とにします。
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◎「イカゲームコイン」運営者が逃亡、時価総額60億ドル
が蒸発
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ネットフリックスの人気ドラマ「イカゲーム(Squid Game)」
にインスパイアされて作られた暗号通貨の価格が11月1日に暴
落した。ニュースサイトギズモンドは、このプロジェクトの背後
にいる詐欺師たちが、推定210万ドル(約2億4000万円)
を持ち逃げしたと報じている。コインマーケットキャプのデータ
によると、10月20日に発行されたスクイッドゲームトークン
と呼ばれる暗号通貨の価格は一時、2861ドル以上に達したが
11月1日早朝(米国時間)に急落し、15分間で約60億ドル
の時価総額が失われた。
スクイッドゲームトークンの開発者は、11月に開催予定のイ
カゲームのビデオゲームのトーナメント内で、この通貨を使える
ようにすると述べていた。しかし、彼らは突然プロジェクトを停
止し、Tornado Cash と呼ばれるプロトコルで取引の詳細を隠し
た上で、約250万ドル相当のバイナンスコインを現金化したこ
とがウォレットの動きから判明し、暴落が発生した。
──2021年112日付、ヤフージャパン!ニュース
https://bit.ly/3wkKQu5
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この記事を読んでも、色々なことが書かれていて、何が起こっ
たのかいまひとつピンとこないと思います。話を整理することに
します。
まず「イカゲーム」というのは、ネットフリックス韓国ドラマ
で、9月17日に配信が開始されると、ネットフリックス全米第
1位を獲得し、配信後ほぼ1か月で、全世界1億4200万世帯
が視聴し、94か国でランキング1位を記録。ネットフリックス
創設以来最大のヒット作品となったのです。
この「イカゲーム」の人気にインスパイアされて10月20日
に発行された「スクイッドゲームトークン」という名の暗号通貨
の価格が2861ドル以上に上昇したが、11月1日早朝(米国
時間)に急落し、15分間で約60億ドルの時価総額が失われと
いうのです。
これは明らかに詐欺ですが、ここで注目すべきは、「スクイッ
ドゲームトークン」という名の暗号通貨です。この「トークン」
というのはいったい何でしょうか。
ここからは、また少しわかりにくい話になります。トークンの
一般的な意味は、次の通りです。
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◎トークン(Token)
しるし、象徴、証拠、記念品、形見、証拠品、地下鉄・バス
料金などに用いられる代用貨幣、商品との引換券のこと
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現実の世界で、トークンに一番近いものといえば、ポイントで
あるといえます。ポイント自体をお金に換えることはできません
が、ポイントを発行している各サービス元が提供している商品や
サービスをポイントを使って買うことができます。
このようにポイントは理解できますが、仮想通貨の世界におけ
るポイントというべきトークンとは一体何かというと、少し頭が
混乱してきます。なせなら、トークンがお金の代わりに利用でき
るものであるならば、仮想通貨自体もトークンということになっ
てしまうからです。
しかし、仮想通貨の世界では、仮想通貨とトークンは微妙に境
界線を設けて区別して使用されています。仮想通貨もトークンも
どちらも通貨としての性格を帯びますが、そのブロックチェーン
に違いがあるのです。
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◎仮想通貨
独自のブロックチェーン上で発行・流通されている
◎トークン
既存のブロックチェーン上で発行・流通されている
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ビットコインやイーサリアムは、独自の専用のブロックチェー
ンを有しています。つまり、それぞれオリジナル技術に基づくブ
ロックチェーンです。
しかし、トークンは、オリジナル技術ではなく、既存のブロッ
クチェーン上で発行されるのです。つまり、トークンは、間借り
してお店を出しているイメージです。例えば、ビットコインのブ
ロックチェーンを利用したり、イーサリアムのそれを利用して発
行しているのがトークンです。
それではトークンは、どういう目的で発行されているのでしょ
うか。それは、企業の資金調達のためです。企業としては、トー
クンは、株式よりも簡単に、安価で、発行することが可能だから
です。ですから、企業としては、何とかしてトークンを発行した
いと考えています。
トークンを発行して資金調達をする方法を「ICO」というの
です。ICO(新規仮想通貨公開)とは次の英語の略です。
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◎ICO/新規仮想通貨公開
Initial Coin Offering
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要するに、ICOとは、企業が仮想通貨を発行し、それを公開
し、購入してもらうことで、資金調達を行う方法です。株式を公
開するIPOに比べると、ICOはきわめて簡単に資金を集める
ことができるので、多くの企業が利用しているのです。
──[デジタル社会論V/063]
≪画像および関連情報≫
●ネットフリックスの「イカゲーム」を利用してトークンを
つり上げか
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スキッド・ゲーム(SQUID)という名称で、遊んで稼
ぐトークンとして宣伝されているトークンが、10月26日
の取引開始から連続してかなり不自然に上昇したことを受け
暗号資産(仮想通貨)業界と主流メディアの注目を集めてい
る。しかし、このトークンのウェブサイトを少し見ても複数
の不審点があり、提携先リストに掲載されている企業のうち
少なくとも1社が提携関係を否定している。
スキッド・ゲームは、10月26日にバイナンスチェーン
のDEX(分散型取引所)であるパンケーキスワップで1S
QUID=0.01ドルで取引を開始した後、記事執筆時点
(UTC(協定世界時)29日14時24分)では7.55
ドルで取引されており、4万5000%超上昇している。
過去24時間では222%上昇しており、その値は増加し
続けている。コインマーケットキャップのデータによると、
24時間取引高は900万ドルを超えている。買い手にとっ
て不幸なことに、ネットフリックスの韓国ドラマシリーズで
ある「イカゲーム(英題は「スキッドゲーム」)」に着想を
得たと思われるこのトークンには問題がある。複数のユーザ
ーがパンケーキスワップ上で売却できないと報告している。
現時点でこのトークンが取引されている市場がパンケーキス
ワップのみであることを考えると、トークン保有者にとって
この状況は当然ながら大きな問題となる可能性がある。
https://bit.ly/3qefPHh
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スギッドゲーム