ある勢力が金を独占するとどうなるかについて考えてみましょ
う。金鉱山会社全体の時価総額は約600憶ドル、金の市場価格
――民間保有と公的保有の合計は約1兆6000憶ドル、これに
対して民間が保有している現金と金融資産の合計は、世界全体で
150兆ドルを上回るのです。
このように考えると、この世の中で金が占める価値は案外低い
といえます。しかし、ドルやユーロや円で計算されている現金と
金融資産は、いつかこの世から消える運命にあるといっても過言
ではないのです。
株式市場の崩壊やドルの大暴落が起きれば、現金と金融資産は
いつ消えても不思議はないのです。そのときは、今は100分の
1の金融価値しかない金が100倍の価値となって、金が市場の
支配権を握る可能性もあるのです。
もし、本当に世界中の金がある勢力――仮にデル・バンコ一族
に独占されたとすると、デル・バンコ一族は市場を独占し、今ま
で米国が受けていた「法外の特権」を米国に代わって掌中にする
ことになるのです。
現在、米国は膨大な貿易赤字を抱えています。この貿易赤字が
ひどくなったのは、クリントン政権のときです。クリントンが大
統領に就任した1993年から、貿易赤字は毎年著しく増えてい
るのです。1992年には390憶ドルの赤字でしかなかったも
のが、2000年には3600憶ドルになっているのです。なん
と10倍に膨らんでいるのです。
この米国の貿易赤字をどう見るかについてはいろいろな意見が
あります。しかし、金の戦争に米国は敗れたという観点に立つと
その先行きには大きな不安が伴うのです。
「プランチャード・エコノミック・リサーチ」誌は、次のよう
にコメントしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
アメリカがこれほど長いこと巨額の貿易赤字を垂れ流し続けら
るのは、アメリカに輸出することで潤っている国々が、輸出の
受け取り代金の多くをアメリカの株式や財務省証券に投資して
いるからである。しかし、弱気な株式市場と迫りつつある『ハ
ード・ランディング』は、このすべてを変えかねない。現に外
国人は、アメリカの低迷する株式市場に、魅力を感じなくなっ
ている。さらに悪いことに、外国人が財務省証券を大量に保有
しているということは、アメリカの金融システム全体が外国発
のリスクにさらされるということである。財務省証券の外国人
保有者の中には、中国共産党を含む海外の政府や中央銀行があ
る。中国はアメリカを敵国とみなしていながら、アメリカ財務
省証券を1000億ドル以上と、世界で3番目に多く保有して
いる。これは、中国と紛争が起きた際には、アメリカの金融シ
ステムがまっ先に攻撃されるということを意味するものだ。
フェルディナント・リップス著/大橋貞信訳/徳間書店刊
『いまなぜ金復活なのか/やがてドルも円も紙屑になる』
―――――――――――――――――――――――――――――
今や米国の国債を大量に有している国は日本だけでなく、中国
が際立っているのです。米国からすれば、日本は大丈夫だが、中
国が大量に米国債を有していることには大きな不安を持つ人が多
いのです。
2000年12月5日の米国下院におけるトラフィカント議員
の発言もその不安を訴えています。
―――――――――――――――――――――――――――――
議長、アメリカの9月の貿易赤字は、350億ドルに達しまし
た。たった1カ月だけで、350億ドルです。このままいけば
アメリカの一年間の貿易赤字は4200億ドルになります。も
しこの状況が続けば、1929年の大恐慌が、自動車の接触事
故くらいにしか思えないほどひどい恐慌が発生するでしょう。
さらにひどいことに、現在中国は1000億ドルの現金をアメ
リカから持ち去り、ミサイルを購入して、われわれにその照準
を合わせているのです。われわれは何と愚かなことでしょう。
レーガン大統領が共産主義をほぼ壊滅させたのに、クリントン
政権は共産主義に再投資し、今や援助すらしているのです。
――フェルディナント・リップスの前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
海外から一年間で4000億ドル以上を借り入れることなどで
きないのです。そういう意味で米国の貿易赤字は既に限界に達し
ているということができます。
既出の鬼塚氏によると、1999年9月26日のワシントン合
意において金の戦争には決着が着いたといっています。勝者と敗
者が明らかになったのです。勝者はCOMEXを閉じなければな
らないでしょう。しかし、いくらリアルの金を独占しても、バー
チャルな金が動いているのです。COMEXでは、1日に800
トンから1000トンを超えるバーチャルの金が取引されている
のです。これを一度につぶすのは困難であり、徐々にそれを行う
必要があります。
具体的にいうと、相当巨額の資金を投入して金の価格を下げて
金デリバティブを弱体化させる――これを行う必要があります。
鬼塚氏によると、「ある種の法を無視したマネーロンダリング後
の大金が勝者暗黙の了承のもとに流れている」とまでいっている
のです。
鬼塚氏はさらに大胆な推理を展開します。そこで使われたとみ
られる大金とは、ドイツ連銀の金ではないかと見られています。
金の戦争の敗者である金デリバティブのディーラーたちは、ドイ
ツ連銀の金を秘密裡に米財務省から受け取り、金デリバティブの
規模を縮小させるため、使われたと考えられます。
それは、ワシントン合意の前であり、チェース・マンハッタン
とJPモルガンの合併の直前であるというのです。
これに加えてさらに巨額のドルが、2000年から2004年
にかけて使われているのです。 ―[金の戦争/45]
≪画像および関連情報≫
●離れたくても離れられない中国とドルの関係
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中国の政府高官であるファン・ガン氏が、巨額のドル保有を
リスクと発言した背景には、人民元が今後も元高となるだろ
う、との市場関係者の見通しがあります。10月10日の人
民元レート(基準値)は、1ドル=7.9128元となり、
1年前のレートと比べると2%程度上昇しています。中国の
貿易黒字が高水準を維持していることや、中国政府が中国内
での人民元の流通量を抑制する方針を強めていることなどか
ら、今後も人民元レートは、緩やかなペースで上昇を続ける
との見方が市場関係者の間で強まっています。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1012&f=column_1012_005.shtml
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2008年08月11日
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