米国が金本位制に復帰する――この噂がかなり前から根強く出
ているのです。いかにも荒唐無稽な考え方ですが、火のないとこ
ろに煙は立たずで、調べてみる価値はあると思ったのです。私が
今回のテーマを取り上げたのは、それが果たして実現可能である
かどうかリサーチしてみたいと思ったからです。
既出の上武大学教授高橋靖夫氏は、米国の金本位制復帰につい
て、次のように述べています。
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私は金価格は1500ドルまで高騰し、そのタイミングで米国
が金本位制復活を宣言すると見ている。ブッシュ政権中に実行
される確率は高いが、仮に次期大統領がマケインでも、あるい
は民主党政権になっても、いずれ実行されるはずだ。なぜなら
巨額の赤字とドルの権威失墜を防ぐ解決策はほかにないからで
ある。そして、強いドルが復活すれば、日本や欧州の優良企業
のM&Aも容易になる。 ――高橋靖夫教授
――「SAPIO」/2008.4.9日号
―――――――――――――――――――――――――――――
考えてみると、金を通貨とした歴史は2000年以上に及ぶの
に対して、変動相場制などはわずか40年でしかないのです。そ
れにニクソン・ショックがそうであったように、制度変更による
外交戦略は米国の得意わざであり、日本は何度も痛い目にあわさ
れているのです。何の相談もなく、いきなりやってくるのです。
米国には金本位制信奉者が少なくないのです。その一人に、前
FRB議長のアラン・グリーンスパンがいます。あのフェルディ
ナント・リップスは、グリーンスパンがFRB議長だったときに
次のようにいっています。
―――――――――――――――――――――――――――――
今日、中央銀行のトップで、金本位制ならびに金の役割につい
て完璧に理解しているという点では、FRB議長のアラン・グ
リーンスパンの右に出る者はいないであろう。
フェルディナント・リップス著/大橋貞信訳/徳間書店刊
『いまなぜ金復活なのか/やがてドルも円も紙屑になる』
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グリーンスパンはつねに「システミックリスク」について警告
をしています。そして、システミックリスクは金本位制の規律の
下では起こらないといっていたのです。
1999年5月のイングランド銀行が金の売却を発表したとき
グリーンスパンは次のようなコメントを発表しています。
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アメリカは金準備を維持すべきである。金は依然として世界の
究極の支払い手段なのである。ナチス・ドイツは1944年に
なっても物資を調達できたが、それも金で支払っていたからで
ある。非常時には誰も不換紙幣を受け入れないが、金は常に受
け入れられるのだ。
フェルディナント・リップス著/大橋貞信訳/徳間書店刊
『いまなぜ金復活なのか/やがてドルも円も紙屑になる』
―――――――――――――――――――――――――――――
米国が金本位制に復活するという噂が現実味を帯びるのは、米
国の圧倒的な金の保有量なのです。通貨制度を金本位制に戻すに
は、大量の金が不可欠であるからです。
しかし、一方において米国の金は既にないと主張する人もいま
す。それは、米国がデル・バンコ一族が仕掛けた金の戦争に米国
――FRB、IMF、財務省が敗れたからだというのです。
1999年11月19日に、パリで開催されたワールド・ゴー
ルド・カウンシル(WGC)の会議で、ユーロに理論的な根拠を
与えてノーベル賞を受賞したロバート・マンデル教授は次のよう
に述べているのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
ここに出席された皆さん、ついに中央銀行は、私たちの軍門に
くだり、持っていた金のほとんどを放出しました。私たちは、
中央銀行が高い時に売却しない方針を徹底的に貫かせた、デル
・バンコの一族に敬意を示そうではないですか。あとほんの一
年で、20世紀も終わります。今日、この日こそは世界の金の
これからの未来を語る日なのです。デル・バンコ一族は、私も
その末裔の一人ですが、ここに金の独占に成功しました。そろ
そろ私たちは、中央政府に「金を安く買って、高く売るよう政
策を改めよ」と進言します。しかし、皆さん、中央政府は安く
買おうにも、その金がないことにやがて気がつきます。どうし
てか。デル・バンコ一族が、金の独占化をほぼ達成したからで
す。今日はその祝福すべき日です。祝杯を上げましょう。
――鬼塚英昭著、『日経新聞を死ぬまで読んでも解らない/金
の値段の裏のウラ』/成甲書房刊
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ロバート・マンデルといえば、「マンデル・フレミング・モデ
ル」で知られるカナダ出身の通貨の専門家ですが、そのマンデル
の話す内容にはわからないことが多いです。そもそもWGC――
ワールド・ゴールド・カウンシルとはどういう会合なのか、その
正体は不明です。まるで何か秘密結社の会合での話のようです。
なお、昨日のEJで、金の保有量のデータについて書きましたが
そのデータの出所も「WGC」となっています。
しかし、マンデルは自らデル・バンコ一族の末裔と語り、「デ
ル・バンコ一族は金の独占に成功した」と語っているのです。つ
まり、デル・バンコ一族が金の戦争に勝利し、各国の中央銀行の
金庫には、既に金などないという意味なのでしょうか。
もしかすると、マンデルがここでいう中央銀行とは、カナダの
中央銀行である可能性があります。なぜなら、カナダの中央銀行
は15年間にわたり金を売却し続けたからです。
はっきりしていることは、ここまで述べてきた通り、デル・バ
ンコ一族が長い年月をかけて、各国の中央銀行に働きかけて、金
を集めていたことです。 ―[金の戦争/42]
≪画像および関連情報≫
●ロバート・マンデルとは何者か
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ロバート・マンデル教授は、1932年に年カナダに生まれ
マサチューセッツ工科大学およびロンドン・スクール・オブ
・エコノミックスを卒業し、1956年にマサチューセッツ
工科大学から博士号を取得しました。教授は、各国の著名な
大学で教壇に立たれているだけでなく、国連、IMF、世界
銀行、連邦準備制度理事会、アメリカ財務省、欧州委員会等
多くの機関やカナダ、南米そしてヨーロッパ諸国において政
府のアドバイザーをつとめており、現在は人民元に関して中
国政府のアドバイザーをつとめております。
http://www2.chuo-u.ac.jp/econ/anniversary100/special_lecture/history.html
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2008年08月06日
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911のときにWTCの地下から金が運びだされただとか、日銀の地下金庫の「金」は空だとか、いろいろ聞こえてきていたのが、なんだか気になりだしました。
blogのバックナンバーは読みづらいケースが多いので参照用のサイトを作成してみました。
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