュニケーションを促すとと
 もに、10億人のウインドウズ・ユーザーに選択肢を与える。
 これからの新しいウインドウズでは、家庭や職場だけでなく、
 移動中や娯楽中にも『壁のない世界』を体験できるだろう。
                ──ブラッド・ブルックス氏
                     ――西田宗千佳著
           『クラウド・コンピューティング』より
―――――――――――――――――――――――――――――
 続く2008年10月、マイクロソフト社は、米ロサンゼルス
で開かれた同社製品に関する開発者会議「PDC2008」にお
いて、次の2つの重大な発表を行ったのです。これには当然「壁
のないウインドウズ・ライフ」を踏まえた2つの製品のコンセプ
トの発表ということになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
          1.ウインドウズ7
          2.オフィス 14
―――――――――――――――――――――――――――――
 ところで、「ウインドウズ7」はともかくとして、「オフィス
14」とは何でしょうか。
 「オフィス14」は、ワードやエクセルなどのあの「マイクロ
ソフト・オフィス」の新バージョンのことです。既に「オフィス
2007」がリリースされていますので、その次のバージョンの
「オフィス」ということになります。
 「オフィス14」は仮称──コードネームですが、次の2つの
種類があるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
     1.ローカル・アプリ版/オフィス14
     2.ウェブ ・アプリ版/オフィス14
―――――――――――――――――――――――――――――
 「オフィス14」は、おそらく「オフィス2010」という名
称のオフィスの次期バージョンと考えてよいと思います。2つの
うち、「ローカル・アプリ版/オフィス14」は、パッケージに
入った普通のオフィス製品のことです。
 ここで「ローカル」というのは「ハードディスク」のことであ
り、パッケージに入っているCDをハードディスクにインストー
ルして使う、普通タイプのオフィス製品です。
 これに対して「ウェブ・アプリ版/オフィス14」というのは
マイクロソフト社としてははじめて投入されるものです。つまり
「ローカル」に対して「ウェブ」――自分のPCのハードディス
クにインストールするのではなく、ネット上にあるオフィスをブ
ラウザを通して使う今までにない画期的なオフィスのことです。
 画期的というだけのことはあるのです。ブラウザというと、マ
イクロソフト社の場合は「インターネット・エクスプローラ/I
E」ということになりますが、この「ウェブ・アプリ版/オフィ
ス14」の場合は、「サファリ」や「ファイアフォックス」とい
うIE以外のウェブブラウザでも動くのです。しかも同様にOS
にも依存しないのです。
 それに加えて高機能なウェブブラウザを持つ、アイフォーンな
どの一部の携帯電話でもそれは動くということです。そしてさら
に驚くべきことは、多くのウェブ・アプリと同様に「無料」で公
開されることが予測されているのです。
 そうすると、こういうことになります。「ローカル・アプリ版
/オフィス14」はいつものように有料であるのに対し、同じ機
能を持つ「ウェブ・アプリ版/オフィス14」は無料で使えると
いうことになります。この場合、ウェブ・アプリ版オフィスが非
常に使い勝手が悪いということではないのです。ローカル・アプ
リ版とほぼ同じように使えるということです。
 なぜ、マイクロソフト社はこの決断をしたのでしょうか。
 それは、2006年6月からグーグルがはじめた「グーグル・
ドキュメント」が原因なのです。これは、無料で使えるウェブ版
ワープロや表計算ソフトなのです。もちろん、オフィスには機能
的に及ばないものの、オフィスのファイルを編集するぐらいのこ
とは簡単にできるのです。マイクロソフト社はこれに強い危機感
を抱いたのです。──[クラウド・コンピューティング/14]


≪画像および関連情報≫
 ●「グーグル・ドキュメント」とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  グーグル・ドキュメントは、文書(ワープロソフト)、スプ
  レッドシート(表計算ソフト)、プレゼンテーション)の3
  つの機能が提供されている。ドキュメントはいずれもグーグ
  ルのサーバ上に保存されるが、他形式とのインポート・エク
  スポートも可能。他のユーザとのドキュメント共有をサポー
  トしている。一つの文書ファイルは500KBまで、画像フ
  ァイルは2MB、縦書きには対応していない。また、保存し
  た時点でフォーマットが失われるため取り出した文章も横書
  きのままである。          ――ウィキペディア
  ―――――――――――――――――――――――――――

オフィス次期バージョン.jpg
オフィス次期バージョン
posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | クラウド・コンピューティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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