のテーマです。ステイホームの期間中、家にこもってさまざまな
テーマを考えましたが、現在の状況において、新型コロナウイル
ス感染関連のテーマ以外は考えられないと思います。なぜなら、
このウイルスの蔓延によって、経済も、外交も、医療も、ビジネ
スも、教育も根こそぎ変わろうとしているからです。そこで、以
下のテーマで書くことにします。当分は、ニュースと平行しなが
ら書くことになります。
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「『コロナ後』の世界はどのように変貌を遂げるか」
─ 米中激変で、日本はどう対応すべきか ─
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中国で原因不明の新型肺炎が発生したのは、2019年11月
頃といわれています。それに最初に気が付いたのは、34歳の李
文亮医師(眼科医)です。「ヘンな肺炎が流行っている」──彼
はそのことをSNSに発信したところ大拡散し、李医師は1月3
日に警察に呼び出され、「デマ拡散」で、訓戒処分を受けていま
す。ということは、党中央は、李医師よりも早くウイルスの感染
拡大を知っていたことになります。
その証拠に中国は、正体のわからない肺炎が集団発生したこと
を2019年12月31日にWHOに報告しています。明らかに
1ヶ月以上遅らせて報告したことになります。そのとき、中国当
局は、次のようにWHOに報告しています。
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人から人に感染するという明白な証拠は見つかっていない
──中国当局
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1月22日、WHO調査団が訪中していますが、このとき調査
団は、武漢において人から人に感染したという証拠はあるものの
完全に解明するには、さらなる調査が必要との見解を示していま
す。これもWHOとしてはきわめてぬるい対応です。1月下旬に
なって、テドロス事務局長と幹部3人が北京に飛んでいます。実
は、公式の招待を受けたのは午前7時半で、その日の午後8時に
は、飛行機に乗っていたという慌ただしさです。「至急来い!」
と呼ばれたのでしょう。そして、テドロス事務局長は1月28日
に習近平国家主席と会談しています。
このときの会談では、データと生物学的資料を共有することを
とくに協議したといわれますが、それはあくまで表向きで、テド
ロス事務局長は習主席から「パンデミック宣言」は少し伸ばして
欲しいと要請されているはずです。習主席としては、低価格で、
医療用品を輸入するための時間を稼ぎたかったからです。
なぜなら、1月に入ってから、中国は、マスクや防護服などの
輸出を禁止する一方で、それらの医療用品の輸入を猛烈に増やし
ています。お人好しの国、日本では、多くの企業や自治体、個人
が、マスクや防護服を中国に寄贈しています。そのとき、日本人
の多くは「マスクなんてどこでも買える」と考えていたのです。
このことは、米国の国土安全保障省(DHS)が報告書にまと
めていますが、輸出規制がバレないように、数字をごまかし、貿
易データの公表をわざと遅らせて、輸出入の増減を隠していたの
です。このせいで、1月以降、日本でもあっという間にマスクが
店から消えたのです。中国においてマスクの現地生産している米
国の「3M」なども輸出規制措置に遭っています。
このとき、中国共産党が、どのように動いていたかについて、
ジャーナリストの長谷川幸洋氏は次のように述べています。
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中国共産党はどれほど組織だって買い占めに動いていたのか。
中国福建省からの移住者が多いカナダの例を挙げよう。カナダ
の有力メディア、グローバル・ニュースは4月30日、買い占め
作戦を暴露する長文の調査報道記事をネットに掲載した。以下の
ようだ。「カナダの中国領事館が1月半ば、緊急指令を出した。
「武漢で発生した新型コロナウイルスはあまりに危険で、感染力
が強い。そのために、看護師や医師たちは防護用品を使い果たし
てしまった。彼らは医療用のN95マスクや防護服(PPE)を
必要としている。大至急、買い集めて、祖国に送れ」という内容
だった。直ちに在カナダ中国人を総動員した「買い占め大作戦」
が始まった。司令塔を務めたのは、バンクーバーとトロント、モ
ントリオールの中国領事館である。彼らは本国の「中央統一戦線
工作部(UFWD)」と連携して、中国人コミュニティに「N9
5マスクと[PPEをできる限り、買い集めよ」と指示した。U
FWDは、習近平国家主席に直結している政府の組織だ。
──長谷川幸洋氏/月刊『Haneda』/2020年7月青葉号
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ちょうどこのとき、多くの日本人は、中国の武漢の感染のひど
い状況をテレビで他人事のように見ていたのです。ただ、正月気
分が残る1月18日に屋形船でのクラスターが発生したことから
日本人も少し警戒をはじめたのですが、そのときにはあらゆるド
ラックストアーからマスクが消滅していたのです。
WHOが、新型コロナウイルスを、パンデミック(世界的大流
行)に相当すると宣言したのは、実に3月11日のことです。W
HOは、その理由を次のように述べています。
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過去2週間で中国以外での感染者数が13倍に増え、今後、さ
らに感染者や感染が確認される国の数が増えると予想される。
──WHO(世界保健機構)
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中国とWHOの共同作戦に世界が騙されたのです。とくに米国
の感染状況はひどく、5月28日現在、感染者数は170万人、
死亡者数は10万人を超えています。すべてを知っている米国の
トランプ大統領は、中国に対してかんかんに怒っています。
──[『コロナ』後の世界の変貌/001]
≪画像および関連情報≫
●新型コロナを告発し罰せられた医師。死後に「処分は不当
でした」と発表、その本当のワケは?
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原因不明の肺炎の発生に警鐘を鳴らしたつもりが、逆に処
分の対象になり、訓戒を受けた医師。後に自ら新型コロナウ
イルスに感染し死亡したこの医師に対し、中国政府の調査チ
ームが「処分は不当だった」と結論を出した。だが本当の狙
いは、単に医師の名誉回復だけではなさそうだ。
この医師とは武漢市中心医院の眼科医だった李文亮氏(享
年34歳)李医師は、まだ中国政府が新型コロナウイルスに
よる肺炎の発生を公式に認めていなかった去年12月30日
の段階で「市場で7人のSARS(重症急性呼吸器症候群)
感染が確認された」などの情報をSNS上のグループチャッ
トに発信した。同僚の医師たちに防疫措置を採るよう注意喚
起するのが目的だった。感謝されてしかるべき行為。しかし
4日後の1月3日、李医師が受けたのは賞賛ではなく、地元
警察からの呼び出しだった。「グループチャットに流したS
ARSの情報は正しくなかった。今後は注意します」李医師
は警察で反省させられた上、訓戒処分を受けた。
李医師は、1月6日に眼科で82歳の患者を診察するが、
この患者は後に新型コロナウイルスの感染により死亡する。
李医師自身も10日から発熱の症状が出た。それから1か月
を待たず、2月7日、李文亮医師は新型コロナウイルスによ
る肺炎で死亡した。まだ34歳の若さにもかかわらず。
https://bit.ly/2AlHPk4
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テドロス事務総長/習近平国家主席