2009年09月18日

●「カラー革命的手法によるオバマ旋風」(EJ第2659号)

 「カラー革命」とは何でしょうか。
 腐敗が蔓延している独裁政権に対して、非暴力で民主主義を求
めるさいに、その非暴力行動の象徴として、色や花をあてはめた
のです。具体的な例を示すと、2003年のグルジアの「バラ革
命」、2004年のウクライナの「オレンジ革命」、それに多く
の暴力が使われましたが、2005年のキルギスの「チューリッ
プ革命」などがあります。
 ウェブスター・タープレイ氏によると、ブレジンスキー父子は
ウクライナでの「オレンジ革命」を主導したというのです。この
「カラー革命」については、米国が西側の利益を確保するために
革命のウラ側で支援しているという事実を指摘する人もおり、タ
ープレイ氏のいうことが必ずしも荒唐無稽とはいえないのです。
そこで使われている手法は、大衆クーデターそのものであり、こ
の手法が米国の大統領選に持ち込まれていて、2008年の大統
領選で存分に使われているというのです。
 ところで、「暴力革命」と「非暴力革命」――どちらが革命を
成就させるのに有効だと思いますか。
 アルバート・アインシュタイン研究所の主宰者であるジーン・
シャープという人物の次の本を読むと、「非暴力革命」がいかに
凄い力を持っているかがわかります。
―――――――――――――――――――――――――――――
   Gene Sharp,
   The Politics of Nonviolent Action Part One:
   Power and Struggle MA:Porter Sargent,1973
―――――――――――――――――――――――――――――
 アルバート・アインシュタイン研究所というのは、民衆の「非
暴力革命」のための調査研究など学問的な貢献をしている団体で
すが、これは「大衆クーデターを画策する諸機関」であるとター
プレイ氏はいっています。
 ジーン・シャープ氏によると、「カラー革命」――すなわち、
大衆クーデターを起こすには、次の5つのことが必要であるとい
います。
―――――――――――――――――――――――――――――
         1.マスコミ
         2.レンタル暴徒
         3.シンボルとスローガン
         4.ニセの世論
         5.適切な扇動家
      ――ウェブスター・G・タープレイ著/太田龍監訳
           『オバマ危険な正体』より/成甲書房刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 まず、主要テレビネットワークのうち、少なくともひとつは絶
対に支配下に置く必要があります。続いて、レンタル暴徒――変
な表現ですが、この言葉はブレジンスキー氏が画策したとされる
1978年のイラン国王失脚、アヤトラ・ホメイニ政権樹立のと
きからいわれるようになったのです。集会やデモなどへの参加、
金銭で集められた大勢の人間――要するにサクラのことですが、
これをレンタル暴徒というのです。
 それから、人々を動員するための効果的なシンボル――色やシ
ンボルに加えて大衆受けするスローガンが使われます。ベオグラ
ードの「やつ(ミロシェビッチ)は終わりだ」や「もうたくさん
だ」、オバマ氏の使った「チェンジ!」などが該当します。
 ウクライナでは、親ロ候補であるヤヌコビッチの当選が公式に
発表されると、レンタル暴徒が「不正投票だ」と叫びながら街中
を闊歩していますが、これがニセの世論づくりです。
 タープレイ氏によると、ウクライナの場合、ヴィクトル・ユシ
シェンコは自ら毒物によって顔を異常に変貌させ、これは「ロシ
アの陰謀だ」と流布させているというのです。これを適切な煽情
家といっているのです。
 選挙になると、世論調査がさかんに行われますが、この世論調
査が実は曲者なのです。世論調査などはやり方によってそれぞれ
違ってくるからです。
 今回の日本の衆院選ですが、8月29日、池袋での最後の演説
を終えた麻生前首相は、自信満々に側近に対して次のようにいっ
たそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 明日、新聞が書いていることと実際の結果がどれぐらい違って
 出るか楽しみだ。             ――麻生前首相
―――――――――――――――――――――――――――――
 その発言のウラには、細田幹事長から示されたある世論調査の
結果があり、悪くても150人は確保できると伝えられていたか
らです。ほとんどの新聞が「民主党300議席超えの圧勝」を伝
える報道のウラで「自民150議席」を予想する調査結果があっ
たことは確かなことなのです。
 ニューハンプシャーでの民主党の予備選においては、あらゆる
調査結果がオバマ候補優勢を伝え、投票日の出口調査においても
オバマ圧勝であったにもかかわらず、ヒラリー・クリントン候補
がわずかの差で制するという意外な結果に終わっています。
 ヒラリー候補は、民主党にかろうじて残っている勢力を代表す
る候補としてニューハンプシャーに乗り込んでいます。ジーン・
シャーヒン州知事、労働組合、ワシントンのロビイストたちなど
ウォール街の大部分を代表する勢力を味方につけたのです。
 これに対して、オバマ陣営は、ブレジンスキー一派とジョージ
・ソロス勢力が組み、カラー革命的手法――大衆クーデター的手
法で選挙戦を戦ったのです。
 明らかにヒラリー陣営は劣勢だったのです。その証拠にその後
カラー革命的手法のオバマ陣営は、いわゆる「オバマ旋風」を巻
き起こして、ヒラリー候補を下しているのです。タープレイ氏に
よると、ヒラリー陣営の勝利には「電子投票機疑惑」があるとい
うのです。           ――[オバマの正体/49]


≪画像および関連情報≫
 ●ヒラリーの「電子投票機」疑惑
  ―――――――――――――――――――――――――――
  重要な役割を果たしたのが、ニューハンプシャーの有権者の
  80%が利用したディーボルド社の電子投票機だ。ディーボ
  ルド社製の機械は、3%の割合でヒラリー優位の結果を出し
  た。記名式投票が行われた残りの20%では、同じ割合でオ
  バマに有利な結果を出している。したがって、ニューハンプ
  シャーでの投票結果は民意の表れではなく、2つの対立する
  秘密作戦による結果だったといえる。
      ――ウェブスター・G・タープレイ著/太田龍監訳
           『オバマ危険な正体』より/成甲書房刊
  ―――――――――――――――――――――――――――

ジーン・シャープの本.jpg
ジーン・シャープの本
posted by 平野 浩 at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | オバマの正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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