2008年08月27日

●「ファイコ・スコアというものがある」(EJ第2398号)

 「2/28ARM」という言葉があります。「トゥ・トゥエン
ティ・エイトARM」と呼ぶのです。これは、契約期間は30年
で、最初の2年間は優遇金利、3年目以降30年目まで変動金利
ローン――つまり、典型的なサブプライムローンのことです。
 変な言葉はまだたくさんあるのです。
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      インタレスト・オンリー・ローン
      ネガティブ・アモチゼーション・ローン
      ビギーパック・ローン
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 「インタレスト・オンリー・ローン」というのは、最初の2〜
5年は元本を支払わず、金利のみ支払うローンであり、据え置き
期間終了後は通常の住宅ローンよりも早いペースで返済を行うか
一括払いで返済するローンです。
 「ネガティブ・アモチゼーション・ローン」は、当初の返済額
は金利コストよりはるかに小さいが、その差額は債務に加算され
ていく仕組みのローンなのです。年々元本が膨らんでいくタイプ
のローンです。
 「ビギーパック・ローン」は、一般的に住宅購入時には住宅価
格の20%程度の頭金が必要になるが、その用意ができない購入
者に対して、頭金部分についてもローンを別途用意するというも
の――本体部分に比べると金利が高いが、頭金を払えない場合に
必要になるモーゲージ保険の保険料よりは低いというメリットが
あるのです。
 これらは、いずれもサブプライムローンのさまざまな契約のタ
イプなのです。年を追うにつれて、本来なら絶対にローンを払え
ない人でも、住宅を手に入れられるさまざまなローンが続々と生
まれたのです。
 日本では、過去にクレジットカードの返済を延滞したり、まし
て破産などの経歴があると、住宅ローンを借り入れることは困難
になります。しかし、米国では、そのような場合でもリスクに見
合った金利を設定して貸し出すことによってビジネスチャンスを
広げる金融機関が出てきたのです。それがサブプライムローンの
出発点なのです。
 実は米国では、移民国家、多民族国家であって、金融機関が性
別や人種などに基づき融資を拒絶することは「公平信用機会法」
という法律で禁じられているのです。
 そのため、クレジットカードの返済履歴などから、個人の信用
力を客観的に数値化するスコアリング・モデルを開発する必要性
が生まれたのです。その結果、現在では、フェア・アイザック社
による「FICO/ファイコ」というスコアが与信判断に広く使
われるようになったのです。
 各金融機関はFICOのスコアによって、ローンが組めるかど
うか、組めるとしたら、プライムかサブプライムかの判断を行っ
ているわけです。したがって、ローンを組めない場合も、金融機
関は「ローンを組めない理由はあなたが黒人だからではなく、ス
コアが660点以下であるからです」というように説明ができる
わけです。
 FRBによる住宅ローンの貸出条件のガイドラインというもの
があるので、ご紹介ておきます。各金融機関はこのガイドライン
に基づいて住宅ローンを扱っているわけです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ・過去12か月以内に30日延滞を2回以上もしくは過去24
  か月以内に60日延滞を1回以上
 ・過去24か月以内に抵当権実行、債務免除
 ・過去5年以内に破産
 ・FICOスコア/660点以下
 ・返済負担率50%以上
                  ――倉橋透・小林正宏著
  『サブプライム問題の正しい考え方』/中公新書/1941
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 日本では、サブプライムローンのことを「低所得者向けの高金
利住宅ローン」と説明されていますが、低所得者は多いものの、
所得に見合ったローンであればプライムが適用されることはある
し、高所得者でも背伸びして高額住宅を購入する場合にサブプラ
イムが適用されることがあり、「低所得者向けの高金利住宅ロー
ン」という説明は必ずしも適切なものとはいえないのです。
 このように、サブプライム問題はあくまで米国の住宅ローンの
問題に過ぎないのです。それがなぜ世界中の金融機関を窮地に追
い込み、世界の株式市場を混乱させたのでしょうか。
 FRBによる大幅な金利の引き下げ、無期限・無制限の資金供
給――金融緩和、2007年暮れからの中東・アジアなどの国富
ファンドからの大規模な救済資金の受け入れなどによって、とり
あえず、銀行の取り付け騒ぎや、毀損した資本は回復補強しつつ
あります。
 米国では、住宅ローン――モーゲージという――を組成するこ
とを「オリジネーション」というのです。このようにして組成し
たモーゲージをどうするかについては次の2つがあります。
―――――――――――――――――――――――――――――
           1.組成保有型
           2.組成販売型
―――――――――――――――――――――――――――――
 組成したモーゲージをそのまま保有するのが「組成保有型」で
すが、これが私たちが今までに考えていた住宅ローンのイメージ
です。米国でもそれが一般的だったのです。
 これに対して、組成したモーゲージを投資銀行などに売却して
資金を回収するのが「組成販売型」です。モーゲージバンクがは
じめたのですが、これが新しいビジネスモデルとして注目される
ようになります。この場合、売却されたモーゲージは証券化され
ます。      ――[サブプライム不況と日本経済/10]


≪画像および関連情報≫
 ●ファイコ・スコアについて
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  信用情報スコアとは、信用情報機関から提供される情報を元
  に算出するスコアです。フェア・アイザックは、信用情報ス
  コアリング技術のパイオニアとして、米国で1989年から
  信用情報スコア“”(ファイコ・スコア)を提供しています。
  米国の3大信用情報機関との提携により、ファイコ・スコア
  は米国での業界標準となっています。ファイコ・スコアは、
  米国の住宅ローン審査の75%以上で利用されています。
         http://www.fairisaac.co.jp/solution/gfs/
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「サブプライム問題の正しい考え方」.jpg

posted by 平野 浩 at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | サブプライム不況と日本経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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