なって急に注目を集めてきているのです。「PISA」というも
のをご存知でしょうか。
PISAとは、世界中の10代の若者たちの学習到達度を測る
テストのことで、PISAは次の略称です。OECD加盟国を中
心として、3年ごとに実施される15歳を対象とする国際的な学
習到達度テストのことです。
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◎PISA
Programme for International Student Assessment
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PISAのテストは、「読解力」「数学的リテラシー」「科学
的リテラシー」の3分野に分かれていて、実施年ごとに3つのな
かから、中心分野が設定され、その分野が、とくに重点的に調査
されることになっています。
このPISAにおいて、日本の15歳が活躍しているのです。
しかし、「読解力」においては他国に少し劣っているようです。
2015年度と2019年度の2年度のPISAのベスト10を
次に示します。OECD加盟国37カ国の順位です。
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◎読解力
★2018度 ★2015年度
1位:エストニア 1位:カナダ
2位:カナダ 2位:フィンランド
3位:フィンランド 3位:アイルランド
4位:アイルランド 4位:エストニア
5位:韓国 5位:韓国
6位:ポーランド 6位:日本
7位:スウェーデン 7位:ノルウェー
8位:ニュージーランド 8位:ニュージーランド
9位:アメリカ 9位:ドイツ
10位:イギリス 10位:ポーランド
◎数学的リテラシー
★2018度 ★2015年度
1位:日本 1位:日本
2位:韓国 2位:韓国
3位:エストニア 3位:スイス
4位:オランダ 4位:エストニア
5位:ポーランド 5位:カナダ
6位:スイス 6位:オランダ
7位:カナダ 7位:デンマーク
8位:デンマーク 8位:フィンランド
9位:スロベニア 9位:スロベニア
10位:ベルギー 10位:ベルギー
◎科学的リテラシー
★2018度 ★2015年度
1位:エストニア 1位:日本
2位:日本 2位:エストニア
3位:フィンランド 3位:フィンランド
4位:韓国 4位:カナダ
5位:カナダ 5位:韓国
6位:ポーランド 6位:ニュージーランド
7位:ニュージーランド 7位:ドイツ
8位:スロベニア 8位:ポーランド
9位:イギリス 9位:スロベニア
10位:オランダ 10位:オランダ
https://bit.ly/3o9Ic8u https://bit.ly/3zBPbZS
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エストニアに注目してください。「読解力」においては、エス
トニアは、2015年は第4位ですが、2018年には第1位に
なっています。「数学的リテラシー」では、2015年は4位で
したが、2018年は3位に昇格。「科学的リテラシー」につい
ては、2015年は2位でしたが、2018年はトップになって
います。これは凄いことです。
日本はどうでしょうか。「読解力」においては、2015年は
第6位だったものの、2018年は、イギリスと同率ながら、ベ
スト10から脱落しています。日本は「読解力」には問題がある
ようです。
「数学的リテラシー」においては日本は強いのです。2015
年も2018年も第1位を占めています。韓国もピタリと第2位
につけています。「科学的リテラシー」については、2015年
は日本は第1位でしたが、2018年には日本はエストニアに抜
かれて第2位になっています。それでも日本の15歳は(現在は
21歳〜18歳)はなかなか頑張っているといえます。
ところで、日本は「読解力」の順位は低いですが、何か問題が
あるのでしょうか。
実は2000年は8位だったのですが、2003年には第14
位に転落し、その後大幅な改善がみられないでいます。日本の順
位の低い原因は、自由記述問題への無回答率が高いこととされて
います。このような結果を受けて日本は、2005年12月から
読解力向上プログラムがはじまり、2015年には第6位にまで
順位は向上していますが、直近調査の2018年には、またして
もベスト10から脱落しています。単に、書かれたテキストを読
むだけではなく、理解・利用・塾考する能力の育成が目標とされ
ているのですが、うまくいっていないようです。
このように、日本は「読解力」には問題はあるものの、「数学
的リテラシー」と「科学的リテラシー」では、上位を占めていま
す。しかし、IT技術の向上に関しては、エストニアに大きく遅
れているのです。これは、政府の問題です。
──[デジタル社会論V/035]
≪画像および関連情報≫
●エストニアが行っているプログラミング教育とは?
/世界のプログラミング教育事情
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日本では世界最高基準のIT社会の実現に向けて、202
0年から小学校でプログラミング教育が必修化します。必修
化により、情報に関する技術を理解し、活用する能力を養い
論理的思考能力の育成を目的としています。
必修化の背景として、プログラミング教育において、日本
は欧米やアジア諸国から遅れをとっています。そこで、海外
では、どういった国でどのようにプログラミング教育が行わ
れているのでしょうか?
今回は、プログラミング教育において、先進的な取り組み
を行っており、高い実績を誇るエストニアのプログラミング
教育事情をご紹介します。
エストニアは、北欧に位置しており、バルト三国(エスト
ニア、ラトビア、リトアニア)の一つです。首都はタリン、
人口は日本の約1/100の132万人、面積は、日本の約
1/8の45230平方メートルの日本より比較的小さな国
です。エストニアは、ITの分野で世界から注目されており
コミュニケーションツールで有名なスカイプもエストニアで
創業された企業なのです。1991年にソ連から独立後、政
府はITに資本を投ずることを決定し、これにエストニア国
民も支持しました。独立当初、インターネットの利用環境の
整備に注力し、IT強化へまい進しました。
https://bit.ly/3zG5wN5
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PISA