います。2019年8月現在です。ビングはマイクロソフト、ヤ
ンデックスはロシア、バイドーは中国です。
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グーグル ・・ 88・6%
ビング ・・ 5・1%
ヤフー! ・・ 2・7%
ヤンデックス ・・ 0・8%
バイドー ・・ 0・7%
その他 ・・ 2・1%
https://bit.ly/3ePXvNb
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このように、グーグルが圧倒的ですが、グーグルは「ページラ
ンク理論」に基づいて、スケールフリーネットワークの成長を促
進する仕組みが導入されています。ページランク理論については
ネット上に解説がたくさんありますが、数学の理論なので、いさ
さか難解です。
簡単にいうと、ページランク理論とはウェブページの重要度を
決定するためのアルゴリズムであり、「信頼性の高いページから
リンクされているページほど信頼性が高い」という考え方です。
グーグルの創業者であるラリー・ページと、セルゲイ・ブリンに
よって、1998年に発明されています。
学術論文でも同じことがいえます。基本的には、論文の引用数
の考え方と同じです。優れた論文は、多くの論文に引用されるも
のであり、そういう引用数の多い論文は優れているという考え方
です。これに関して、日本国内の「高被引用論文数ランキング」
というものがあり、研究機関ごとに公表されています。2017
年度のインパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキ
ングのベスト5は次の通りです。
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高被引用論文数 高被引用論文の割合
東京大学 1326 1・6%
京都大学 764 1・2%
理化学研究所 623 2・4%
大阪大学 540 1・1%
東北大学 497 1・0%
https://bit.ly/3eho8eS
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考えてみると、グーグルの検索精度の向上により、どのような
ニッチでマイナーなサイト(情報)であっても、キーワードによ
る検索結果によって、現在では表示されるようになっています。
まさに、ロングテールの法則が働いているのです。
このグーグルのページランク理論とスケールフリーネットワー
クの関係について、尾原和啓/島田太郎両氏は、次のように述べ
ています。
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重要なべージからリンクを集めるほどページの評価が上がる、
というページランク理論そのものもスケールフリーネットワーク
化の要因となりました。重要なべージの管理人同士が連絡を取り
合い、お互いにリンクを貼り合うようになったのです。こうして
一部のハブが膨大なリンクを集めるようになり、もともとスケー
ルフリーネットワークであったウェブのスケールフリー性がさら
に強化されました。
すべてのウェブページをリンク数によって評価し、スケールフ
リーネットワークとして構造化することで、グーグルは検索エン
ジンとして圧倒的な地位を築きます。そして検索エンジンを利用
する膨大なユーザーを基盤にして莫大な収益を上げるようになり
ました。 ──島田太郎/尾原和啓著/日経BP
『スケールフリーネットワーク/
ものづくり日本だからできるDX』
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ここまでは、グーグルの話です。続いて、フェイスブックにつ
いて考えてみることにします。
フェイスブックの創業者、ザッカーバーグ氏は、ハーバード大
学の学生が交流を図るための「ザ・フェイスブック」というサー
ビスを開始したのですが、その数日後にスタンフォード大学やコ
ロンビア大学、イエール大学などの学生からの「同じようなサイ
トが欲しい」との要望に応え、いわゆるアイビー・リーグの学生
にも開放されたのです。つまり、学生同士がつながるためのSN
Sがフェイスブックとして発足したのです。
はじめは、プロフィールの交換のようなものだったのです。そ
れが「ウォール」というツイッターのタイムラインに当たるもの
ができたことで、人と人がつながる機能が強化されといえます。
しかも、フェイスブックは、実名での登録が入会の条件であるこ
とが、匿名が許されているツイッターとは異なります。
それに加えて、フェイスブックは、人と人のつながりを作り、
緩やかなつながり「ウィークタイ」を含めて、可視化したことが
スケールフリーネットワーク化の拡大に貢献したのです。それに
加えて、フェイスブックの場合、ちょうどスマホが普及するタイ
ミングに間に合い、普及の加速が促進されたことです。これは、
フェイスブックにとって幸運であったといえます。
フェイスブックは、2012年に7億1500万ドルで、写真
SNSであるインスタグラムを買収しています。その急拡大ぶり
に脅威を感じたフェイスブックのCEOであるザッカーバーク氏
がフェイスブック陣営に囲い込んだのです。
インスタグラムは、基本的に写真によって人と人がつながれる
システムを有しています。これによって、フェイスブックは、ス
ケールフリー性を急拡大させる原因となったということがいえま
す。これについては、来週続いて考えていくことにします。
──[デジタル社会論U/011]
≪画像および関連情報≫
●フェイスブックがインスタグラム買収に大金を投じた理由
──両社の狙いと写真共有にもたらす影響
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世界最大の写真共有サイト(そしてソーシャルネットワー
ク)であるフェイスブックは、米国時間2012年4月9日
インスタグラムを買収すると発表した。インスタグラムは、
非常に高い人気を誇るスマートフォン向けモバイル写真共有
アプリを提供している企業だ。この買収を早速評価して、フ
ェイスブックにとって、非常に強力な戦術的かつ戦略的な動
きであるとする分析もある。
この件でフェイスブックが勝ち取った重要なものは、モバ
イルとのかかわりだ。インスタグラムのユーザー数は2年足
らずの間に3000万人に達している。フェイスブックは、
数年前からモバイルアプリを提供しているが、インスタグラ
ムほどはユーザーの愛着を勝ち得ていない。フェイスブック
は、モバイルアプリの中で最高の相手(少なくともユーザー
開拓という点においては)を買収することによって、将来の
競争相手を排除するだけでなく、モバイル分野での存在感を
強化できる。
インスタグラムは、小さな企業かもしれないが、買収の日
まではフェイスブックに対する脅威となっていた。フェイス
ブックは、1日あたり約2億5000万枚の写真が、アップ
ロードされる世界最大の写真共有サイトになったが、そのソ
ーシャルネットワークのユーザーベースに頼って安心してい
たのでは、現在の地位を強化し続けることはできない。
https://bit.ly/2QJv0cb
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世界検索エンジンシェア/2019