ナ禍のときに、消費税を増税するのではないかということです。
「まさか、そんなことをするはずがない」と思う人も多いと思い
ますが、この政権ならやりかねません。事実政府税調では、密か
にそれを検討中という情報があります。
私は、安倍政権で唯一評価していたことは、安倍首相が財務省
に対してかなり抵抗したことです。官邸の主要ポストから出来る
限り、財務官僚を追い出し、経産省の官僚を入れ、決まっていて
法律にも書かれていた消費税の5%の税率アップを何とか遅らせ
ようと努力しています。それでも増税は実施されましたが、抵抗
した姿勢は評価できます。それほど、財務省の力は強大であると
いうことです。あれほど、増税に反対の姿勢をとっていたかつて
の民主党は、政権をとったとたん、コロリと増税に寝返っていま
す。財務省の力に屈服してしまったのです。
しかし、菅政権では財務省の力が復活しつつあります。このコ
ロナ禍で、あのドイツでさえ、時限的とはいえ、消費税の減税を
しているのに、日本では、逆に増税をしようというのですから、
恐ろしいことであり、何もわかっていません。
米国の大統領選では、次の言葉を国民に呼びかけて、国民の信
を問うといわれています。
─────────────────────────────
Are you better off〜/皆さんの生活は良くなりましたか?
─────────────────────────────
11月7日現在、まだ決着がついていない米大統領選ですが、
トランプ政権の場合、「4年前よりも暮らし向きはよくなりまし
たか?」との調査において、「良くなった」と答える米国人が、
56%いることがギャラップ社から明らかにされています。10
月7日の話です。これについて、トランプ大統領自身は、次のよ
うにいって喜んでいます。
─────────────────────────────
コロナウイルスの世界的大流行の中だというのに、4年前(オ
バマ、バイデン時代)よりも暮らし向きが良いというギャラップ
調査は信じ難いほどだ。過去の調査でも最高だとか。本当に素晴
らしい! ──トランプ大統領
─────────────────────────────
国のトップにとって一番大事なことは何でしょうか。国のトッ
プがやるべきことはたくさんありますが、自分がトップの時代に
国民の暮らし向きが良くなったかどうかが一番大切です。日本の
首相にこの質問が出来る人がいるでしょうか。現在立憲民主党に
籍を置く小沢一郎衆院議員がかつて率いていた政党名は、「国民
の生活が第一」(2012年)でした。政治の一番大切な目的は
まさにこれなのです。
しかし、デフレであるうえで、未曾有の災害が起きて、個人消
費が大きく落ち込んでも、日本は大増税を平気でやる国です。不
況期に増税などとんでもない話ですが、東日本大震災による復興
財源の確保を目的として、民主党政権下でしたが、復興特別税を
実施しています。しかも、その期間が長いのです。2013年1
月1日から25年間です。その間、所得税、法人税、住民税の税
額に2・1%上乗せするかたちで徴収される税金です。つまり、
現在も徴収されているのです。
この復興特別税を積極的に提唱したのは、誰なのでしょうか。
それは、いま話題になっている日本学術会議なのです。ウィキペ
ディアでは、復興特別税について次のように書いています。
─────────────────────────────
復興特別税とは、東日本大震災からの復興のための施策を実施
するために必要な財源の確保に関する特別措置法に基づいて、東
日本大震災からの復興施策に必要な財源を確保するために課され
ることとなった日本の税金。復興特別法人税及び復興特別所得税
からなる。これらは日本学術会議から提言された。
──ウィキペディア https://bit.ly/32liG46
─────────────────────────────
もちろん東日本大震災から東日本を復興させるには、国のお金
を使う必要があり、増税もそのひとつの手段ではありますが、大
震災の起きた2011年3月は、日本はデフレ下で、景気が良く
ないときだったのです。こんなときに増税は、最もやってはいけ
ない選択肢です。それを日本学術会議が提言し、実施に移されて
います。日本学術会議に経済がわかるはずはないので、実施すべ
きではなかったのです。
そもそも日本のデフレは、1997年4月に橋本内閣が、それ
までの3%の消費税率を5%に引き上げたことが原因といわれて
います。そのデフレを解消させることができない状況でリーマン
ショックが襲い、経済にとって最も深刻な時期に、震災とはいえ
またしても増税です。これでは、経済が持つはずがないのです。
デフレは一層深まるばかりです。
デフレの脱却を目指した安倍政権も、アクセルとブレーキを同
時に踏むようなちぐはぐな経済政策を行い、結局は、大企業の利
益にのみ貢献する政治を行ない、またしても、消費税を5%から
10%に倍増させています。これによって日本のデフレは23年
間、ずっと続いているのです。これについて、産経新聞特別記者
の田村秀男氏は次のように述べています。
─────────────────────────────
政治家にしろ官僚にしろ、あるいは経団連のような団体にしろ
彼らが達成すべき目標は、国民経済全体を豊かにしていくことで
す。つまり日本経済を成長させることこそが彼らの使命″であ
り、正義″であるべきなのです。そうでなければ国民のより良
い生活(better off)を支えていけるはずがありません。
──田村秀男著/ワニブックス刊
『景気回復こそが国の守り脱中国、消費税減税で/日本再興』
─────────────────────────────
──[『コロナ』後の世界の変貌/110]
≪画像および関連情報≫
●菅官房長官(当時)が消費税増税発言
───────────────────────────
自民党総裁選に立候補した菅義偉官房長官(当時)が9月
10日夜のテレビ東京の番組で、現在10%の消費税の税率
について、「これだけの少子高齢化社会、どんなに私どもが
頑張っても人口減少は避けることはできない。行政改革を徹
底して行った上で、消費税は引き上げざるを得ない」などと
発言しました。批判を受け菅氏は11日の記者会見で「将来
的な話として答えた」「安倍晋三首相はかつて『今後10年
ぐらい(消費税率を)上げる必要はない』と発言している。
私も同じ考えだ」と慌てて軌道修正を図りましたが、発言は
撤回していません。
日本共産党の田村智子政策委員長は11日、国会内で記者
会見し、「消費税がどれだけ国民の暮らしや中小企業の経営
にとって重大な問題をもたらしているのか、まったく理解し
ていない」と批判しました。番組で菅氏は、総裁選で争う石
破茂元幹事長、岸田文雄政調会長と共に「消費税は将来的に
10%より引き上げる必要がある」との質問に、「○・×・
△」で回答。石破、岸田両氏は「△」と答えたのに対し、菅
氏だけが「○」と答えました。新型コロナウイルス感染拡大
の影響に加え消費税の10%への増税で日本経済、国民の生
活が窮地に陥っている時に、さらに国民に負担を押し付けよ
うとする菅氏の発言に批判の声が起こっています。
https://bit.ly/2GCsXS7
───────────────────────────
敗色濃厚なトランプ大統領