指し、いろいろなことをやっています。MUFGの幹部は「会社
の芯まで変える」といっており、同行がDXの本質を正しく掴ん
でいることがわかります。実際にどのようなことをやっているの
かについて、5つの点をピックアップしてみます。
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@ チャネルの強化
A AIとビッグデータの活用
BRPAによる業務プロセス改革
C ブロックチェーンの活用
D オープンイノベーション
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第1は「チャネルの強化」です。
具体的には、非対面チャネルの拡充です。米アカマイ・テクノ
ロジーと組んで、「GO−NET」によるネット決済の充実を図
るとともに、キャッシュカードや通帳の再発行、住所変更などは
無人店舗を拡充し、わざわざ実店舗を訪れる必要はなく、対応で
きるようにしています。
その一方で、有人チャネルも改革しています。次世代店舗「M
UFG−NEXT」です。国内に500店舗ある有人店舗のうち
70〜100店舗を新型店舗に切り替えます。税金や公共料金の
支払いを機械化し、テレビ電話でオペレーターと相談できる窓口
を設けています。顧客がいつでも、どこからでもアクセスできる
ロケーションフリーなチャネルを構築できるとしています。
第2は「AIとビッグデータの活用」です。
ヘルプデスクや帳票処理、検索、営業支援、審査などの5つの
項目について、業務をAIで代替します。MUFGによると、今
後10年間で業務の40%はAIに代替できるとしています。
第3は「RPAによる業務プロセス改革」です。
RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションのこ
とで、簡単にいうと、ソフトウェアによるロボット化で、仕事を
効率化するツールです。人間に代わって複数のアプリケーション
を操作したり、画面の内容を自動で判断し、必要事項を入力した
りするといったことができます。
MUFGのRPAの適用業務は、住宅ローンの書類点検、外国
送金関連業務、株主総会議案の通知、決済データなどの分析、イ
ンターバンク決済関連業務などです。
第4は「ブロックチェーンの活用」です。
ブロックチェーンの活用としては「MUFGコイン」の試験導
入があります。仮想通貨の導入です。MUFGコインについては
以前から話題になっていますが、2020年7月14日付、朝日
新聞デジタルに次の記事があります。
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三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)はデジタル通貨
「コイン」の提供を今年度後半にも始める。まずは共同運営先の
リクルートのサイトなどで利用可能にする。
4月に社長に就いた亀沢宏規社長が10日、朝日新聞のインタ
ビューで時期を示した。亀沢氏は「少し遅れたが、新型コロナウ
イルス(で外出が減ったこと)もあり、いいタイミングかもしれ
ない。リクルートが持つ若年層との接点と、我々の金融ノウハウ
とを合わせてサービスを提供したい」と述べた。
コインを運営する共同出資会社設立をリクルートとの間で昨年
10月に合意。サービスが始まれば旅行予約サイト「じゃらん」
や飲食店の予約サイト「ホットペッパーグルメ」などで使えるよ
うになる見通しだ。利用者は「1コイン=1円」として、支払い
に使ったり、換金して銀行口座へ戻したりできる。個人間送金な
ども実現するとみられる。 https://bit.ly/3hjo4gk
──2020年7月14日付、朝日新聞デジタル
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この記事によると、「2020年度後半」とありますが、私の
知る限り、2021年7月8日時点でスタートしているという情
報はありません。もうひとつ不可解なことは、上記の記事でもわ
かるように「MUFGコイン」の名称を「コイン」に変更してい
ます。なぜ、名称を変更したのでしょうか。
第5は「オープンイノベーション」です。
オープンイノベーションについては、昨日のEJでご紹介した
「MUFGデジタル・アクセラレータ・プログラム」などによっ
て、積極的にスタートアップ企業との連携を進めています。MU
FGのオープンイノベーションについて、田中道昭氏は次のよう
に述べています。
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金融サービスの機能を「MUFG/APIポータル」を通じて
外部に公開し、外部企業と提携しながら新しい金融サービスをス
ピーディーに展開する基盤を用意しました。海外にはグローバル
イノベーションチームを創設し、現地のフィンテックベンチャー
との提携を加速させながら、実証実験を行っているといいます。
現在までに、シリコンバレー、ニューヨーク、シンガポール、ロ
ンドンに拠点を構えています。
また2017年10月に設立したジャパン・デジタル・デザイ
ン社は、これまで内部組織として拡大してきた「イノベーション
・ラボ」を独立させたものです。外部エンジニアや地域金融機関
34社との協働などによって、革新的なカスタマーエクスペリエ
ンスの開発や社会的コストの低減に向けた取り組みを推進すると
しています。 ──田中道昭著
『アマゾン銀行が誕生する日/2025年の
次世代金融シナリオ』/日経BP
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MUFGは、いま大きく変わろうとしています。それは生き残
りの壮絶な戦いでもあります。
──[デジタル社会論U/055]
≪画像および関連情報≫
●「MUFGコイン」の名称から「MUFG」が消えた?
その真相は
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三菱UFJ銀行が、開発中の独自デジタル通貨「MUFG
コイン」の名称を「コイン」に変更したと、日本経済新聞電
子版が2018年10月17日に伝えた。だが、「シーテッ
ク・ジャパン/2018」(千葉・幕張メッセ、10月16
〜19日)の会場で、アイティメディア・ニュースが三菱U
FJ銀行に取材したところ、名称は未定で、現在検討中だ」
という。
MUFGコインは、三菱UFJ銀行が実用化に向けて開発
を進めているデジタル通貨。ブロックチェーンを活用し、1
コイン=1円の価値を持つのが特徴。実用化の時期は未定だ
が、少額のキャッシュレス決済やスマホアプリを使った送金
などでの活用を想定している。
報道では、コイン名称からMUFGの冠を外すことで、他
業種との協業を含む幅広い活用を促す狙いがあるとみられる
――などと伝えられていた。ただ、三菱UFJ銀行の木村遥
香さん(デジタル企画部)によると「シーテック」の展示で
は、(来場者に)気軽に使ってもらえるよう「コイン」とし
たが、冠を外したわけではなく、正式名称には“MUFG”
が付く可能性もある」という。「信頼性やMUFGのブラン
ドを考えると、MUFGがあった方がいい可能性もある。今
後のリリース内容に応じて名称は検討する」(木村さん)
https://bit.ly/3xow315
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MUFG