和会)による「桜を見る会」の一流ホテルでの前夜祭の経費負担
の問題が大きなニュースになっています。
実はこの問題は、河井克行/案里夫妻の広島での大量買収事件
と密接な関係があるのです。安倍首相が検察との関係で密かに心
配していたことは、いわゆるモリカケ問題ではなく、この「桜を
見る会」の前夜祭の経費負担と、2019年7月21日の参院選
での選挙違反の問題だったのです。そのため、政権の守護神とい
われる黒川弘務東京高検検事長の検事総長への昇格にあくまでこ
だわったのです。万一の場合の備えです。
この布石は、上川陽子法務大臣のときからはじまっています。
上川陽子氏は、第2次安倍改造内閣の2014年10月から20
18年10月まで、ずっと法務大臣の職にあったのです。その間
に、黒川弘務氏は2016年9月に法務事務次官、2019年1
月に東京高検検察庁検事長と順当に昇格しています。このとき、
法務省の意思としては、次期東京高検検事長は林眞琴氏(現検事
総長)であったのですが、上川法相は、林氏を名古屋高検検事長
に飛ばして、黒川氏を昇格させたのです。明らかに、人事には、
安倍首相/菅官房長官の意思が働いています。そして、その上川
法務0大臣の後任が河井克行氏なのです。
この河井克行なる人物の経歴を見ると、とくに法務大臣に相応
しい人ではないのです。安倍政権になってからの経歴を見ると、
次のようになっています。
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2015年:内閣総理大臣補佐官
2016年:内閣総理大臣補佐官再任
2017年:自民党総裁外交特別補佐
2019年:法務大臣
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私がBSフジプライムニュースで「自民党総裁外交特別補佐」
のときの河井克行氏を見ていますが、まさかこの人が法務大臣に
なるとは信じられなかったです。
しかし、法務大臣就任後の7月の参院選のあと、妻の案里議員
の買収疑惑で、10月31日に法務大臣を辞任し、森雅子氏が法
務大臣に就任しています。ここまでの法務大臣の人事において、
安倍首相は菅官房長官と一体となって進めてきています。このコ
ンビは、法務・検察・警察を巧みに使うことで知られています。
それを実際に担い、実務を取り仕切ったのは菅官房長官(当時)
です。菅政権が誕生したとき、警察庁出身の幹部官僚2人が留任
していますが、これについて『選択』10月号は、次のように書
いています。
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再任、留任の多用で「実務型」と分かりやすい評価を受ける菅
義偉内閣は、深部に闇が潜む。警察庁出身の幹部官僚二人の留任
である。理由を探ると、内閣の命運を左右するのは、「居残り官
僚」であることが見えてくる。二人とは、第二次安倍晋三内閣の
発足以来、事務の内閣官房副長官を務める杉田和博と、当初は内
閣情報官として、その後は国家安全保障局(NSS)局長として
安倍を支えた北村滋だ。(中略)
菅と杉田の関係は緊密とされる。内閣人事局を通じて霞が関に
睨みを利かせる菅も、官僚全てを知る由もなく、杉田に頼った部
分が大きい。安倍政権末期の躓きの一因となつた検事長の定年延
長問題でも、賭け麻雀で職を追われた前東京高等検察庁検事長の
黒川弘務の定年延長を画策したのは菅・杉田コンビだ。(中略)
安倍政権の後半は、外務省出身の谷内のNSS局長退任に伴い
総理大臣官邸は「警察官邸」に変貌したとも言われた。その中核
が杉田や北村だ。「外事畑」を歩んだ北村は警察キャリアでは主
流を外れたが、杉田に重用され、NSS局長まで上り詰めた。こ
の二人にとって菅は、安倍と違い、部下に権限を丸投げせず、自
ら幅広く情報を収集し、警察人脈の勝手を許さない、厄介な存在
だった。 ──『選択』/2020年10月号
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検事長の定年は63歳であり、黒川弘務氏は、慣例上誕生日前
日の2020年2月7日に退官しなければならなかったのです。
しかし、2020年1月31日の閣議で、黒川氏は、定年後も半
年間勤務が延長されることが決定され、森雅子法務大臣は「検察
庁の業務遂行の必要性に基づき引き続き勤務させる」との説明を
しています。あくまで次期検事総長狙いの人事です。
まだあるのです。警察庁ナンバー2の次長、中村格なる人物で
す。中村警察庁次長は、菅氏を内閣官房長官秘書官として支えた
人物です。次長というと長官のたんなる補佐役のように受け取ら
れがちですが、実際にはその権力は絶大で、指揮監督は全国にお
よび、事実上、警視総監以上の権限をもつ。しかも、予算をはじ
め人事や政策立案まで握るポジションであり、さらに出世コース
としては次期長官が約束されたも同然のポストなのです。
そういってもピンとこなければ、次の「エキサイトニュース」
の記事を読んでください。
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あらためて振り返ると、元TBS記者で、「安倍首相にもっと
も近いジャーナリスト」と呼ばれていた山口敬之氏から性暴力を
振るわれたという伊藤さんの相談を受け捜査を担当していた高輪
署の捜査員が、2015年6月8日、逮捕状を持って成田空港で
山口氏の帰国を待ち構えていた。ところが、この逮捕直前に上層
部からストップがかかった。この逮捕取りやめを指示したのが、
当時、警視庁刑事部長だった中村氏だった。実際、山口氏の逮捕
を取りやめるよう指示したことについて、本人が『週刊新潮』の
直撃に対し、「(逮捕は必要ないと)私が決裁した」と認めてい
るのである。 http://exci.to/378h2EA
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──[『コロナ』後の世界の変貌/124]
≪画像および関連情報≫
●政権の守護神を検事総長にしたい首相と官房長官
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宮内庁のホームページを開くと、「認証官任命式」という
表示がある。こう説明している。「任免につき天皇の認証を
必要とする国務大臣その他の官吏(認証官といいます)の任
命式です。任官者は、内閣総理大臣から辞令書を受け、その
際、天皇陛下からお言葉がある」霞が関の高級官僚である事
務次官といえど、認証官ではない。検察庁トップの最高検察
庁の検事総長と次長検事、そして8つの高等検察庁の各検事
長がそれにあたる。文字通り天皇の認証を必要とされ、特別
に位置づけられているポストだ。
宮内庁が検事総長や検事長の認証官任命式のため、あらか
じめ天皇のスケジュールを確保しておかなければならない。
天皇拝謁の前に内閣の閣議決定があり、検察庁はそれまで最
短でも3週間前に本人へ内示し、周囲が任官準備を始める。
それが通例だった。
だが、今度は様子が違った。東京高検検事長の黒川弘務は
2月8日の63歳の誕生日をもって検察官の定年を迎える。
新たな検事長の交代に備え、年の初めにはその内示があるは
ずだった。松の内が明ける1月7日の初閣議前になっても、
その内示がない。動きがまったくなかったのである。
そうして1月31日を迎えた。検察関係者たちは、当日の
閣議決定に仰天する。それが、黒川の半年間の勤務延長だっ
た。東京高検検事長は検事総長の待機ポストと位置付けられ
ている。退官するはずだった黒川は定年延長により、8月7
日まで東京高検検事長として勤務する。
https://bit.ly/3lcDnG9
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残したのには深い意味がある