2021年10月27日

●「マイニング種々のスタイルがある」(第5601号)

 ビットコインの話です。デジタル化の進む社会において、現代
人は、「デジタルの芸術品」ともいうべきビットコインのことを
もっと詳しく知る必要があります。なぜなら、いずれ通貨は必ず
デジタル化されるからです。
 2009年1月3日に一番最初のブロックが作られています。
当然マイニングが行われ、PоWの勝者が決まったはずです。そ
の勝者がナカモト・サトシ氏であるかどうかはわかりませんが、
勝者はPоWのリワードとして、50BTC(ビットコイン)が
もらえたはずです。
 このリワードの額は、新たに約21万ブロックが作成されるご
とに半減していく仕組みになっています。2012年11月には
25BTC、2016年7月には12・5BTC、それ以来、約
4年が経過し、2020年7月には6・25BTCになっていま
す。現在のリワードはこの価格です。2024年になると、リワ
ードは、3・725BTCに下げられることになっています。
 そして、そもそも発行されるビットコインの上限が決まってい
て、2100万BTCになると、もうビットコインは発行されな
い仕組みになっているのです。これらはすべてプログラムに組み
込まれており、管理者なしでも決められたことが実行されます。
 つまり、ビットコインは、基本的にはPоWでしか入手できな
いものなのです。狭き門です。しかし、一般人がPоWで手に入
れるのはほとんど不可能ですので、取引所でそのときの時価で各
国通貨で手に入れるしかないのです。
 現在1BTCの価格が高騰していますが、ビットコインを入手
する場合、ビットコインの最低単位「1Satoshi」 単位で購入す
ることになっています。
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 1BTC・・・・・・・・・・・     1ビットコイン
 0.01BTC ・・・・・・・・  1センチビットコイン
 0.001BTC ・・・・・・・   1ミリビットコイン
 0.000001BTC ・・・・ 1マイクロビットコイン
 0.00000001BTC ・・        1Satoshi
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 現在、ビットコインやブロックチェーンに関しては、多くの書
籍が出版されています。そのほとんどを購入して読みましたが、
それらの書籍は、ビットコインとは何か、ブロックチェーンはど
のような技術かについて説明しているだけで、必ずしも具体的で
はないのです。
 例えば、マイニングは個人レベルで参加することが絶望的に思
えますが、必ずしもそうとはいえないのです。マイニングをビジ
ネスとして捉えてみた場合、それに参加する方法は色々あるので
す。それについて説明します。マイニングには、次の3つの方法
があります。
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         @  ソロマイニング
         A プールマイニング
         Bクラウドマイニング
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 第1は「ソロマイニング」です。
 「ソロマイニング」は、自分のコンピュータを使って、1人で
マイニングする方法です。
 ソロマイニングでは、暗号資産(仮想通貨)のマイニングに成
功すると報酬をすべて自分のものにでき、成功する回数が増えれ
ば報酬が一気に増えることがあります。その一方で、マイニング
に成功しなければ全く報酬が得られず、マイニングに使う電気代
や設備代などのコストだけがかかってしまいます。
 ソロマイニングでは、膨大な計算を高速に行うための高性能な
コンピュータを準備し、専用のソフトをダウンロードしてうまく
稼働するように調整しなければなりません。そのため、コンピュ
ータの組み立てやマイニングソフトを調整するための知識など、
専門的なスキルが必要になります。
 第2は「プールマイニング」です。
 複数のマイニング参加者が協力してマイニングする仕組みであ
る「プール」というものがあります。このプールに参加して、マ
イニングを行うのが「プールマイニング」です。自分のコンピュ
ータの計算能力をインターネット経由で提供し、提供した仕事量
に応じて報酬を受け取るという方法もあります。
 マイニングに成功するとプールの管理者が報酬を受け取り、参
加したマイナーの仕事量に応じて報酬が分配されます。そのため
ソロマイニングに比べてマイニングに成功するチャンスが増え、
安定した報酬を得やすくなる利点があります。
 第3は「クラウドマイニング」です。
 マイニングを専門にしている企業(マイナー企業)にマイニン
グを任せるのが「クラウドマイニング」です。この方法であれば
マイニングに関する専門的な知識や、コンピュータの専門的なス
キルがなくてもマイニングに参加できます。
 一方、クラウドマイニングのスキームには、マイナー企業に出
資して報酬を得るものから、マイニングマシンをレンタルしてマ
イニングに参加するものなど、さまざまな形態があります。
 実は、ビットコインの総発行量の上限である2100万BTC
は、2018年5月の時点で、約1700万BTCがマイニング
されています。残りの約400万BTCが今後のマイニングの報
酬として支払われる予定で、上限に達するのは2140年頃にな
る見込みです。
 このように、マイニングひとつとってもそれぞれ工夫すれば、
多くの人が参加できる方法があり、ビットコインの仕組みは本当
によくできていると思います。これをナカモト・サトシ氏がすべ
てプログラミングしたとすれば、ナカモト・サトシ氏は大変な天
才プログラマーであるといえます。
              ─[デジタル社会論V/055]

≪画像および関連情報≫
 ●ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)におけるクラウド
  マイニングとは?
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   クラウドマイニングとは、ビットコインなどのマイニング
  と呼ばれる作業を行うマシンを遠隔利用することです。クラ
  ウドマイニングのサービスプロバイダーに申し込んで、マシ
  ンのマイニングパワーを購入します。そのマシンを使ってマ
  イニングを行い報酬を獲得することで、そのうちの一部を配
  当のような形でプロバイダーから暗号資産(仮想通貨)を受
  け取ることができます。クラウドマイニングとは、マイニン
  グを行う企業への投資であると言えます。
   そもそも、マイニングとはビットコインを初めとする暗号
  資産(仮想通貨)の取引データが正しいことを承認し、ブロ
  ックチェーンにつなぎこむ作業です。つなぎこむのに適した
  値をいち早く計算できた人が、報酬として暗号資産(仮想通
  貨)を受け取れます。報酬を用意することで、承認作業に参
  加する人がいなくならないようにしています。
   しかし、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)が普及
  するにつれ、個人レベルでマイニングを成功させることが難
  しくなってきました。計算速度を高めるために、マイニング
  に参加するマイナーはマシンパワーを増強する必要がありま
  す。その競争が進んだ結果、強力なマシンを大量に接続し、
  膨大な電力を消費しないと、マイニングで利益を得られなく
  なったのです。マシンの購入や管理コスト、さらには多額の
  電気代をまかなえる企業だけが、マイニングへ参加できるの
  が現実です。そこで登場したのがクラウドマイニングです。
  資本力で企業に太刀打ちできない個人でも、手軽にマイニン
  グによる利益を得られるべく、マイニング参加企業を通じて
  間接的に報酬を受け取る仕組みと考えられます。
                  https://bit.ly/2ZmB3aV
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マイニング・マシン.jpg
マイニング・マシン
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする