2021年04月16日

●「現在の中国は戦前日本と似ている」(第5472号)

 今回のテーマ「デジタル社会論」は、1月から約4か月間にわ
たって書いてきましたが、本日をもっていったん閉じます。当初
のこのテーマの目的は、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)の
解明にあったのです。
 しかし、リブラ(ディエム)やデジタル人民元などについては
現時点でわかっていることについては、ほとんど書いたつもりで
おります。ちなみに、昨年から今年にかけて、これらについての
最新情報は、ほとんど入ってきておりません。
 しかし、唯一の成果というべきは、カンボジアの「バコン」の
情報です。CBDCの「バコン」については、ネット上でも情報
は少なく、まさにこのテーマを取り上げなかったら、多くの人に
知られていない情報だったと思います。
 EJの読者のから「地球温暖化問題を是非取り上げて欲しい」
との要請があります。ありがとうございます。確かに、取り上げ
るべきテーマのひとつであると考えます。しかし、一つのテーマ
を取り上げるには、相当資料集めをする必要があります。資料を
集めたいと考えています。
 実は、気候変動の問題は、一度EJで取り上げています。20
08年のことです。
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 ◎地球温暖化懐疑論
  2008年2月 6日/EJ第2259号
        〜2008年3月21日/EJ第2289号
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 このテーマについては、書いてから10年以上前のことであり
再度取り上げる価値はあると思います。
 しかし、「社会のデジタル化」については、まだ書くべきこと
が山ほどあります。とくに日本のデジタル化については、スムー
ズに進行するとは思えないのです。難問が山積だからです。
 このところ半導体をめぐるニュースが多くなっています。半導
体の供給に不足が生じているからです。「デジタル化」に関係の
ある話題ですが、これについて、4月12日、バイデン米政権は
バイデン大統領が出席してウェブ会議を開いています。朝日新聞
デジタルは次のように報道しています。
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 バイデン米政権は12日、世界的な半導体不足への対応策につ
いて、半導体大手インテルなど米主要企業や台湾の台湾積体電路
製造(TSMC)の幹部らとウェブ会議で協議した。半導体の供
給網の安定化は中国との経済・軍事競争をにらんだ重要課題で、
16日の日米首脳会談でも話し合う。バイデン大統領は、半導体
分野の中国の巨額投資に触れ、「中国や世界は我々を待っていて
くれないし、我々が待つ理由もない」と強調した。米半導体産業
の育成については、対立の激しい米議会でも、超党派で支持があ
る。バイデン氏は、3月末に公表した総額2兆ドル(約220兆
円)超のインフラ投資案にも、半導体製造・研究に500億ドル
の支出を求める項目などを盛り込んでおり、改めて議会に協力を
呼びかけた。ウェブ会議はサリバン米大統領補佐官(国家安全保
障担当)やディーズ国家経済会議議長らが主導し、米グーグル、
自動車大手ゼネラル・モーターズなど主要企業が参加した。
       ──2021年4月13日付、朝日新聞デジタル
                  https://bit.ly/32hMBtC
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 この会議には、インテルなどの半導体米大手のほか、半導体の
世界的ファンドリである台湾のTSMCの幹部も出席しているこ
とに注目すべきです。つまり、この背景には、米中対立の激化が
あります。このテーマについては、16日の日米首脳会談でも取
り上げられ、協議される予定になっています。
 半導体だけではないのです。現在、中国は、新疆ウイグル自治
区への、いわゆる「ジェノサイド」で、世界的包囲網を敷かれて
います。ジェノサイドといえばブリンケン米国務長官による発言
が印象に残っていますが、これをもともといい出したのは、英国
の外相、ドミニク・ラーブ氏が、新疆ウイグル自治区で、「おぞ
ましく、はなはだしい」人権侵害が起きていると公表し、世界中
に知られることになったのです。
 これに基づき、ラーブ外相は、目隠しをされたウイグル人が、
列車で強制収容所に連行される映像や、ウィグル人女性に「不妊
手術が行われている」という証言を劉暁明駐英中国大使に突きつ
けたのがはじまりです。劉駐英中国大使は「そんなのデタラメ」
と一蹴したものの、その言葉の白々しさは、世界中に広がること
になったのです。さらにラーブ外相は、「ジェノサイド(民族浄
化)」という言葉を使って、中国政府の行為をナチスの蛮行にた
とえて、批判したのです。2020年7月19日のことです。
 新疆ウイグル自治区の問題は、英国政府は前から知ってはいま
したが、見て見ぬ振りをしてきたのです。しかし、香港の自由を
侵害する中国政府のやりかたを牽制するため発言したのです。
 これを受けて、7月21日、ポンペオ国務長官(当時)は、次
の発言をし、協力を呼び掛けています。
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 中国共産党の試みに対抗するため、英国を含むすべての国に協
力してほしい。脅威を理解し、対応できる連合を築ければ・・
              ──ポンペオ米国務長官(当時)
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 このようにして、ジェノサイド問題は、燎原の炎のように世界
にひろがっていったのです。
 来週からのEJは、このような流れを受けて、「デジタル社会
論」の後編という位置づけで、中国、いや中国共産党対日本を含
む自由主義国との対決の構図で、引き続き、リブラ(ディエム)
や、デジタル人民元など、デジタル技術問題を取り上げて、書い
ていくことにします。ご愛読をお願いします。
          ──[デジタル社会論/072/最終回]

≪画像および関連情報≫
 ●中国の台頭/かつての日本との類似点と相違点
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   日本は20世紀に二度、欧米に戦いを挑んだ。最初は軍の
  主導により強大な帝国になろうと試み、二度目は工業大国を
  目指した。そしていま、中国が世界の舞台に立とうとしてい
  る。第二次世界大戦での日本の降伏から75年、日本のバブ
  ル崩壊後30年が経ったいま、21世紀にアジアの大国であ
  る中国が台頭し、世界の現状に揺さぶりをかけている。
   日本がそうであったように、欧米の強大国に立ち向かう中
  国は、その増大する経済力や、軍事力が脅威とみなされてい
  る。一方で中国は、かつての日本とまた同様に、欧米諸国が
  中国の台頭を抑えようとしていると危惧し、国民と指導者の
  間で国家主義的な感情を煽っている。
   だが、世界の様相は一変した。植民地は独立し、多くの国
  が核武装している。国際的な機関があり、経済的な依存関係
  はさらに深まっている。中国の目標は日本と似ている。経済
  成長のための資源を確保しながら、近隣地域での影響力を行
  使する点は共通しているが、その方法が異なる。軍事的な侵
  攻により直接的な支配を強いるのではなく、経済的な誘因、
  文化面での働きかけ、軍事力の段階的な構築を通して、中国
  はその地位を高めようとしている。ダートマス大学のアジア
  専門家、ジェニファー・リンド氏は、「国力を高めようとす
  る中国の手段は、実に多様だ。他国なら二の足を踏むような
  手段でもある」と述べている。  https://bit.ly/3dlDhv2
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ラーブ英国外相.jpg
ラーブ英国外相
posted by 平野 浩 at 06:14| Comment(1) | デジタル社会論T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする