2021年11月26日

●「クリプトキティ/ダップスの創始」(第5621号)

 LINEの「LINKチェーン」の話の続きです。土台に「L
INKネットワーク」(LINEブロックチェーン)があって、
その上に「LINKフレームワーク」があります。
 LINKフレームワークは、ログイン時の自動ウォレットの作
成や秘密鍵の安全管理を行うとともに、LINKチェーン上のプ
ラットフォームとして、各種ダップス(dApps) の開発基盤とし
て機能しています。
 さて、またしてもダップス(分散型アプリケーションdApps)
です。LINEは自社開発のダップスに加えて、開発キットなど
を提供し、他社開発のダップスも受け入れ、サービスの多様化を
図ろうとしています。2020年10月1日現在、次の8種類の
ダップスが登録されています。
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 1.「Knight Story」 ・・・・・ モバイルRPGゲーム
 2.「linksign」 ・・・・・・・・・ 電子契約サービス
 3.「aFan」 ・・・・・・・・・・ ソーシャルメディア
 4.「リーグオブキングダム」 ・・・ ММO戦略ゲーム
 5.「CryptoDozer」 ・・・・・  コインプッシュゲーム
 6.「SOMESING」 ・・・・・・・ ソーシャル・カラオケ
 7.「Theta.tv」 ビデオストリーミングプラットフォーム
 8.「Crypto Sports」 ・・・・・・  スポーツ・ゲーム
                 https://bit.ly/32jYmmB
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 「ダップス/dApps)」 について復習します。ダップスが分散
型アプリケーションといわれるのは、中央集権的なサーバーが存
在せず、そのネットワーク(ブロックチェーン)に参加している
全コンピュータが、アプリケーションを動かしているところにあ
ります。中央集権機構のない分散型の仕組みです。
 こういうことをいうと話がややこしくなりますが、「ビットコ
インは最初のダップスである」ということができます。ビットコ
インは、暗号資産であり、決済手段としての特徴のみが注目され
ますが、PCやスマホなどの電子機器にインストールするアプリ
ケーションであるという見方もできます。この見方に従うとビッ
トコインはオープンソースであり、ブロックチェーンでその記録
が保存されるため、ビットコインはアプリケーションのなかでも
ダップスであるということができます。こういってしまうと、す
べての暗号資産はダップスであるということになってしまいます
ので、いわゆる暗号資産──ピッコインやイーサリアムとダップ
スは、分けて考えたほうがわかいやすいと思います。
 ここで大変有名なダップスの例をご紹介します。イーサリアム
のダップスの1つで、リリースされたのは2017年11月28
日のことです。
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     ◎猫を育てる育成ゲーム
      「クリプトキティ(Cryptokitties)」
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 どんなゲームかというと、オンラインで猫を買って育て、猫同
士を交配させることで、希少度の高い猫を産ませると、イーサリ
アムの暗号通貨「イーサ/ETH」建てで販売することができま
す。猫の希少度により販売するときの価格が変わるため、珍しけ
れば珍しいほど高い価格で取引されるのです。
 まず、始めるのに何をすればよいか、少し具体的に書きます。
このことを知ると、LINEユーザーがLINEのダップスを利
用することがいかに便利であることがわかります。
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     1.国内暗号資産取引所で口座を開設する
     2.ウォレットを作り、登録手続きを実施
     3.国内取引所においてイーサを購入する
     4.イーサを自身のウォレットに送金する
     5.ウォレットと、クリプトキティの同期
     6.クリプトキティで猫を物色し購入する
─────────────────────────────
 猫にはそれぞれ価格がついており、他の猫と交配させることに
よって変種を生み出すことができれば、その猫は高値で売買する
ことができます。ちなみに、クリプトキティには、雄と雌という
概念はないことになっています。
 このクリプトキティというゲームには、次の3つの重要な特色
があります。
─────────────────────────────
     1.ダップスの先駆的な存在であること
     2.シンプルなゲームで性を備えている
     3.NFTゲームの先駆的な存在である
─────────────────────────────
 このゲームがリリースされたのは、2017年11月のことで
あり、ダップスやNFTの概念があまり知られていないときだっ
たので、新しい技術への期待から、多くの人がこのゲームに熱中
したといわれます。
 しかし、当時ダップスの存在を知っていたのは、一部の専門家
だけだったと思います。ブロックチェーン上のゲームといわれて
もピンとこなかったのは当然といえます。
 なお、「NFT」という概念は、少していねいな説明が必要な
ので、来週のEJで改めて述べるとして、なぜ、流行ったかにつ
いては、そのシンプルなゲーム性につきます。
 猫を売買、交配して自分だけの猫を集めるという、育成・コレ
クト型のゲームであり、目的やゴールがなく、売買と交配のみを
行うゲームで、シンプルなゲーム性となっているため、普段ゲー
ムをプレイしない人でも簡単に遊ぶことができます。また、猫の
可愛いイラストなども相まって幅広い方から人気を集めたものと
思われます。
             ──[デジタル社会論V/075]

≪画像および関連情報≫
 ●DApps(自律分散型アプリケーション)とは。活用事例や
  金融分野の動向を探る
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   仮想通貨に興味がある人はDApps(ダップス) という言葉
  を一度は耳にしたことがあるかもしれません。現在は多くの
  分野でダップスが開発されており、オクトノット編集部では
  各業界から注目を集めているダップスのことを詳しく調べて
  みました。活用することのメリット・デメリットだけでなく
  今後金融業界のどのような分野で活用できそうなのか詳しく
  見ていきましょう。
   ダップスとは、Decentralized Applications を省略した
  ものです。中央管理者(企業や団体といったサービスを提供
  する主体)なしに提供される、自律分散型アプリケーション
  です。主にブロックチェーン上でスマートコントラクトを利
  用し作動します。
   ブロックチェーンとは、ネットワークに参加している人達
  が同一内容のデータを持っていて、取引の内容を参加者全員
  が見られるシステムです。チェーンでブロックをつないでい
  くようにデータを保存します。
   また、スマートコントラクトとは、ブロックチェーンの取
  引に関してあらかじめ決められたルールにより、自動的に実
  行されるプログラム。つまり、皆さんが使うスマホアプリや
  その機能そのものですね。これにより、アプリ内のデータ安
  全性と整合性が保たれます。   https://bit.ly/3FCqWhB
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ダップス.jpg
ダップス
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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