2023年01月04日

●「朝生で激論/今年の日本はどうなる」(第5885号)

 このEJは、元旦特別号を除いて、2023年はじめてのEJ
になります。今年もEJをよろしくお願い申し上げます。
 例年の私の習慣ですが、新年は「朝まで生テレビ」は録画して
元旦の午後見ることにしています。しかし、今年の朝生は、録画
はしたものの、徹夜になってしまいましたが、最後まで全部生で
見ました。今年の朝生のテーマは次の通りです。
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  ◎朝まで生テレビ「元旦SP」/テレビ朝日
   2023年1月1日(日)01:45〜05:5
    『2023年の日本は良くなる?悪くなる?』
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 なぜ、生で見たかというと、新年のEJのテーマに関係がある
と思ったからです。出演者は、片山さつき、小川淳也、小幡績、
小林慶一郎、駒崎弘樹、田内学、たかまつなな、デービッド・ア
トキンソン、藤井聡、三浦瑠麗、森永卓郎、藤川みな代、そして
田原総一朗の各氏です。今年のテーマに関する視聴者からのメッ
セージの結果は次の通ります。
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      今年の日本は良くなる ・・ 14%
      今年の日本は悪くなる ・・ 85%
             その他 ・・  1%
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 「今年の日本は悪くなる・・85%」──今年の日本、何とも
暗い結果になっています。岸田政権に対する国民の強い不満があ
るようです。大きな話題になっている防衛費の増額について岸田
首相は増税を含む財源確保を強引に打ち出す一方で、日本にとっ
て喫緊の課題である少子化対策の財源に対して、あえて曖昧にし
ています。これにはウラがあります。
 防衛費の財源について「消費増税」に言及しなかったのは「消
費税は社会保障の財源である」といってきた手前、いえなかった
のです。しかし、少子化対策としての消費増税なら矛盾しないと
いうことで、岸田内閣は必ず財源の一部として、消費増税を訴え
てくると、経済評論家の森永卓郎氏はいっています。
 今年の朝生のパネラーの一人として、小林慶一郎氏というマク
ロ経済学者が出演しています。シカゴ大学大学院博士課程を修了
して、現在は、東京財団政策研究所研究主幹を務めています。日
本の財政は危機的であり、その膨大な借金を何とかしなければい
けないと主張しており、財務省の考え方とそっくりです。EJで
は、MMT(現代貨幣理論)をテーマに取り上げたさいに、小林
慶一郎氏の主張を対論として紹介しています。小林氏は、「オオ
カミ少年といわれても毎年1冊は財政危機の本を出していくつも
り」というぐらい、日本の財政については強い危機意識をもって
いる経済学者です。
 小林氏は、朝生の議論のなかで、日本の現代の若者は、日本の
膨大な借金に不安を持っており、近い将来財政破綻が起きるだろ
うと不安に思っているので、安心して投資もできない、結婚もで
きないと思っている。したがって、これを解決することが何より
も重要であると主張しています。
 これに対して、経済評論家の森永卓郎氏は、この小林氏の主張
に対して、次のように真っ向から反論しています。
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 2020年度でいうと、政府が1600兆円の負債をかかえて
います。その一方で、1100兆円の資産を持っており、その7
割は金融資産なんです。つまり、日本の純債務は500兆円しか
ない。GDPとほぼ同額の債務であるなら、先進国ではほぼ並み
の水準です。しかも、日本の場合、日銀が大量に国債を持ってい
て、それが500兆円ぐらいになる。日銀が国債を保有した瞬間
に借金は消えるんです。ということは、日本は、完全に無借金に
なっているのです。にもかかわらず、財務省は増税を続けようと
している。         ──森永卓郎氏の朝生の発言より
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 小林慶一郎氏の発言に対する痛烈な反論です。しかし、当の小
林氏は、ご自身の主張が間違いであるといわれたのにもかかわら
ず、それに対して何も反論しないし、他のパネラーからも、森永
氏の主張に対する反論はなく、別の話題に移っています。まとも
に反論しても森永氏に勝てないからです。
 正確にいうと、普通国債残高は、2022年度末には1029
兆円になるといわれています。GDPの約2倍です。重要なのは
これを「国の借金」と呼ぶことです。これは、正しくは、日本政
府の借金であり、これに地方政府の借金である地方債の約200
兆円を加える必要があります。それに、国の借金というときは、
それに対応する資産についても言及する必要があります。実際に
財務省は借金の額だけを強弁し、資産に関しては一切ふれようと
せず、国民一人当たり約1000万円を超える借金と強弁し、国
民を不安におとしいれています。だから、森永氏は、財務省とい
うカルト宗教に近い役所を廃止せよとまで、朝生において発言し
ているのです。
 しかし、本当に日本は膨大な借金を抱えて、もうどうにもなら
ない状態なのでしょうか。
 そんなことは、けっしてないと思います。しかし、それには成
長戦略が必要ですが、それは、インターネットの次といわれる宇
宙産業や量子コンピュータなどに代表される次世代コンピュータ
の領域ではなく、メタバースがあります。その理由については、
明日から述べていきますが、2023年の最初のテーマのタイト
ルは次のようにしたいと考えています。
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     メタバースと日本経済の関係について考える
     ─コンテンツ大国としての強みを生かす─
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           ──[メタバースと日本経済/001]

≪画像および関連情報≫
 ●田原総一朗氏「だったらこの国から出て行け!」 朝生で出
  演者に激高
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   2023年1月1日に放送された討論番組「朝まで生テレ
  ビ!」(テレビ朝日系)で、司会の田原総一朗氏が共演者に
  「スタジオから出て行け!」と激高する一幕があった。「本
  当は日本は良くなると思ってるの、思ってないの?」
   大晦日に放送された「朝まで生テレビ!/元旦スペシャル
  〜激論!ド〜する?!/日本再興2023〜」とする約4時
  間の拡大生放送でのひと幕だ。
   司会の田原氏と激論を繰り広げたのは、ジャーナリストと
  して活動するお笑いタレントのたかまつななさん。「日本は
  立て直せる?」とするトピックについて、出演者が番組に出
  演するパネリストらの顔ぶれが長年変わらないことについて
  問題提起したシーンだ。田原氏はたかまつさんなど若いパネ
  リストが出演していることについて触れ、「彼らなんて若い
  じゃない」と発言した。
   もっと若い人に発言させるべきとする指摘が上がったとこ
  ろで、たかまつさんは「発言させてください」と手を挙げ、
  「私は(『日本は立て直せる?』とする質問に対し)「×」
  にしたんですけども、理由としては日本社会でもう諦めがは
  びこってると思うんですね」と切り出した。
                  https://bit.ly/3GxhAXx
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森永卓郎氏.jpg
森永卓郎氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メタバースと日本経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする