2020年07月31日

●「『新しいラボ』地図上からの消滅」(EJ第5299号)

 新型コロナウイルスは、どこから来たのでしょうか。その感染
元はどこかということです。中国の武漢市といわれていますが、
中国が曖昧な態度をとっているので、このことを明らかにする必
要があります。この件に関して、2020年4月14日付、ワシ
ントンポスト紙は気になるニュースを伝えています。それについ
て、次の「ワシントン共同」の記事をご覧ください。
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【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポストは14日、米当局者
が2018年に中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究
所を訪問後、同研究所が行っていた、コウモリのコロナウイルス
研究の危険性に警鐘を鳴らす公電を米国務省に送っていたと伝え
た。新型コロナウイルスが同研究所から漏えいした証拠はないが
トランプ政権内でこの公電が再び注目を集めているという。
 同紙によると、在中国米大使館員らは18年1月に研究所を数
回視察。公電には研究内容に関し「コウモリのコロナウイルスが
人に感染し、SARSのような病気を引き起こす可能性を強く示
唆している」と明記していたという。 https://bit.ly/39GsRTj ─────────────────────────────
 中国に詳しいノンフィクション作家の河添恵子氏の本によると
ワシントン・ポスト紙は、同研究所を「新しいラボ」と呼び、次
のように伝えています。
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◎彼らの「新しいラボ」は、高度封じ込めの実験室を安全に操作
 するために必要な訓練を受けた技術者と研究者が、深刻なほど
 不足している。
◎ラボには、大規模な管理上の弱点があり、深刻な健康上のリス
 クをもたらす危険性があり、ワシントンが関与するよう・・・
                  ──河添恵子著/WAC
『習近平が隠蔽したコロナの正体/それは生物兵器だった!?』
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 要するに、この情報は、2018年1月19日に、駐中国の環
境・科学・健康部門の米国の大使館員が外電で伝えたものの一部
ですが、実際に2020年になってコロナウイルスの感染が拡大
したので、ワシントンポスト紙がそれを報道したのです。
 ところで、ここでいう「新しいラボ」とは何でしょうか。
 中国の武漢市には、2つのウイルス研究所があるのですが、も
ともとあったのは、武漢市武昌区にある研究所です。1958年
に設立され、「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」という
のが正式名称です。
 この武昌区の研究所は、今回のウイルスの発生元とされる華南
海鮮卸売市場とは、長江を隔てて、東南方向に約12キロ離れた
地点にあります。したがって、米国の大使館員が指摘した「新し
いラボ」というのはこの研究所のことではありません。
 もうひとつの研究所は武漢市郊外の江夏区にあります。海鮮卸
売市場からは、南へ直線距離で32キロほど離れた位置にありま
す。この研究所は2015年1月に建設工事を終えており、官制
メディアは、少なくとも数年前までは、この研究所を次のように
呼んでいたのです。
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   ◎武漢国家生物安全(バイオ・セーフティ)実験室
    武漢市江夏区中国科学院武漢病毒研究所鄭店園区
    ヂェンディエン・サイエンスパーク
─────────────────────────────
 つまり、「新しいラボ」とは、この研究所のことです。最近で
は、この新しいラボは、上記の名称から「中国科学院武漢病毒研
究所」へと変更され、明らかにこの「新しいラボ」を中心の研究
所にするつもりのようです。実は、このラボの設立にはフランス
が深く関与しているのです。4月中旬のことですが、フランスの
エマニュエル・マクロン大統領は英紙フィナンシャル・タイムズ
(FT)紙記者とのインタビューで、次のように述べています。
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  われわれが知らないことが起きているのは明らかである
                 ──マクロン仏大統領
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 この研究所とフランスの関係は、来週のEJで述べるとして、
この「新しいラボ」の異変についてお知らせすることからはじめ
ることにします。河添恵子氏によると、新しいラボ、すなわち、
江夏区に新設された研究所は、2020年1月下旬の時点では、
グーグルマップで確認することができたのですが、現在は地図上
からは、完全に消滅しています。
 添付ファイルの2枚の地図(グーグルマップ)は、河添恵子氏
の本に出ていたものです。上の地図は、今年の1月下旬に河添氏
自身が確認した地図であり、これには、武昌区の研究所も江夏区
の研究所も確かに存在しています。
 しかし、下の地図は、同じ場所をグーグルマップで検索したも
のですが、現在では江夏区のいわゆる「新しいラボ」は、完全に
消滅しています。中国では、中国共産党が都合が悪いと判断した
ものは、何でも隠蔽してしまうことは、珍しいことではありませ
んが、存在を消したということは、その研究所の存在を知られた
くないという国家の意思が働いています。
 河添恵子氏は、これに加えて、武漢の2つの研究所のトップ人
事についても次のように触れています。
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 若い女性研究者だった王延軼氏(1981年生まれ)が、20
18年後半から、中国科学院病毒研究所の所長に抜擢されたこと
だ。バイオ・ハザード・レベル4に対応するP4実験室も備わる
「新しいラボ」(江夏区)と武昌区のウイルス研究所を統括する
所長だと考えられる。      ──河添恵子著の前掲書より
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         ──[『コロナ』後の世界の変貌/043]

≪画像および関連情報≫
 ●新型コロナは武漢研究所から出た?
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   新型コロナウイルスが中国の武漢にある生物学の研究所か
  ら流出したという疑惑が米国などで再び強まっている。今回
  はSNSではなく、ドナルド・トランプ政権内で公式に提起
  されたものだ。トランプ大統領は15日(現地時間)の定例
  ブリーフィングで、新型コロナウイルスが初めて広がった中
  国武漢の研究所に同ウイルスが由来する可能性を調査してい
  ると述べた。彼は新型コロナウイルスが武漢のウイルス研究
  所に由来するという主張があるとの質問に「我々は今起きて
  いる残酷な状況に対して非常に徹底した調査を行っている」
  と答えた。トランプはコロナ禍勃発以降、中国責任論を主張
  してきたが、同ウイルスが中国の研究所由来だと具体的に言
  及したのは今回が初めてだ。   https://bit.ly/2Dhqdri
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 ●図出典/河添恵子著の前掲書より

地図上から消滅した「新しいラボ」.jpg
地図上から消滅した「新しいラボ」
 
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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