ブ・ジョブズが中心となり、社内のごく限定されたチームで開発
を進め、1998年に発表したPCが「iMac」です。
iMacは、アップル社の社員でも発表会ではじめて知った者
が多く、ジョブズ肝いりの秘密警察がいかに機能を発揮したかが
よくわかります。このPCは、後のPCの規格に大きな影響を与
えるエポックメイキングな製品になったのです。
iMacがどんなPCであるかについて概要をまとめると次の
ようになります。
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15インチCRT(ディスプレイ)を装備した一体型のケース
キーボード、マウス、果ては電源ケーブル、付属のモジュラー
ケーブルにいたるまで半透明(トランスルーセント)というス
タイリッシュなデザインや、ボンダイブルーと呼ばれた印象的
な色を使い、18万円を切る、当時しては低価格が若年層や女
性に広く受け入れられ、大ヒット商品となる。
――ウィキペディア
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なお、文中の「ボンダイブルー」とは、アップル社の造語で、
ボンダイはシドニーにあるボンダイビーチからとられているので
す。添付ファイルでもわかるようにアップルらしい斬新なデザイ
ンですが、専門的には次の特徴があるのです。
それは、今までどのPCにも付いていた「レガシーデバイス」
をすべて廃止していることです。少し専門的になってしまいます
が、レガシーデバイスとは、プリンターをはじめ、他の周辺機器
を接続する装置――RS−232C、RS−422系のシリアル
ポート、フロッピーディスクを廃止し、USBを全面的に採用し
ていることです。
1998年のことであり、ハードディスクがまだ高価でUSB
メモリーが普及していない頃のことですから、フロッピーディス
クを廃止することは相当思い切った決断であるといえます。また
当時言葉ですら普及していなかったUSBポートを装着したこと
によってUSB対応の周辺機器がその後続々と開発され、現在な
ら誰でも使っているUSBメモリーが大きく普及するキッカケを
つくったのです。USBメモリーは2004年前後から爆発的に
幅広く普及し、現在ではきわめて低価格になっています。
実は、iMacの開発に当たってジョブズが制作チームに命じ
たことは「シンプル!」だったのです。iMacが一体型であっ
てゴチャゴチャしていないのはそのためです。
ところが、このように画期的なiMacが発売されても、ウイ
ンドウズPCを使っているユーザーの大半は、わざわざiMac
に乗り換えようとはしなかったのです。なぜなら、マイクロソフ
ト社とアップル社では文化が違うので、今までウインドウズPC
に慣れたユーザーがiMacに乗り換えるには、かなり大きな壁
があったからです。
アップル社とマイクロソフト社の文化の違いはかなり大きなも
のがあります。企業には得意な分野と不得意な分野があり、それ
はアップル社の次のような体質の違いを形成しているのです。
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アップル社は、バージョン1.0 の製品は全力を傾けて作る
が、バージョン2.0 の製品が出てこない会社である。
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つまり、アップル社は世の中にないものを出す創造的作業に強
い企業なのですが、そのバージョンアップである2.0 になると
急に意欲というか、やる気がなくなり、ひどいときは2.0 が出
てこないこともあったのです。マッキントッシュも初代バージョ
ンで燃え尽きてしまい、改良バージョンである2.0 の発売が遅
れ、販売不振を招いているのです。
それに対してマイクロソフト社は、この2.0 が得意の企業な
のです。マイクロソフト社について、既出の竹内一正氏は次のよ
うに述べています。
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たとえばビル・ゲイツのマイクロソフトはバージョン2・0が
得意だ。ウィンドウズは、ウィンドウズ95を1995年に出
して以来、いくつもの新バージョンが出たが、どれも大局的に
は同じである。新技術は生み出されていない。「マイクロソフ
トは95年の製品をマイナーチェンジだけして13年も売り続
けている」と評する人も少なくない。しかし、バージョン2・
0という「改善」にエネルギーを費やすマイクロソフトは世界
一のソフトウェア企業となり、ゲイツは13年連続で世界一の
金持ちとなっている。竹内一正著/リュウブックスアステ新書
『スティーブ・ジョブズ/神の交渉力』より
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しかし、ジョブズがアップル社に復帰して、この面も改善され
ていると私は思います。アイフォーンは、初代バージョン、3G
それに3GSとバージョンアップしてきていますが、その外形に
変化はなく、外からはバージョンの違いはわからないのです。
もちろん機能は向上しているのですが、その新機能についても
ネットからのOSやソフトウェアのダウンロードで、旧バージョ
ンの人も使えるよう配慮されているのです。
あるマシンを購入したすぐ後で改良されたニューマシンが発売
されると、購入者は損をしたように思うのは人情です。しかし、
少なくともアイフォーンに関する限り、3Gでも3GSでもソフ
トウェアの追加によって差はあまりないのです。
社員に対しては、傲岸不遜で人情知らずといわれるスティーブ
・ジョブスでも顧客に対してはそういう配慮をするようになって
きたことはアップル社の大きな進歩であると私は考えます。
アップル社がiMacを出しても誰も驚きませんが、iPod
を2001年に発表したとき世界は驚愕したのです。明日のEJ
で取り上げます。――[クラウド・コンピューティング/04]
≪画像および関連情報≫
●iMac登場/1998年
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1998年、パーソナルコンピュータのデザインに革命が起
きた。iMacの登場である。それは、CRT一体型でポッ
プな色づかい、しかも内部構造が半透明の筐体から透けて見
えていた。それはPC・AT互換機の「箱」とまで形容され
る機能一辺倒で無骨なデザインに、無機質で「オフィスアイ
ボリックカラー」とも呼ばれる一辺倒なカラーリングの製品
を見なれている人々を驚かせ、好意をもって迎えられた。i
Macの常識を打ち破るデザインは、女性や若年者や初心者
あるいは無骨なデザインに飽き飽きしていたユーザの心を釘
付けにした。内部的には変形五角形の専用ロジックボードが
使用されこれにより、他のパソコンには見られない個性的な
フォルムを実現している。 ――ウィキペディア
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アイマック/初代バージョン


