2021年03月04日

●「第3波に突入のビットコイン高騰」(第5440号)

 3月3日のビットコインの価格を調べてみると、次のような驚
くべき数字になっていました。
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 ◎1ビットコイン/2021年3月3日/9:00現在
              517万8714円24銭
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 517万円といっても驚くなかれ、2月20日頃は600万円
を記録しています。昨今のビットコインの価格に関連して、昨年
3月時点で31位だった米電気自動車(EV)CEOイーロン・
マスク氏が、年末には世界長者番付において、アマゾン・ドット
・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏に次ぐ2位に躍進したのです。
 さらに1月8日には、そのトップのベゾス氏を抜いて、世界一
になったのですが、その翌週には再び2位に転落するなど、激し
く首位争いを展開しています。
 これはテスラ株の変動によるものですが、実はビットコインが
テスラ株を動かしているのです。今や有名米企業や金融機関にい
たるまで、ビットコインを資産に組み入れるところが増加してい
ます。ビットコインは現在「第3波」を迎えているのです。
 ビットコインの価格変動にはこれまでに2波があったのです。
 第1波は2013年のキプロス金融危機です。キプロス政府が
発動した資本規制の網をくぐる資金逃避に、ビットコインが使わ
れたからです。
 第2波は、2016年〜2018年であり、主役は中国と日本
です。国内の厳しい規制や管理を嫌い、中国の投資家がビットコ
インを大量に購入したのです。しかし、中国当局がビットコイン
の取引を禁止するに及んで、今度は日本の投資家がビットコイン
を買いはじめたのです。しかし、コインチェック事件など、取引
所からの通貨の大量流出などが相次ぎ、規制も強化されたので、
日本でのブームは沈静化しています。
 そして、現在ビットコインの第3波がはじまっています。この
第3波の特徴について、日本経済新聞社・論説委員長の藤井彰夫
氏が、2021年3月1日付、「核心」において、次のように解
説しています。
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 今回の第3波の主役は米国で、米ドルからビットコインへの資
金流入は7割を超す。第3波の特徴は、これまで暗号資産と距離
を置いてきた有名企業や金融機関も参加し始めたことだ。価格の
上がり方も急角度だ。
 テスラやマイクロストラテジー、スクエアなど米企業が購入し
たほか、米銀大手のバンク・オブ・ニューヨーク・メロンがビッ
トコインの資産管理業務への参入を表明。貴金属などと同様に運
用資産の分散先として注目が集まり始めた。カナダでは最近ビッ
トコインに投資する上場投資信託(ETF)も始まった。
 「(ビットコインは)取引に使うには非常に効率が悪い」「価
格変動の大きさに注意すべきだ。投資家が被るであろう潜在的な
損失を心配している」。2月22日、イエレン米財務長官は取引
の過熱に警鐘を鳴らした。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
も「非常に投機的な資産でマネーロンダリング(資金洗浄)を助
長している」と規制強化の必要性を訴えている。
      ──2021年3月1日付、日本経済新聞「核心」
        「ビットコインの逆襲」/藤井彰夫論説委員長
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 ビットコインの価格の高騰化傾向に対する当局の激しい反応は
フェイスブックのリブラに対する当局の反応に似たところがあり
ます。まさに「国家VS暗号資産」の構図です。
 2019年7月16〜17日のことです。米国の議会で、リブ
ラに関する公聴会が開かれています。また、同時期にフランスに
おいて、G20財務相・中央銀行総裁会議も開かれていますが、
リブラが主要議題に取り上げられ、議論が行なわれ、議長総括と
して、次の声明が出されています。
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    リブラに関しては最高水準の規制が必要である
                ──G20議長総括
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 これに反応して、当時のトランプ米大統領は、リブラに反対す
る趣旨のツイートを立て続けに3連発しています。
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≪第1弾≫
 私は、ビットコインや他の仮想通貨のファンではない。それら
はマネーではないし、その価値の変動は大変大きく、ほとんど何
の根拠もない。規制されない暗号資産は、麻薬取引などの違法行
為を助長させる。
≪第2弾≫
 同様に、フェイスブックのリブラの「仮想通貨」も、根拠も頼
りがいもないものだ。もし、フェイスブックとその他の企業が銀
行になりたいのであれば、新たな銀行免許を取り、他の銀行と同
じように、国内と国際の双方の銀行規制に従うべきだ。
≪第3弾≫
 我々は米国でただ一つの本物の通貨を持っている。それは、こ
れまで以上に強くなっており、頼れる信頼がおけるものだ。世界
中でこれまでで一番支配力のある通貨であり、今後もそうあり続
けるだろう。それは米ドルと呼ばれている。
      ──藤井彰夫/西村博之著/日経プレミアシリーズ
            『リブラの野望/破壊者か変革者か』
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 トランプ前大統領のツイートは不規則発言といわれますが、ど
こかの国とトップと違って、これは官僚の書いたものを読んでい
るのではなく、大統領自身の仮想通貨に対する考え方をそのまま
書いており、リブラについてはまさに本質を衝いています。
              ──[デジタル社会論/041]

≪画像および関連情報≫
 ●米株市場でビットコイン保有会社に脚光、テスラの
  投資発表追い風
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   [2月10日/ロイター]米国株式市場では、今年に入っ
  てから暗号資産(仮想通貨)ビットコインに投資している企
  業の株価が大幅にアウトパフォームしており、米電気自動車
  (EV)メーカー大手テスラによるビットコインへの15億
  ドル投資発表を受けてさらに値を上げている。
   テスラは8日、ビットコインに約15億ドル投資したと明
  らかにし、テスラ車両や製品の購入でビットコイン利用を受
  け付ける見通しを示した。これを受けて、ビットコインは急
  騰。9日には4万8000ドル超の過去最高値を付けた。テ
  スラ株は発表を受けて8日に上昇。9日は1.6%下落した
  ものの、年初来の上昇率は20%と、S&P総合500種の
  4%高をアウトパフォームしている。
   ビットコインに投資している企業の株価も上昇。ソフトウ
  エア会社マイクロストラテジーは9日に22%値を上げ、今
  週に入ってからの上昇率が50%を超えたほか、年初来の上
  昇率も200%を超えている。同社はこれまでに約7万10
  79ビットコイン(現在30億ドル超相当)を購入。同社の
  時価総額(118億ドル)に対する比率が25%を超えてい
  る。カナダの金融テクノロジー会社モゴも9日に45%高。
  テスラの発表を受けてからの上昇率は85%となった。同社
  は昨年12月にビットコインに最大150万カナダドルを投
  じると表明していた。      https://bit.ly/2NWIVdl
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トランプ前米大統領.jpg
トランプ前米大統領
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論T | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする