2020年05月29日

●「コロナ後は消費税減税を行うべき」(EJ第5256号)

 このテーマの連載は、2020年1月6日(月)から、次のテ
ーマで書いてきましたが、今回をもって最終回とします。
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    どうしたら日本経済を成長させることができるか
    ── 消費税を廃止することは可能である ──
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 昨年10月の安倍政権による消費増税で、個人消費が大きく落
ち込み、10月〜12月期のGDPと、コロナ禍がからんだ1月
〜3月期のGDPも2期連続のマイナス成長に陥っています。新
型コロナ感染が起きたので、すべてはコロナのせいにされてしま
いそうですが、日本の場合は、消費増税で個人消費が大きく落ち
込んだところにコロナ禍が重なっていることを、深く認識すべき
であります。
 日本経済はいまだに長期デフレからなかなか脱却できずにいま
す。それは、デフレにもかかわらず、5%だった消費税を10%
に倍増させたことに大きな原因があります。デフレ時の増税は絶
対の禁じ手であるのに、愚かにも、日本は何回も、その禁じ手を
使っています。そこで、まさに消費税そのものを見直すべきとき
にきていると感じ、このテーマを取り上げたのです。
 昨年来の令和新撰組による「消費税廃止」運動や、景気対策と
して「消費税5%ダウン」の声のうねりの拡大は、令和2年の前
半期に盛り上がるものと予測し、来るべき次の衆議院議員選挙で
は、消費税の是非が大きなテーマになるはずだったのです。折し
もMMT(現代貨幣論)が話題になっており、MMTの正体につ
いてもその本質に迫れると考えて、MMTを取り上げ、ここまで
論じてきています。
 しかし、3月に入ってからのWHOによる新型コロナウイルス
によるパンデミック宣言(2020年3月11日)によって、何
もかもコロナに様変わりし、テレビも朝から晩まで、コロナ一色
に染まっています。そしてあらゆるものが、新型コロナによって
変化しようとしています。
 しかし、皮肉なことに、この新型コロナによって、消費税減税
が実現できる可能性が出てきています。それは、自民党の内部か
らの消費税減税の動きです。これについて、参議院議員の青山茂
晴氏は、共同通信の記者時代に、総理番記者として、消費税をは
じめて導入した竹下登総理との思い出について次のように語って
います。つねづね竹下総理は「消費税を目的税にしてはいかん」
といっていたのです。
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 財務省は、安倍総理を動かして、消費税を目的税にしてしまっ
た。安倍総理の大きな間違いである。消費税を初めて導入した竹
下総理と、総理番記者だったわたしは、暮夜ひそかに、共同通信
の政治部にも一切何も言わず、朝5時頃まで竹下総理の私邸、か
つて佐藤栄作邸だった日本家屋の玄関の間で、奥さんの直子さん
やお手伝いさんを起こさないように斗酒を呑んでいた。「一内閣
一課題だ。日本で初めて(税の)直間比率の見直しをやるために
消費税を導入できれば、俺は辞任していいんだよ」と言う竹下総
理はまた、「本当の目的は所得税を代わりに画期的に下げること
だ」と繰り返して仰り、「だからな、消費税を目的税にしちゃい
かん。青山くん、俺が死んだ後もこれは忘れるな」と美味しそう
に盃をあげた。  ──月刊『Haneda』/2020年7月青葉号
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 しかし、財務省は実に腹黒いというか、ずるいのです。財務省
にとって、消費税だけは絶対に廃止されたくない、おいしい税制
です。広く網をかけて大量の税を集め、しかも所得税のように、
景気には左右されない税金だからです。
 なぜ、安倍首相は、消費税を目的税にしてしまったのでしょう
か。安倍首相は消費増税にはもともと反対だったからです。それ
は、財務省が「全世代型社会保障」と「教育無償化」いうエサを
ぶら下げて、安倍首相を説得したからです。
 なぜ、そうしたのかというと、そのために消費税法の本体だけ
ではなく、厚労省の予算、文科省の予算と各省庁の予算をめぐる
法律に「消費税の税収を活用し」という文面を入れて、簡単には
減税できないようにしているのです。森友問題の文書改ざんとい
い、中心官庁でありながら、省益のためには法律に違反すること
まで平然と行い、国民のためだけではなく、己の省益のため、悪
知恵を働かせているのです。
 今回のコロナショックにさいして、青山茂晴氏は次のように述
べています。
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 武漢熱ショックによる世界の壊滅的な景気後退のなかで、日本
だけに特殊事情がある。それは、昨年の12月に武漢熱が始まる
その2ヶ月近く前、10月1日に間違って消費増税に踏み切り、
それが空前の景気後退を起こしつつあるところに武漢熱に襲われ
た。ここはスキーとは違う。競技スキーは前の失敗に拘っていて
は、転倒が待つ。経済は、前の失敗に拘らないと目標を見誤る。
西暦2020年6月現在の日本経済において眼前の旗門とは、感
染症の収束の度合いを上げること、2次感染、3次感染に備える
ことだ。しかし同時に、一本先の旗門、個人消費の再起こそを見
つめなければならない。
         ──月刊『Haneda』/2020年7月青葉号
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 青山茂晴氏は、自民党内に「日本の尊厳と国益を守る会」の代
表を務めています。衆参両院の自民党議員54人が名を連ねてい
ます。これらの与党からの議員立法により、消費減税を実現させ
ようとしています。「5%を軸とし、武漢熱ショック後10%に
戻す」「軽減税率全品目10%」「消費税法があっても、当分の
間、課税を停止する」などいろいろな案があるといいます。消費
減税、機運は高まっています。このテーマの長い間のご愛読を感
謝します。  ──[消費税は廃止できるか/097/最終回]

≪画像および関連情報≫
 ●青山繁晴〜ポストコロナこそ消費減税が必要である理由
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   ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」 (5月15日
  放送)に自由民主党参議院議員の青山繁晴が出演。自民党の
  議員連盟「日本の未来を考える勉強会」と共に、自らが代表
  を務める「日本の尊厳と国益を護る会」が新型コロナウイル
  スへの経済対策として訴える消費税減税への動きについて解
  説した。
   新型コロナウイルス問題での緊急経済対策として、消費税
  の減税を求める動きは自民党から始まった。産経新聞による
  と3月11日、自民党の議員連盟「日本の未来を考える勉強
  会」が税率0%を政府に提言。そして青山繁晴が代表を務め
  る、自民党の「日本の尊厳と国益を護る会」も税率を軽減す
  る訴えを、議員立法にも向けて動いている。
  飯田)その議論も含めて、13日に「日本の尊厳と国益を護
  る会」総会が開かれ、その後、会見も行われました。議員立
  法を与党でやるというのは珍しいことです。
  青山)茨の道ではあります。立法府という名の通り、本来は
  議員が全部の法律をつくってもおかしくないのです。政府が
  国会に提出した法案、内閣が提出した法案という意味で、こ
  れを閣法と言いますけれど、実態としては、もちろん細かい
  ところは行政官、官僚がつくっているのですが、安倍総理も
  含め、政治家が関与していることも事実です。
                  https://bit.ly/3c792nN
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青山茂晴参議院議員.jpg
青山茂晴参議院議員
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 消費税は廃止できるか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする