2021年10月13日

●「ビットコインは誰が発明したのか」(第5591号)

 ハッシュ値、ブロックチェーン、X-Road──難しい話が続いて
います。一言でいうと、わかったような、わからないような話の
オンパレードです。しかし、今後のデジタル技術のことを考えて
ブロックチェーンについては、理解しておくべきです。
 EJでは、2014年9月1日から、53回にわたってビット
コインを取り上げました。その同じ年の2月、ビットコイン取引
所のひとつ、マウントゴックスが破綻したのです。多くの人は、
「ビットコインは終わった」と考えたと思います。
 しかし、これは大間違いであり、ビットコインは、今でも生き
残っています。2021年10月11日現在の1ビットコインの
価格は次の通りです。
─────────────────────────────
      1ビットコイン=623万6310万円
         ──2021年10月11日現在
─────────────────────────────
 マウントゴックスが破綻したとき、時の財務大臣麻生太郎氏が
いった次の言葉は有名です。
─────────────────────────────
 いつかは破綻すると思っていた。あんなものが長続きするか
 と考えていたが、意外と早かった。──麻生財務相(当時)
─────────────────────────────
 よく考えると、麻生氏は2012年から財務大臣を務め、その
後7年間もずぅーっと財務大臣の席を独占したのです。その間、
日本経済は、株価は上がったものの、経済は低迷し、現在も依然
としてデフレのままです。財務大臣の責任重大ですが、本人はま
るで責任を自覚していません。
 しかし、一概に麻生氏だけを批判できないのです。欧米の経済
の専門家でも、当初はビットコインについて、次のように見当外
れのとらえ方をしていたからです。
─────────────────────────────
◎「ビットコインは通貨ではなく、オランダで17世紀にバブル
 を引き起こしたチューリップのようなもの」  ──欧州中央
       銀行(ECB)ヴィトル・コンスタシオ元副総裁
◎「ビットコインは極めて投機的な資産である」
           ──ジャネット・イエレン元FRB議長
◎「ビットコインは詐欺的で、最終的には破滅する」
  ──JPモルガン・チェース/ジェイミー・ダイモンCEO
─────────────────────────────
 上記のJPモルガン・チェースのダイモンCEOだけは、ビッ
トコインの本当のことがわかったとき、「『ビットコインは詐欺
的』といったことは後悔している」と反省の弁を述べています。
 これほどの金融の大物でさえ間違えるビットコインには、比較
的古い技術といわれるブロックチェーンという技術が使われてお
り、この技術がわかりにくいのです。何しろ、ブロックチェーン
は、「特定の管理者が存在しないのに、非中央集権システムを構
築できる」という凄い特色を持っているのです。
 ブロックチェーンは、誰が開発したのでしょうか。
 ネットで調べてみると「ナカモトサトシ」なる名前が出てきま
す。しかし、「ナカモトサトシ」は、ビットコインの開発者であ
り、彼はブロックチェーン技術を使って、ビットコインを開発し
たのです。2008年のことです。なお、ナカモトサトシの正体
は今もってわかっていません。日本人であるか、ないかも含めて
正体は不明です。そして、ナカモトサトシは、ブロックチェーン
の開発者ではありません。なぜなら、彼は、そのとき既に存在し
ていたブロックチェーン技術を使ってビットコインを開発したか
らです。
 そうすると、ブロックチェーンの開発者は誰なのでしょうか。
 ネットで探してみたのですが、見つかりませんでした。ただ、
次の記事を発見したので、参考までにお知らせします。
─────────────────────────────
 ブロックチェーンテクノロジーの元となったアイデアは、19
91年という早い時期に、Stuart HaberとW. Scott Stornetta
がデジタルドキュメントにタイムスタンプを付けることによって
日付が遡ったり、改竄されたりを防ぐという、計算上の実用的な
ソリューションとして紹介されました。
 このシステムでは、暗号化され、鎖のように繋がったブロック
を使用してタイムスタンプの付いた文書を保存し、1992年に
はマークルツリーが設計に組み込まれ、複数の文書を、1つのブ
ロックにまとめることが実現し、より効率的になりました。しか
しながら、このテクノロジーは使われず、ビットコインが誕生す
る4年前である2004年には特許も切れました。
                  https://bit.ly/3Dt5Lxf
─────────────────────────────
 ブロックチェーンの本質は、データベースです。データベース
とは、データを保存し、改ざんや消失がないように保管し、必要
なときに読み出したり、消去したりするシステムのことです。
 ブロックチェーンは、P2P(ピア・ツー・ピア)ネットワー
クを用いて管理する「分散台帳」を採用しています。これはきわ
めて特徴的です。ビットコインの取引は、過去から現在まですべ
てを記録して、公開されています。データをチェーンのようにつ
なげて、誰も公開・閲覧できる状態にしておき、お互いに監視さ
せるしくみを取っているのです。
 このブロックチェーンの特徴について、岡嶋裕史氏は、その特
徴を次の3つにまとめています。
─────────────────────────────
        @分散型データベースである
        A   非中央集権型である
        B書き込み専用・改ざん困難
─────────────────────────────
             ──[デジタル社会論V/045]

≪画像および関連情報≫
 ●ますます進化するブロックチェーン技術!今後の動向は?
  ───────────────────────────
   ブロックチェーンはビットコインを端緒に、仮想通貨の基
  盤技術としてまたたく間に、その名を社会に知られるように
  なりました。しかし企業経営者の方も含め、ブロックチェー
  ンはIT社会のごく一部で用いられている特異な技術と思わ
  れている節もまだあるようです。
   ブロックチェーンは今や、仮想通貨のみならず、医療、芸
  術、ビジネスシーンなどさまざまな分野で変革を成し遂げる
  ものとして、さらなる研究開発が進められています。本稿で
  は、ブロックチェーンの基本的な仕組みから、今後の技術革
  新の動向について解説します。
   ブロックチェーンはビットコインに代表される仮想通貨に
  よって一気に知名度が広まりましたが、その歴史は意外にも
  古く、1990年に暗号学の学会でその源流を垣間見ること
  ができます。ビットコインが台頭する以前から、ブロックチ
  ェーンの考え方はアカデミズムやビジネスなど広い分野で流
  通している技術であったといえるのです。
   2016年の経済産業省の調査によると、ブロックチェー
  ン関連技術の潜在的な市場規模は67兆円と試算されていま
  す。これは国内医療・福祉業界の約68兆円に並ぶほどの大
  きな市場規模です。このようにブロックチェーンは政府が採
  用するほど信頼性が厚く、さらなる研究開発が期待されてい
  る技術なのです。        https://bit.ly/2YvGgfD
  ───────────────────────────
JPモルガン・チェース/ダイモンCEO.jpg
JPモルガン・チェース/ダイモンCEO
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする