2008年07月22日

●「レーガン政権と金本位制」(EJ第2372号)

 ブレトンウッズ体制の中から生まれた次の2つの機関――「世
界銀行」と「国際通貨基金/IMF」――これらの機関の本来の
役割については疑問符がつくのです。
 既に述べたように、世界銀行についてはその総裁は米大統領が
決めるという不文律があり、IMFの総裁については今までヨー
ロッパ人がなってきています。こういう関係からIMFについて
は、デル・バンコ一族の巣食う民間シンジケートであるといわれ
ているのです。
 これら2つの機関は公的な面と闇の面があって、いかなる政府
も司法もこの機関に法的に干渉できない――アンタッチャブルに
なっているのです。だからこそこれらの機関は本来の役割から離
れたことをやっていても現在でも生き残っているのです。
 1980年11月――この年の大統領選で、当時カルフォルニ
ア州知事であったロナルド・レーガンが、ジミー・カーターを破
り、大統領になっています。実は、このレーガンという大統領は
きわめて問題のある大統領であったのです。
 レーガンの選挙戦を仕切り、彼を大統領にしたのは、次の2人
だったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
      1.ジョージ・プラッツ・シュルツ
      2. キャスパー・ワインバーガー
―――――――――――――――――――――――――――――
 この2人は当時、サンフランシスコに本拠を構える全米第3位
の多国籍総合エンジニアリング会社ベクテル社の社長と副社長の
職にあり、ベクテル社はレーガン大統領選挙キャンペーンに大口
の寄付をしていたのです。しがって、レーガン政権は、このベク
テル社に強い影響を受けることになったのです。
 その証拠に、シュルツはレーガン政権発足一年半後に、国務長
官になっていますし、ワインバーガーは政権発足と同時に国防長
官に就任しているのです。
 このベクテル社――国際事業に参加するのですが、一度も赤字
を出したことがないのです。そのからくりはこうです。たとえば
最貧国で巨大なダム工事をベクテル社が提案すると、そこに輸出
入銀行、世界銀行、IMFが加わり、工事代金を保証する――し
たがって絶対に赤字は出ないのです。
 さて、レーガン政権の財務長官に就任したのは、やはりベクテ
ル系のドナルド・T・リーガンです。彼は、メリル・リンチ社の
会長からの入閣です。1981年6月にリーガン財務長官は「金
委員会」を設置し、17人の委員が選ばれたのです。何のために
かというと、レーガン大統領の要請によって、金本位制復活の可
能性を研究するための委員会だというのです。
 レーガン大統領主導の金委員会というのは有名な話ですが、既
出の鬼塚氏はこの説は間違いではないかといっています。その根
拠は次の通りです。
 1981年当時の米国の金地金(貨幣用金)の保有量は公表に
よると約8000トン。米財務省とIMFから大量の金が放出さ
れているはずであるので、これだけの金があったかどうかは疑問
ですが、これが正しいとしても、この量は1949年のピーク時
の3分の1であり、世界中の中央銀行が保有する貨幣用金の約4
分の1でしかないのです。
 1981年の平均的市場価格「1オンス=460ドル」で計算
すると、1200億ドル――しかし、米国の外国への債務はこの
時点で3000億ドルを超えていたのです。
 各中央銀行の持つ貨幣用金の4分の1しかない状態で金本位制
を復活するには無理があります。何しろニクソン大統領が金流出
を心配していたときでさえ、金は1万トンをはるかに超えていた
からです。8000トンの金では少な過ぎるのです。
 この金委員会の委員17人は、国会議員、FRBの代表、一流
の経済学者、金市場で活動する人などで構成されていたのですが
そのほとんどの人が金本位制に反対したのです。しかし、次の2
人の委員は賛成したのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
   ロン・ポール   ・・・・・ 共和党下院議員
   ルイス・ラーマン ・・・・・     実業家
―――――――――――――――――――――――――――――
 このうちのロン・ポール議員は、現在もテキサス州出身の共和
党の下院議員であり、2008年の大統領候補として立候補して
いたのです。ロン・ポール議員は、2007年2月に「ドル覇権
の終焉」というタイトルで議会で演説しています。
 このロン・ポール議員の演説の要約は、副島隆彦氏の次の著書
に詳しく出ているので、参照していただきたいと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――
   副島隆彦著
   『ドル覇権崩壊/静かに恐慌化する世界』/徳間書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 金は全世界に9万5000トンあるといわれます。しかし、こ
れは90年間にわたって蓄積されたものなのです。1980年の
金の生産量は1250トンであり、それは次のように消費され、
金塊としてストックされるのはたったの300トンなのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    宝石関係 ・・・・・・・・ 750トン
    工業・歯科治療関係 ・・・ 200トン
    コイン/メタル/金塊 ・・ 300トン
―――――――――――――――――――――――――――――
 金とはかくも貴重なものなのです。その貴重な金を1970年
代に米国は安値で、しかも、在庫が底をつくほどの量を放出した
のです。その目的はどこにあったのでしょうか。
 もともとIMFは金本位制に賛成だったのです。だからこそ、
IMFへの寄付金のうち25%を加盟国に対して金での提出を要
求したのです。           ――[金の戦争/31]


≪画像および関連情報≫
 ●ロン・ポール議員の演説より
  ―――――――――――――――――――――――――――
  正直な交換には真の価値ある物だけが必要であるという経済
  学の法則は破棄できない。全世界規模の不換紙幣という我々
  の35年間の実験の結果として起こる混乱状態は、真の価値
  あるマネーへの回帰を必要とする。我々は産油国が石油の対
  価としてドルやユーロではなく、金又はそれと等価なものを
  要求する日が近づいていることを知ることだろう。それはよ
  り早期であることが望ましい。
      ――ロン・ポールの演説より/2006.2.15
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/6365844b04c75b5883575a959db93d7b
  ―――――――――――――――――――――――――――

ロン・ポール議員.jpg
posted by 平野 浩 at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 金の戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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