ジションにつけています。しかし、電気代を筆頭に諸物価が高騰
し、国民の生活は苦しくなっています。高インフレに襲われてい
る米国はFRBによる利上げが続いていて、日米の金利差の拡大
によって円安が定着しています。「インフレ(物価高)と安い日
本」──多くの日本国民はこれをマイナスとしてとらえていて、
政府にさらなる支援を求めています。
しかし、2023年は、IMFの予測では、G7では日本の経
済成長率はトップと予想されており、政府としての舵取りを間違
えなければ、日本経済はかなり成長する可能性があります。
黒田日銀総裁の目指す2%の物価上昇は、まだ達成されていま
せんが、日本経済は長い間なかった3%程度のインフレになって
おり、状況は変化しつつあります。
いわば千載一遇のチャンスが巡りつつあるといえますが、岸田
内閣は「防衛増税」をはじめとする増税を持ち出し、そのせっか
くのチャンスをブチ壊そうとしています。
そこで気になるのが、日銀新総裁の人事です。しかし、13日
と14日の2日間、EJで検討した結果、植田和男新総裁は、当
面は黒田路線を継続するということなので、適切な人選であった
と評価できると思います。
問題は、岸田内閣自身です。岸田首相は聞く力を標榜していま
すが、防衛増税などは独断で決めています。そのため、相変わら
ず支持率が低迷していますが、本人はなぜ支持率が低いか、きっ
とわかっていないと思います。
ところで、女性誌『女性自身』が「岸田政権で最も期待できな
い閣僚」のテーマでアンケートを実施し、約501人の男女から
回答を得ています。ベスト5は次の通りです。
─────────────────────────────
◎岸田政権で最も期待できない閣僚
第1位:岸田文雄 ・・・ 244票
第2位:高市早苗 ・・・ 42票
第3位:河野太郎 ・・・ 39票
第4位:林 芳正 ・・・ 31票
第5位:浜田靖一 ・・・ 15票
─────────────────────────────
驚くなかれ、第1位は岸田総理大臣で、その得票は全投票数の
約50%を占めるダントツの244票を集めています。なぜ、そ
うなるのか、実際の国民の声は次のようになっています。
─────────────────────────────
・「景気が増税できるほどに回復していないのに、増税しようと
しているから」(10代男性・学生)
・「国民の生活や将来や今の状況をわかってない」(50代女性
・専業主婦)
・「国民に寄り添う力も聞く力も決断する力も何もない。増税な
どを決断するのはやたらと早い」(60代女性・専業主婦)
・「何が『聞く力』だ。国民の声なんて、何一つも聞いてない。
ニュースで、顔を観るのも嫌」(40代女性・会社員)
・また2月9日にはフィリピンへ2年で6000億円の官民支援
を約束したばかり。国民の生活負担が増えるなかでの”海外支
援”に対する不満の声も少なくない。
・「外国にばかりいい顔をして国民には増税を迫るから」(30
代女性・専業主婦)
・「国民のためになるようなことは検討に検討を重ね、防衛増税
はさっさと決める。外国人を大切にして国民を守る気がない」
(30代女性・医療従事者) https://bit.ly/3YrEeXR
─────────────────────────────
確かに、岸田首相の物事の決め方を見ると、「聞く耳を持つ」
といいながら、国民にとっては、十分検討し、慎重に決めて欲し
いことは自ら速断し、すぐに実行して欲しいことは、検討に検討
を重ね、国民にとって不満足な形で実施するか、なかなか実施し
ようとしないところがあります。だから、「検討使(遣唐使)」
といわれるのです。
振り返ってみると、安倍元首相の国葬に始まり、防衛費増額に
伴う防衛増税、原発再稼働・新設などのエネルギー政策大転換は
「令和の真珠湾攻撃/トラトラトラ」と揶揄されるほど速断して
いますが、統一教会問題、少子化対策、LGBT問題などは相当
な時間をかけています。
ところで、2023年以降の日本が明るいという根拠の一つと
して、2022年度の設備投資動向計画(修正計画)において、
全産業の投資額が前年度実績25・1%増の30兆8048億円
となり、2007年度以来、15年ぶりに過去最高を更新してい
る事実があります。つまり、設備投資が急増しているわけです。
─────────────────────────────
◎設備投資修正計画(▲は減)
社数 A B C
全 産 業 950 308048 0・4% 25・1%
・ 製造業 525 186909 1・1% 28・2%
・非製造業 425 121139 ▲0・7% 20・6%
海外投資額 578 35202 1・4% 41・3%
註:A/2022年度修正計画(億円)
B/ 当初計画比増減率
C 21年度実績比増減率
─────────────────────────────
けん引しているのは製造業で、1・1%増と2年連続プラスに
なっています。その投資額は18兆6909億円と前年度実績比
28・2%増で、1988年以来34年ぶりの高い伸び率である
といえます。しかし、非製造業は伸び悩んでいます。その修正率
は0・7%減と、3年連続のマイナスです。コロナの影響で設備
納入が遅れ、工期遅延が生じているからです。
──[メタバースと日本経済/023]
≪画像および関連情報≫
●「検討おじさん」岸田氏の経済政策が空中分解の訳
───────────────────────────
やろう、これをやろうと検討しながら、なかなか実行に移
さない。このことは、「新しい資本主義」ほど当てはまるも
のはないだろう。
具体的には、1)日本の企業と国民間にある所得配分を是
正することによって消費者の購買力を高める、2)日本が高
度成長期のように多くの起業家を生み出すことで生産性上昇
を加速させる、というどちらの計画についても、数カ月にわ
たる検討の末、政府は中途半端な姿勢を示している。
関係者によれば、岸田首相らはこれらの目標に対して真摯
に取り組んでいるという。だが、同首相はどんな問題でも抵
抗勢力に出会うと、たいてい引き下がってしまう。本稿では
前者の再配分について、現在どのような状況にあるのか検証
する。
20年以上にわたって、日本政府は日本の所得配分の偏り
に大きな役割を果たしてきた。法人に対する税金を1994
年の最高税率52%から現在の30・6%まで引き下げる一
方で、消費税を通じて国民には増税してきた。これが、消費
者の需要、つまりGDPの成長が鈍い主な理由のひとつであ
る。データを見てみよう。1995年から2022年まで、
非金融企業の税引き前利益はGDPの6%から17%近くま
で急増している。それは、賃金の緊縮と金利の引き下げが重
なったためである。 https://bit.ly/3xiXgUy
───────────────────────────
迷走を続ける岸田内閣