2021年05月28日

●「AWSのシェアは約4割を占める」(第5498号)

 AWSがいかにアマゾンを支えているかについて考えてみるこ
とにします。2017年のデータですが、アマゾン全体の営業利
益が41億ドルであるのに対して、アマゾンの一事業部門に過ぎ
ないAWSの営業利益は43億ドルなのです。これにより、AW
Sが、いかにアマゾンの通販事業の赤字を補っているかがよくわ
かります。
 アマゾン全体の売上高のなかでAWSが占める割合は近年伸び
ており、2020年度は454億ドルであり、アマゾンの売上高
全体の11・8%を示しています。
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            AWS 全体売上のAWSの割合
  2014年   46億ドル        5・2%
  2015年   79億ドル        7・4%
  2016年  122億ドル        9・0%
  2017年  175億ドル        9・8%
  2018年  257億ドル       11・0%
  2019年  350億ドル       12・5%
  2020年  454億ドル       11・8%
                  https://bit.ly/3vo9QiC
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 成毛眞氏は、売上高でみるとAWSは約10%に過ぎないが、
営業利益率でみると、AWSの凄さがわかるとして、次のように
述べています。
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 AWSの営業利益率もすごい。営業利益率とは、売上高全体に
占める営業利益の割合である。営業利益の金額そのものは、企業
の規模により大きな差があるため、他社と比較するときには、営
業利益率を見た方が便利である。
 AWSの2017年の営業利益率は約25%。日本の上場企業
の営業利益率の平均は、およそ7%で、20%あれば高水準と言
われる。それを考えると、いかにAWSの利益貢献が大きいかが
わかるだろう。その上、アマゾンのクラウドサービスは低価格で
ある。必ずしも利益率の高いビジネスは目指していない。これで
競合他社の新規参入を抑えてきたことを考えると、驚異的な数字
といえよう。アマゾンのキャッシュフロー経営では、もちろん、
AWSの莫大といえる利益も、小売り部門への投資に惜しげもな
く、つぎこんでいる。     ──成毛眞著/ダイヤモンド社
           『amazon/世界の戦略がわかる』
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 ICT業界において、クラウドサービス事業といえば、IBM
の「IBMクラウド」、マイクロソフトの「アジュール」、グー
グルの「クラウド・プラットフォーム」が有名ですが、AWSに
はとても対抗できないほどの差があります。
 2016年のデータですが、売上高で比較すると、マイクロソ
フトの「アジュール」が24億ドル、グーグルの「クラウド・プ
ラットフォーム」が9億ドルであるのに対して、AWSは122
億ドルであり、圧倒的な差なのです。
 クラウド・コンピューティングの市場シェアを比較したデータ
があります。2017年と2018年を比較したものですが、現
在、猛烈なシェア争いが行われていますが、AWSは47・8%
と、圧倒的なシェアを誇っています。
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            2018年   2017年
    アマゾン    47・8%   49・4%
    マイクロソフト 15・5%   12・7%
    アリババ     7・7%    5・3%
    グーグル     4・0%    3・3%
    IBM      1・8%    1・9%
    その他     23・2%   27・4%
      計    100・0%  100・0%
                  https://bit.ly/3flAsvf
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 現在、世界のデータでクラウドに移されているのは、たったの
5%といわれます。ということは、クラウド・コンピューティン
グ事業の前には、95%の手つかずの市場が広がっていることに
なります。アマゾンは、どのようにして、このビジネスに注力し
拡大させたのでしょうか。
 このAWSの事業を手掛けたのは、アマゾンの創業者ジェフ・
ペゾス氏が最も信頼を寄せる参謀といわれる、アンディー・ジャ
シー氏という人物です。AWSのCEOであり、責任者です。こ
のジャーシー氏は、2013年のウォール・ストリート・ジャー
ナルで次のように述べています。
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 2000年代初めに小売りビジネスを迅速に展開するため、イ
ンフラ(システムの基盤)を構築しようと決めた。こうしたサー
ビスを構築する中で、他の企業にもこのサービスが役に立つと思
うのではないかと考えた。     ──アンディ・ジャシー氏
         ──成毛眞著/ダイヤモンド社の前掲書より
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 2021年2月2日、ジェフ・ベゾスCEOは、2021年第
3四半期にCEOを退任し、取締役会長に就任すると発表してい
ます。そのとき、後任のCEOにはこのアンディ・ジャシー氏を
就任させるということをアマゾンの全社員向けのメールで伝えて
います。それほどアンディ・ジャシー氏は、ジェフ・ペゾス氏に
とって、信頼を寄せている存在なのです。
 ジャシー氏がアマゾに入ったのは1997年、アマゾンが上場
した年です。ジャシー氏は、それから20年あまりで、AWSを
ゼロから立ち上げ、2016年からはAWSのCEOに就任して
います。このジャシー氏が今後のアマゾンのCEOとして活躍す
ることになります。    ──[デジタル社会論U/026]

≪画像および関連情報≫
 ●AWSの今後の将来性は?現状の需要と今後の動向を解説!
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   AWSは、IaaSの中でも、特に利用されているもので
  す。市場の中ではリーダー的な存在であり、世界中で最も利
  用されているクラウドサービスです。
   現在のパブリッククラウドサービスの中で、最も求められ
  ているのがAWSです。AWSがこのような立ち位置に君臨
  しているのには理由があります。その例を挙げるとすれば以
  下のとおりです。
   @パブリッククラウドの中でも低価格
   A初心者でもわかりやすい操作性
   B提供サービス数が豊富
    それぞれの理由について簡単に説明をします。
   AWSは、パブリッククラウドサービスの中でも低価格で
  あることが特徴です。パブリッククラウドサービスはどこも
  料金を抑える傾向にありますが、AWSはその中でも低価格
  なポジションです。継続的に値下げもしていますので、金銭
  面で利用ハードルの低いクラウドサービスなのです。
   クラウドを利用する理由として、ランニングコストを抑え
  たいというのは往々にしてあるものです。それを実現できる
  環境という点で、需要が高まっています。
   AWSは全体的に直感的に利用できるUIが採用されてい
  ます。そのため、あまりクラウドに詳しくない人でも操作し
  やすくなっています。このことがサービスとしての利便性を
  高め、利用者を増やす要因となっています。
                  https://bit.ly/2RCRxI5
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アンディー・ジャシー氏.png
アンディー・ジャシー氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | デジタル社会論U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする