2020年12月14日

●「コロナ対応で菅内閣支持率が急落」(第5390号)

 12月12日、毎日新聞と社会調査研究センターは、全国世論
調査を実施したところ、次の驚くべき結果を得ています。
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  ◎菅内閣の支持率
       支持する ・・・・・ 40%(57%)
      支持しない ・・・・・ 49%(36%)
  ◎菅内閣のコロナ対応
       評価する ・・・・・ 14%(34%)
      評価しない ・・・・・ 62%(27%)
  ◎新型コロナウイルスに対する日本の医療・検査体制
     不安を感じる ・・・・・ 69%
    不安を感じない ・・・・・ 17%
  どちらともいえない ・・・・・ 14%
                    注:()内前回調査
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 菅内閣発足時の9月の調査は、支持率64%、不支持率27%
という高支持率だったのです。それからわずか3ヶ月弱で支持率
が24ポイントもダウンするのは異常です。官邸では、おそらく
真っ青になっていると思います。
 菅内閣は、発足早々高支持率をとったので、年内解散かと思わ
れたのですが、菅首相は「コロナ対策をしっかりやる」と宣言し
「仕事をさせてくれ」といい、早期解散を否定しています。しか
し、その肝心のコロナ対策において評価は、34%から14%へ
20ポイント下落しているのです。これは、少なくとも現時点で
の菅内閣のコロナ対策は落第点ということになります。
 菅首相が「コロナ対策をしっかりやる」と宣言したことは、一
般的には、新型コロナの感染者を減らし、医療体制を守り、コロ
ナによる死者を減らすことであると受け止められます。とにかく
コロナを何とか押さえ込んで、日々感染者が増える不安な雰囲気
を解消して欲しいというのが国民の願いです。
 しかし、もちろん国のトップですから、感染者を減らすことに
加えて、国の経済の立て直しのことも考えなければなりませんが
菅首相が重点を置いているのは、一にも二にも、経済の立て直し
なのです。とくに菅首相は、異常なほど、GoToキャンペーン
にこだわっており、GoToキャンペーンの停止には、一時的に
せよ反対のようです。確かに、経済崩壊で自殺する人も少なくな
い情勢であり、だから、アクセルとブレーキの両方を踏もうとし
ているのです。
 つまり、国民の求めているものと、内閣が重点を置いているも
のとの間にズレがあるのです。内閣として、それを解消するには
菅首相自身が何回も記者会見を開き、国民に話しかけることしか
ないと思います。しかし、菅首相は、ぶら下がり取材やネット番
組出演には応じても、正式な記者会見にはなかなか応じようとは
しません。これでは、菅首相の真意が国民に伝わらないのです。
それが20ポイントの支持率の下落につながったのです。
 ズレといえば、菅首相と感染症対策分科会との間にも大きなズ
レがあるように感じます。
 菅首相は、12月11日、ネット番組「ニコニコ動画」に出演
し、次のように話しています。
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 (東京発着旅行に関しては、65歳以上や基礎疾患のある人に
利用自粛を要請した今月2日以降)予約者の8割くらいはキャン
セルされたという事案もある。いつの間にか「GoTo」が感染
防止に悪いことになってきたんですけど、分科会から「移動では
感染しない」という提言もいただいていたんです。
     ──12月11日「ニコニコ動画」出演の菅首相より
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 菅首相も加藤官房長官も「移動では感染しない」という分科会
の提言を何度も口にしています。まるで、それをまるで錦の御旗
のようにして「GoTo」を進めているのですが、本当に分科会
はそのようなことを首相に提言したのでしょうか。
 12月6日、感染症対策分科会の尾身茂会長は、NHKの番組
で、次のように発言しています。
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 GoToトラベルを含め、人々の動きと接触を短期間に集中的
に減らすことが、感染を鎮静化するために必須である。
             ──感染症対策分科会の尾身茂会長
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 尾身茂会長は、このように人が動けば、感染が拡大するので、
一時的に動きを集中的に減らし、感染拡大を鎮静化させることが
必要だといっているのです。「移動では感染しない」とはいって
いない。官邸と分科会のこの食い違いは、いったい、なぜ起きた
のでしょうか。
 新型コロナウイルスの最大の特色は、無症状の感染者がたくさ
んいることです。これらの無症状の感染者がどのくらいの強さで
他の人に感染させるかはわかっていませんが、感染させるリスク
は高いと考えられます。
 GoToキャンペーンは、そういう無症状の感染者の移動を促
進させるので、感染拡大の原因になり得るのです。自身に感染し
ているという自覚がないので、自由に歩き回り、感染を広げて行
くことになります。
 また、その一方で、無症状感染者は、自分は感染者ではないと
思っているので、普通の人と同じように、感染を防ぐための防御
行動──マスク、ソーシャルディスタンス、3密を避けるなどを
行い、感染者にならないよう務めることになります。奇妙な話で
すが、こういう行動は、感染の拡大に一定のブレーキをかけるこ
とになります。いずれにしても、このままGoToを続けると、
感染者はさらに拡大を続けることになりそうです。支持率が急落
した菅政権は、どのような対策を講ずるのでしょうか。
         ──[『コロナ』後の世界の変貌/134]

≪画像および関連情報≫
 ●GoToキャンペーン、なぜか止めない菅政権の「反知性主
  義」という末路
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   菅義偉政権が日本の生産性を引き上げるために「中小企業
  再編論」を掲げています。中小企業がデジタル投資をしやす
  い環境をつくると同時に、事業継続が難しい中小企業に対し
  て業態転換を支援するという政策であれば、私も大いに賛同
  したいところです。
   しかしながら、最低賃金の大幅な引き上げで中小企業の淘
  汰・廃業を進め、生産性を引き上げようとするのは、データ
  や因果関係を無視した愚かな行為に見えてしまいます。デー
  タをまともに検証することなく、因果関係と相関関係を取り
  違えて思い込みで進めているのでしょう。実際、中小企業庁
  の近年のデータが示すのは、廃業する企業の中で前年度の純
  利益が黒字だった企業の割合が高いということです。
   その割合は、実に60%を超えています。ゾンビ企業より
  優良企業のほうが廃業している現実を踏まえると、廃業数が
  増えることで生産性は低下しているというわけです。そうい
  った意味では、最低賃金の大幅な引き上げによって廃業を強
  いる政策が本当に正しいのか、しっかりとデータを検証して
  議論する必要があります。中小企業の生産性をかえって引き
  下げてしまうリスクについて何一つ語られないのは、違和感
  を覚えざるをえません。     https://bit.ly/3gJ9vQZ
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安倍/菅内閣支持率の推移.jpg
安倍/菅内閣支持率の推移
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする