2009年07月16日

●「オバマにあるノン・アメリカン的雰囲気」(EJ第2614号)

 オバマ大統領は、出自や生い立ちについて聞かれると、いつも
決まってこういうのです。「私は自叙伝を書いている。私の過去
について知りたいなら、それを読んでくれ。そうすれば、すべて
は氷解するから」と。その自叙伝とは次の本のことです。
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         バラク・オバマ著/白倉三紀子・木内裕也訳
 『マイ・ドリーム/バラク・オバマ自伝』/ダイヤモンド社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、その本の中では、肝心の出自については曖昧のままぼ
かされています。都合の悪いことはすべて伏せられているとしか
考えられないのです。
 この本によると、母親のアンさんとオバマ氏は、継父になった
ソエトロ氏と1968年から71年までの4年間ジャカルタ地区
で暮らしていたとしています。オバマ氏が6歳から10歳までの
期間がそれに当たります。しかし、産経新聞ワシントン駐在編集
特別委員・論説委員の古森義久氏の調査によると、オバマ氏のこ
のジャカルタでの生活については、事実と異なる部分が多いとい
うのです。
 1970年にアンさんはソエトロ氏の子供を出産しています。
オバマ氏の妹に当たるマヤ・ソエトロ氏です。そのマヤさんの証
言によると、オバマ氏と一緒にジャカルタで暮らしたのは、19
73年までといっています。自伝に書いているよりも2年長く、
自叙伝と異なっています。
 添付ファイルの写真は、インドネシアで暮らしていたときのオ
バマ・ファミリーです。母親のアン・ダナムさんが抱いているの
が、妹のマヤさんです。
 また、自伝では、オバマ氏はジャカルタの私立のカトリック系
インターナショナル・スクールに入学したことになっているので
すが、古森氏の調査によると、インドネシア側での記録や証言と
必ずしも一致せず、次のような情報が出てきたというのです。
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 ●当時、バリー・ソエトロと呼ばれたオバマ少年は2年ほど地
  元の公立学校に通い、イスラム教に基づく教育を受け、イス
  ラム聖典のコーランを読誦させられていた。
 ●オバマ少年は、一時はイスラム教を集中的に教えるマドラサ
  (学院)にも通い、宗教教育を受けていた。
 ●インターナショナル・スクールの書類には『バリー・ソエト
  ロはホノルルで生まれたインドネシア国籍の少年である』と
  いう記述があった。    ――古森義久著/ビジネス社刊
   『オバマ大統領と日本沈没/知られざる変幻と外交戦略』
―――――――――――――――――――――――――――――
 こういう情報にもかかわらず、大統領選で繰り返し伝えられた
のは、次のことなのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 オバマ氏は最初からキリスト教徒であって、かつてイスラム
 教徒だったことない。
―――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、既出のジェローム・コルシ著の『オバマ国家』の中で
は、オバマ氏が何かのときにコーランの一節をとても流暢に口に
したということが紹介されています。これが事実ならオバマ氏は
イスラム教徒であった可能性が高くなります。
 既に述べたように、オバマ氏の出生については、明確になって
いないのです。オバマ氏は、バラク・フセイン・オバマ氏とアン
・ダナムさんとの間に生まれていますが、実はケニアで生まれた
にもかかわらず、母親の親戚がいるハワイで出生届を提出したの
ではないかという疑いが持たれているのです。しかし、ハワイ州
政府は現時点でも情報の開示には応じていないのです。
 それに加えて、母親の再婚によるインドネシアでの生活がある
のですが、そこにも不明な点があるのです。自叙伝でオバマ氏は
インドネシアで4年間暮らしたと述べていますが、6年暮らして
いるという義理の妹の証言もあります。
 さらに、「ホノルルで生まれたインドネシア国籍の少年」とい
う学校の記録が正しいとすると、母親がインドネシア人と結婚し
てインドネシアに行ったときに、オバマ本人も米国籍を放棄して
いる可能性は高いのです。インドネシアでは二重国籍は認めてい
ないからです。
 そうであるとすると、仮に後から米国籍を取得したとしても、
それは米国に帰化したことを意味し、米国大統領の資格要件を満
たしていないことになる可能性もあるのです。
 一国の大統領が自分の出自に関して疑いを持たれているにもか
かわらず、自ら情報を開示して疑惑を晴らすことをせず、権力を
行使して隠蔽しようとしているのは奇異な話です。これに対して
浜田和幸氏は次のように述べています。
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 ホワイトハウスのロバート・ギブス報道官は「大統領の出生証
 明書はインターネット上で公開してある」と答えているが、こ
 の証明書はハワイ州政府が作成した抄書で出生場所の特定がな
 されていない。しかも、1961年生まれのはずのオバマ大統
 領の記録でありながら、当時は使われていなかったはずのレー
 ザープリンターで作成されている代物。明らかに偽造文書であ
 る。  ――浜田和幸著、『オバマの仮面を剥ぐ』/光文社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 昨年の大統領選でマケイン候補に投票した人の中には、オバマ
氏について「得体のしれない人物」という印象を持っている人が
多く、一部には「何となく怖い」と考えて、オバマ氏に投票しな
かった人もいるといわれています。何となく彼に「ノン・アメリ
カン」的な雰囲気を感じている人が多いのです。それは、オバマ
氏自ら出自を明らかにしようとしない姿勢にあるといっても過言
ではないと思います。オバマ氏には出自だけでなく、他にもたく
さんの疑惑があります。     −―[オバマの正体/04]


≪画像および関連情報≫
 ●2008年8月7日「共同」記事/「売れるオバマ批判本」
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  米大統領選の民主党指名候補となるオバマ大統領を批判する
  本の売れ行きが米国内で好調で、ベストセラー上位に顔を出
  してきた。共和党の選挙戦術の一環ともいえ、オバマ陣営は
  神経をとがらせている。インターネット書店大手アマゾンの
  ベストセラー10冊(ノンフィクション部門、6日現在)に
  はオバマ氏の批判本が1位、3位、6位に並ぶ。このうち新
  刊で1位の「オバマ・ネーション」の副題は「左翼政治と個
  人崇拝」。オバマ氏とイスラム教との結びつきなどを強調し
  大統領になれば「民主党が失敗してきた過激な政策」を繰り
  返すと警鐘を鳴らしている。著者のジェローム・コルシ氏は
  共和党系の作家で、前回大統領選では民主党候補だったケリ
  ー上院議員を攻撃する本を出版。効果をあげた“実績”を持
  つ。                   ――「共同」
 ●添付ファイル写真出所
  浜田和幸著、『オバマの仮面を剥ぐ』/光文社刊
  ―――――――――――――――――――――――――――

インドネシアでのオバマ一家.jpg
インドネシアでのオバマ一家
posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | オバマの正体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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