明しています。そのため、イーサリアムの実体がはっきりしなく
なっているようです。今日は金曜日であり、次のEJまで2日休
みがあるので、今日のEJは、このことをはっきりさせることに
したいと思います。
イーサリアム(ETH)は、ビットコインと同様に、その実体
は仮想通貨(暗号資産)です。11月3日現在の、イーサリアム
/円(ETH/JPY)の価格をビットコイン(1BTC)の価
格と比較します。
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◎2021年11月3日現在
イーサリアム(1ETH)・・ 491138円
ビットコイン(1BTC)・・ 6949864円
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イーサリアムとビットコインでは、大きな差がありますが、イ
ーサリアムは、時価総額では、ビットコインに次いで第2位を占
めています。ちなみに、イーサリアムには、「イーサリアム企業
連合/EEA」という組織があって、そこには500社以上の企
業が加盟しており、実用化が進むと、イーサリアムの価格は大き
く上昇する可能性があります。
「アルトコイン」という言葉があります。ビットコイン以外の
仮想通貨の総称を意味する言葉であり、代替コインともいわれま
す。イーサリアムはビットコインに次ぐアルトコインです。
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◎アルトコイン
Alternative Coin
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イーサリアム(ETH)についての基礎情報を次に示しておき
ます。
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通貨名 ・・・ イーサリアム
通貨略称 ・・・ ETH
発案者 ・・・ ヴィタリック・ブテリン
発行上限 ・・・ 7200万ETH
送金時間 ・・・ 15秒前後
時価総額 ・・・ 約2兆1000万円
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この基礎情報のなかで注目すべきは送金時間です。これは正確
には送金ができるまでに要する時間のことです。ビットコインは
約10分ですが、イーサリアムは約15秒。これなら決済に十分
使えるスピードです。
さて、「イーサリアム」という言葉は、このように仮想通貨の
名称であることに加えて、スマートコントラクトのためのプラッ
トフォーム、もう少し正確にいうと、ダップス(DApps) /分散
型アプリケーション開発のためのプラットフォームということに
なります。両方とも「イーサリアム」という言葉を使うのです。
これでは混乱必至です。
そこで言葉を整理します。ビットコインもイーサリアムも、ブ
ロックチェーンという技術を使っています。しかし、ブロックチ
ェーンの質というか、レベルが違うのです。
ビットコインのブロックチェーンは、「取引を改ざんできない
ように間違いなく記録する」ことを実行するものであったのに対
して、イーサリアムのそれはその機能に加えて、ダップス/分散
型アプリケーションを開発するためのプラットフォームにもなっ
ているのです。つまり、色々なアプリを開発し、契約を自動実行
できる、スマートコントラクトが実現できるプラットフォームに
もなっているのです。
スマートコントラクトという言葉も定義しておきます。ちなみ
に「スマート」という言葉は、「賢い」とか「機敏な」という意
味が転じて、「コンピュータで制御できる」という意味でも使わ
れます。スマートハウス、スマートシテイ、スマートカーなどの
ようにです。
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◎スマートコントラクトとは
今まで人が手動で行ってきた「契約」を、ブロックチェーン上
で「自動化」することである。スマートコントラクトを導入する
ことにより、改ざん不可能でかつ非中央集権型のサービスを実現
することができる。
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要するにスマートコントラクトとは、ブロックチェーンの「改
ざんが不可能」という特質を利用し、ブロックチェーン上に契約
記録を書き込んでしまおう、というものです。スマートコントラ
クトが導入されれば、人間を介在せずに、より高いセキュリティ
レベルを保った状態で、契約が可能になります。
これに加えて、ソリディティ(Solidity)という独自のプログ
ラミング言語を用いて、契約の執行条件などをブロックチェーン
上に定義しておくことにより、契約を完全に自動化することも可
能になります。
それでは、イーサリアムには、ビットコインのPоW(プルー
フ・オブ・ワーク)のようなものはあるのでしょうか。
イーサリアムには、PоWの代わりに「PоS/プルーフ・オ
ブ・ステーク」というものがあります。
PоSとは、発行済の全コイン総量に対する保有コインの割合
によって、発言力が変動するように設計されたアルゴリズムのこ
とです。つまり、コインの保有量が多いほど報酬を得やすい仕組
みになっているのです。なお、取引のためのトランザクション実
行や、プログラム処理ごとに発生する手数料として「ガス」とい
う概念も使います。ガス代のことです。
─[デジタル社会論V/061]
≪画像および関連情報≫
●イーサリアム、環境に優しいシステムへの年内移行望む
──考案者が語る
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イーサリアムのソフトウエア開発者は以前から、PoWシ
ステムの問題点である二酸化炭素の大量排出を解決する「プ
ルーフ・オブ・ステーク(PoS)」システムへの移行を目
指して取り組んできた。
PoSへの本格移行は、複雑な技術面での挫折で遅れてい
る。暗号資産(仮想通貨)は今月、イーロン・マスク氏がエ
ネルギー消費の急増を理由にビットコインを使用したテスラ
車購入を停止すると発表したことをきっかけに、最大級の価
格変動に見舞われた。暗号資産業界は一刻も早い本格移行を
待望している。
英ケンブリッジ大学のビットコイン電力消費総合指数(C
BECI)によれば、ビットコインの年間電力消費量は現在
パキスタンやアラブ首長国連邦(UAE)での年間電力消費
を上回る。同大学はイーサリアムの電力消費データは集計し
ていない。
イーサリアムの考案者、ヴィタリック・ブテリン氏はイン
タビューで、「仮想通貨やイーサリアムがこの1年間で驚異
的発展を遂げたことから、われわれにとってPoSへの転換
が一段と急務になっている」と発言。年末までの移行を望ん
でいるとしたが、来年前半までというのが大方の見方だ。そ
れでも昨年12月時点の見通しから大幅に早まっている。
https://bit.ly/3BBSpNS
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スマートコントラクト