2009年07月17日

●「テレプロンプターに頼る大統領」(EJ第2615号)

 「イエス・ウイ・キャン」――これは、オバマ大統領が選挙中
に演説の最後で使っていたフレーズです。演説の中でせいいっぱ
い「夢」や「希望」や「明るい未来」を語り、最後は「イエス・
ウイ・キャン」――われわれはできるでしめくくるのです。
 ところが、大統領選の最中にヒラリー陣営は、オバマ候補の演
説は「パクリ」だとクレームをつけたのです。何のパクリかとい
うと、マサチューセッツ州知事のデバル・パトリック氏の演説と
そっくりだというのです。
 既出の浜田和幸氏の本から、オバマ氏とパトリック氏の演説の
一部を比較すると、次のようになります。きわめてよく似ている
というより、そっくりです。
―――――――――――――――――――――――――――――
≪オバマ氏≫
Don't tell me words don't matter."I have a dream".
Just words ? "We hold these truths to be self-evident,
than all men are created equal". Just words ?
"We have nothing to fear but fear itself".
Just words ? Just speeches ?
≪パトリック氏≫
"We hold these truths to be self-evident, that all men
are created equal".Just words ?
"We have nothing to fear itself". Just words ? "Ask not
what your country can do for you, ask what you can do
for your country". Just words ? "I have a dream".
Just words ?
―――――――――――――――――――――――――――――
 これは当然なのです。なぜなら、同じスピーチ・ライターが書
いたからです。選挙の演説をスピーチ・ライターに依頼すること
はよくあることです。このスピーチ・ライターが、ジョン・ファ
ブローなる27歳の青年であることはよく知られています。
 しかし、それは演説をする本人がスピーチ・ライターに演説し
たい内容を話し、それをスピーチにまとめてもらうのが普通なの
です。オバマ氏とパトリック氏の2人がたまたま同じスピーチ・
ライターに依頼したのであれば、スピーチのトーンは似てくるか
もしれませんが、内容は違ってくるのが当然です。しかし、この
2人は演説の内容まで同じです。どうなっているのでしょうか。
 それは、オバマ氏もパトリック氏も、同じ人に選挙をプロモー
トしてもらっているからです。その陰の選挙プロモーターは次の
人物です。
―――――――――――――――――――――――――――――
        デイビット・アクセルロッド
―――――――――――――――――――――――――――――
 アクセルロッド氏は元新聞記者で、現在はシカゴ政界の黒幕と
いわれる人物であり、政治コンサルタントとして隠然たる影響力
と資金力を持つ民主党寄りの選挙プロモーターです。
 オバマ氏もパトリック氏もアクセルロッド氏がスピーチ・ライ
ターのジョン・ファブロー氏に書かせた原稿を暗記して話してい
るだけであるといわれているのです。アクセルロッド氏は世論を
動かす天才プロモーターです。
 そのアクセルロッド氏の現況について、浜田和幸氏は次のよう
に伝えています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 その天才演出家アクセルロッド氏は、いまやホワイトハウスの
 奥深い執務室で、オバマ大統領の顧問として、日々新たなメデ
 ィア対応に采配をふるっている。現在の最大のターゲットは、
 金融再生策や経済刺激策をどう国民に売り込むかである。ブッ
 シュ前政権時代に「影の大統領」とも椰掩されたカール・ロー
 プ顧問と同じ立場といえそうだ。このアクセルロッド氏こそが
 「夢と希望の政治」のシナリオライターである。
     ――浜田和幸著、『オバマの仮面を剥ぐ』/光文社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、これはおかしな話です。オバマ大統領は人前に出て何
かを話すときは、どうやらすべてアクセルロッド氏の考える文案
をスピーチ・ライターが演説原稿にまとめていると思われるから
です。これでは自分の考えそのものがないということになってし
まいます。
 まさかそんなことはあるまいと誰でも考えますが、それを裏付
ける事実はいくつもあるのです。そのひとつが、「テレプロンプ
ター疑惑」です。
 テレプロンプターというのは、普通、演壇の前の左右両側に設
置される透明なガラス板で、演説の文章が電子的に表示されてい
くのです。演説する側は左右の表示を順番に読むわけですが、テ
レビには板が映らないため、自然に発言しているようにもみえる
のです。オバマ大統領は、どんな短い演説においてもこのテレプ
ロンプターを使うので、「テレプロンプター・プレジデント」と
呼ばれています。
 2009年2月25日、ロック商務長官の指名発表という短い
スピーチにおいてもプロンプターを使ったのです。それに対して
ロック商務長官はポケットから取り出したノートだけで演説をす
る姿が対照的だったと新聞は報道しています。
 話す内容から話す原稿まで人手を借り、しかもそれをプロンプ
ター映してしゃべる――これでは自分というものがまったくない
ということになります。
 記者との一問一答でもオバマ大統領はプロンプターを見ながら
話しているというのです。記者から質問が出て、オバマ氏が答え
る前に、瞬時に答えの基礎となる資料や答えそのものが背後のス
タッフから提供され、プロンプターに映るというのです。オバマ
氏は自由自在の質疑応答であるはずのやりとりでも、他者によっ
て既に書かれたスクリプトを読み上げるだけだといいます。
                −―[オバマの正体/05]


≪画像および関連情報≫
 ●オバマ大統領とテレプロンプター
  ―――――――――――――――――――――――――――
  同報道によると、この依存度は歴代大統領でも異例なほど高
  い。大統領歴史研究家のマーサ・クマー氏は「他の大統領は
  だれもこれほど一貫してプロンプターを使ったことはない」
  と述べ、その理由の1つはプロンプターが演説者と聴き手の
  障壁になるためだと指摘した。ブッシュ前大統領は主要演説
  以外ではまず使わず、簡単な声明や地方遊説ではせいぜい小
  さなノートを使用する程度で、他の大統領も使用の頻度はず
  っと低かったという。オバマ大統領のプロンプター依存には
  「演説が不自然で人工的になりすぎる」という批判がある一
  方、ホワイトハウスでは「大統領が国民に訴えることはその
  内容が最重要であり、伝達の方法は問題ではない」と反論し
  ている。
  ―――――――――――――――――――――――――――

どこでもプロンプターがないと話せない大統領の風刺画.jpg
どこでもプロンプターがないと話せない大統領の風刺画
posted by 平野 浩 at 04:18| Comment(0) | TrackBack(0) | オバマの正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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