2020年08月19日

●「王延秩と石生麗はどういう関係か」(EJ第5311号)

 新型コロナウイルス流出のカギを握る人物といわれる石生麗研
究員──所在不明が伝えられていましたが、5月25日、国営テ
レビのインタビューに登場したのです。本来、これは世界中が注
目する大ニュースのはずです。
 しかし、本稿執筆時にネットを検索してもこのインタビューに
関する記事は皆無です。明らかに何らかの方法で削除されている
ものと考えられます。そういう意味で、山口敬之氏の記事は貴重
なレポートになります。石生麗氏は次のように答えています。
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  私の研究が新型コロナウイルスの起源になった事実はない
                    ──石生麗研究員
                      ──山口敬之著
   「武漢P4研究所の『蝙蝠女』石生麗だけが知っている」
           ──「月刊HANEDAセレクション」
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 きわめてすっきりしない表現です。なにしろ、トランプ米大統
領が武漢の研究所からウイルスが流出した証拠を掴んだと発言し
た後のキーパーソンの発言としては、きわめて曖昧な表現です。
山口敬之氏は発言について、次のように述べています。
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 満を持して強い言葉で決然と疑惑を全否定すると思われていた
だけに、石生麗の発言は弱すぎた。その後のインタビューの度重
なる質問に対しても、石生麗は歯に衣着せたような言い方に終始
したのである。         ──山口敬之著の前掲書より
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 ここで強調しておくと、石生麗氏は、コロナ研究者としては、
世界が認めている研究者てあるということです。16年に及ぶ彼
女のコウモリの研究は、ウイルスの治療薬開発にも生かされてい
ます。日米がコロナウイルスの治療薬としてその効果を認めたと
いう「レムデシビル」も、石生麗氏の遺伝子情報が開発の重要な
足がかりとなったといいます。レムデシビルとはギリアド・サイ
エンシズというアメリカの製薬会社が作っている薬です。
 日本や米国では、石生麗研究員ほどの世界レベルの実績がある
と、武漢ウイルス研究所の所長に任命してもおかしくはないです
が、中国では、学問的業績よりも、あくまで中国共産党を守ると
いう大命題があるので、彼女を所長にはできないのでしょう。そ
ういうわけで、2018年頃から、武漢ウイルス研究所の所長に
なったのが、王延軼氏という人物です。王延軼氏の正式な職名は
「党委員会書記兼中国科学院武漢病毒研究所(武昌区/江夏区)
所長」となります。若いのに大変な出世です。
 この王延軼所長と石生麗研究員の関係について、山口敬之氏は
次のように述べています。
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 2018年に32歳の若さで所長に就任した王延秩は、コロナ
研究の世界的権威で17歳も年上の石正麗の「上司」となった。
研究者として中国内外にネットワークを持つ石正麗と、中国国内
で高位の政治的後ろ盾をもつ王延秩の間には、いろいろな捻れが
生じていたはずである。
 こうした事実を知れば、「私の研究が新型コロナウイルスの起
源となった事実はない」という石正麗の表現に、含みを感じる人
は少なくないだろう。石正麗が明確に否定したのは、自分に掛け
られた嫌疑だけであって、研究所全体への疑惑を否定したわけで
はない、とも受け取れるのである。──山口敬之著の前掲書より
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 王延秩所長の出世について、中国では、王所長の夫が、中国の
科学技術研究の総本山ともいうべき、中国科学院を牛耳る学閥の
武漢地域の幹部であることによるものとされています。これに対
して、河添恵子氏は、これとはぜんぜん違う説を立てています。
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 王所長の夫は、15歳年上で武漢大学副学長、武漢大学医学研
究院長も兼任している。識者の一部は「夫の威光で彼女が所長の
ポジションに就いた」と解説しているが、果してそうだろうか。
 それよりは、一部で噂される「王岐山国家副主席の隠し子」説
の方が、私にはより合点がいく。王岐山国家主席は、2018年
6月から中国赤十字会の名誉会長に就いている。ちなみに、会長
は、江沢民元国家主席と長男・綿恒氏に近く、リヨンのメリユー
家とも長年、深い関係にあると考えられる陳竺氏だが、「新しい
ラボ」が王岐山(一派)の牙城になりつつある、ということなの
か?赤十字会と聞けば日本人は「美しいイメージ」を抱くだろう
が腐敗の温床。誰も献金したがらない“黒い会”であることも補
足しておく。
 「バットウーマン」の石正麗主任をはじめ「選民」以外の研究
者は、所詮、中国共産党の軍拡──生物化学兵器、毒素兵器の開
発に利用されるク“頭脳コマ≠ノ過ぎず、いざとなったら「捨て
られる存在」なのかもしれない。   ──河添恵子著/WAC
『習近平が隠蔽したコロナの正体/それは生物兵器だった!?』
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 王延秩所長は、石生麗研究員がインタビューに応じた5月25
日の前日の24日、中国中央電視台(CCTV)のインタビュー
に応じ、次の趣旨の発言をしています。
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 武漢研究所から新型コロナウイルスが漏洩したとの見方がある
が、でっちあげである。研究所が、初めて新型コロナウイルスを
扱ったのは、2019年12月30日であり、12月30日以降
に、原因不明の肺炎の臨床サンプルの検査を進め、全く未知の新
たなウイルスが含まれることを発見した。それ以前には、扱った
ことも、研究したことも、保存したこともない。
            ──河添恵子著/WACの前掲書より
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         ──[『コロナ』後の世界の変貌/055]

≪画像および関連情報≫
 ●武漢のバットウーマン、ウイルス流出を否定 続く情報戦
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   新型コロナウイルスが中国・武漢の研究所から拡散したと
  する米国の主張に対し、真相を知る立場にあると見られてい
  た同研究所研究員が25日、中国国営メディアに登場しウイ
  ルス流出の可能性を否定した。米国を含む国際協力の舞台だ
  った研究所は、激しい情報戦の渦の中にある。
   中国国営の中国国際テレビ(CGTN)のインタビューに
  応じたのは、コウモリを宿主とするウイルス研究が専門の石
  正麗研究員。フランスの大学で博士号を取り、米国の微生物
  学アカデミーの会員にも選ばれている。コウモリを求めて雲
  南省の洞窟などに通う姿から、「バットウーマン」とも呼ば
  れる著名研究者だ。
   石氏は新型コロナウイルスについて、昨年12月30日に
  原因不明の肺炎患者の検体として初めて研究所に持ち込まれ
  たとし、「遺伝子配列を調べ、我々が知っているどのウイル
  スとも違う未知のものだとわかった」と説明。それ以前に新
  型ウイルスの存在は知らなかったとの立場を強調した。
   石氏は「伝染病の研究は透明性を持ち、国際的に協力して
  いかなくてはいけないものだ」と強調。新型ウイルスの起源
  をめぐり米中が対立する現状について、石氏は「政治と科学
  が混ざり、科学が政治化されている。全世界の科学者が望ん
  でいない状況だ」と述べた。   https://bit.ly/31VvHAw
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王延軼武漢研究所所長.jpg
王延軼武漢研究所所長 
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする